大島紬を帯3パターンで着装してみました。おねがい

①翠山工房の総手絞り名古屋帯。新潟の80代のおばあちゃまがカチカチになるまで絞ります。(一時期翠山工房さんは廃業してしまったので、今はやっていないかもしれません。えーん)

②西陣舞鶴の経錦(たてにしき)袋帯。通常は緯糸で柄を出しますが、経錦は経糸で柄をだします。

③ミンサーの半幅帯。 ミンサーは八重山や竹富で織られる、木綿・手織り・草木染めの帯となっています。

やはり南国の着物には南国の帯は確実にあいますね。💕

つい先日、有松鳴海絞りの浴衣の国産絞りの反物がお店に期間限定で入荷していました。

現在の有松鳴海絞りは8~9割はカンボジアで絞られていますが、画像の有松鳴海絞り浴衣は全て国内産絞りです。海外での絞りも、カンボジアで絞った後に有松鳴海で染色をするため、国内産絞りと同じく有松鳴海絞りと呼ばれています。(シジミのげんりニヤリ)

もちろん国内産絞りの方が価格は高くなります。

↓こちらも国内産絞りです。海外で絞られた浴衣はカラフルなものが多いのですが、国産絞りにも色がついたものはあります。国産絞りのものでも藍染めはなく(色落ちするため)、藍色のものも含めて全て化学染料だそうです。

お店には有松鳴海絞りの浴衣を絞る三浦絞りの職人さんが来てくださいました。有松鳴海絞りは昔大分県から絞りが伝わりました。三浦しぼりを有松に広めてくれたのが「三浦さん」だったので、有松では三浦絞りと呼ばれるそうです。(大分では豆絞りと呼ばれる)

世界にもインドなどに絞り技法はありますが、やはり日本の絞り技法が世界最高峰となるそうです。

上記の絞りをほどくとこのようになっています。↓

有松鳴海絞りは昔は100種類ほどありましたが、現在絞られている絞りは30種類ぐらいと言われています 。(画像ネット)

ちなみにこちら↓がカンボジアの絞りです。日本では絞りの時給は安価なため、皆様家での内職仕事だそうですが(他に本業を抱える)、カンボジアの方々は工場に出向いてフルタイムで働いているそうです。カンボジアでの絞りの賃金は、現地の年収の1.5倍なのだそうです。びっくり

↓ 左が絞る前の図案下書き、右が絞り終えたところです。三浦絞りは絞りの技法の中でも手間と時間のかかる 絞りです。あまり時間のかからない絞りも、時間のかかる 絞りも買取価格はほぼ変わらないそうなのですが、お金のためではなく好きでやっている内職のため、皆さん自分が一番好きな 絞り技法に従事なさるそうです 。( 基本は1人1技法のみを専門とする)

実はあの金さんぎんさんも有松鳴海絞りの絞りの職人さんだったそうです。( 金さんは突き出し鹿の子、銀さんは三浦絞り)

有松鳴海絞りの絞り職人さんからは人間国宝は出ていません。また伝統工芸士もここ10年出ていないそうです。あくまでも女性が内職で行ってきたお仕事なのだと思います。

昨年有松鳴海絞りの一番大きな問屋さんが閉業してしまいました。それに伴い高齢の絞り職人さんたちもお仕事を やめてしまった方々もいたそうです。

今回お店に来てくださった職人さんは、普段は有松鳴海絞りの染色をなさっているそうです。よって絞りは夜の空いた時間や土日を使うため、年間でも10反ほどだそうです。有松鳴海絞りはそのような現地の女性によって絞られています。

図案を作る人 図案をさす人、絞る人、染める人、絞りをほどく人など全ては分業制であり、それぞれに専門の方々がいます。国内産の有松鳴海絞りの価格帯は10~20万円ほどとなっています。

私が持っているのは海外産の有松鳴海絞りばかりのため、 いつかは国内産の有松鳴海海絞りも着てみたいなと憧れています。おねがい(持ってないんか~い!)