パパよりLINEが入りました。

パパにはどうしても転勤先に行って欲しかったらしく、 本社の社長から転勤先でのパパの生活費をお給料に加算するという、異例のご配慮まで頂きました。そんなことは普通ありえません。そこまでしても来てほしいと言われたパパはやる気に満ち、誇らしげでした。


私もこれでパパの昇給(転勤が終わったのちには子会社の社長かキラキラおねがい)にリーチだなと、密かに嬉しく思いました。


出世街道を登ってきたパパです。私も頑張ろうと思いました。


私の本社に主人の転勤のお話をさせていただき、来季の私のフルタイム復帰が叶わなくなったら、その後はどのような働き方があるのかを相談させていただきましたが、育児勤務の延長はかないませんでした。(規則ですから)


よって一度 正社員を退職してもらった上で、年俸制の社員として契約をし直すことができるそうです。( 退職金 加算あり・ボーナスあり・各種手当あり・ 勤務日数や時間も会社との自由契約で今まで通りの時間で働ける)


しかしながら、私の正社員としての資格は失います。お給料も下がります。これからの私のシフト表は、新入社員の下に名前が入るのだなあと寂しく感じていました。


女性が正社員で働き続けるということは本当に大変なことですね。


それでも頑張って行こうと思っていました。これからは毎朝さらに30分も早く起きなければならないし( パパの送迎がなくなり、息子が電車通勤になるため)、私が自力で起きなければならないというプレッシャー(目覚まし係はパパだった)や、 息子の制服のワイシャツ係も私(今まではパパが気にしてくれていた)、土日の夕ご飯作りや育成会の係も私になるしと、今までどれだけパパが家庭に貢献してくれていたのかがよぎります。


それでも一人で頑張ろうと思っていました。


昨日は一睡もできなかったので、今夜こそはすぐに眠れるだろうと思っていましたが、パパが単身赴任をしていた頃の不安がまた、私の脳裏にまざまざと甦ってしまいました。


パパが単身赴任になると同時に心の支柱を失い、3年間も学校に行けなくなってしまった小4息子。あの時の死の淵を見るような恐怖が私の中にまた再現されてしまい、まだ何も起こっていないというのに、私はパニックになってしまいました。


「パパは行かない方がいい。3年間も5年間も私がこの状態で持つわけがない。パパは絶対に行かない方がいい」


夜中の2時でしたが、パパを起こして2人での話し合いとなりました。


転勤する方向で気持ちを固めていたパパでしたが、悩みながらも パパには行かないで欲しいということを伝えました。会社の人事を断るということがどのようなことなのか。ここからさらに登りつめなければ、57歳の役職定年でお給料はガクンと下がってしまいます。


私「私は パパが行ってしまうと、きっと気持ちがおかしくなってしまうと思う。息子も娘も大丈夫なのに、私の精神がおかしくなることで子供達を巻き込んでしまうと思う。私は高収入で家にいないパパよりも、低収入でいいから家族みんなで一緒にいたい。家族は一緒にいないとダメなんだよ。今までずっと高みを目指してきたけれど、もういいよ。息子にとっても これからの3年間が本当に大事なんだよ。家族が最後一緒にいられるこの3年間を潰すわけにはいかないよ」


これまでお金のために、歯を食いしばって頑張ってきたお金第一主義の私の、どの口が言うのかと思いましたが(笑)、 たとえパパが降格してお金がなくなっても家族一緒を選びたいと思いました。


パパ「わかった。転勤の話は断る。役員も降ろしてもらう。それでいいんだな」


迷う気持ちはありましたが、それでもパパの転勤は考えられませんでした。


パパ 朝から LINE が入りました。

これからのパパの昇格にどのような影響が出るのかは分かりませんが、とりあえず転勤拒否のお咎めはありませんでした。



まさかのまさか。これだけパパの出世を悲願し、パパの高収入を心より愛していた私が、出世よりも家庭を選ぶとは思っていませんでした。


もう貧乏でいいです。 家族が一緒なら。


家族で笑い合えるなら、私は何歳までも身を粉にして働きます。夫の昇給の邪魔をする、サラリーマンの妻としては大失格の私ですが、これからも家族で仲良く過ごしていきたいと思っています。