経済学者の安冨歩さんの本を読了致しました。
本書のなかで安冨さんは「自立とは依存先を沢山作ることだ」と説いていました。我々は自立とは他者への依存からの脱却であると考えがちです。しかしながら人は、なるべく人に依存しないようにしようと思えば思うほど、依存先が減ってしまい、どうしても最後に残ってしまった唯一の 依存先に頼らざるを得なくなります。これが絶対的な他者への従属になってしまうというのです。
本文p31引用
私が簡単に支配された理由は、私が母親に対して 抱いている無意識の恐怖心を、配偶者によって徹底的に利用され、同じような恐怖心を抱くように操作されていたからです。母親に対する恐怖心が生じたのは基本的には愛されていなかったからです。
安冨氏は「母親や配偶者が愛したのは彼の優秀な頭脳や名声であり、私の全人格を受け入れることを拒絶され、常に何かを達成して初めて与えられる、条件付きの愛ばかりであった」と言っています。
そんな彼女たちに対して、他には依存先のなかった安冨氏は従属し囚われてしまったのです。(奥様とは離婚)
しかしながら誰とでも仲良くしようとすればするほど、 自分を利用しようとする人と付き合う頻度が高くなるため、自分を本当に尊重をしてくれる人とだけ付き合うべきだとも言っています。
人の一部分だけをみて全体をみた気になり、「貴方は○○だよね」と勝手なる自分の尺度で批判する方は、人から受け入れられた経験がないということなのですね。そして こういうタイプの人々の特徴は、自分より弱い人を躊躇なく 攻撃し、自分より権力を持つものには 躊躇なく媚びへつらうのだそうです。
拝み屋に執着されて、5億円をギャンブルに使い込まれてしまった辺見マリさんの YouTube は 衝撃でした。
「親から ありのままに愛される」ということが、その人の人生においてどれだけの大事な基盤となるのかを感じた、恐ろしい告白でした。