動物行動学研究家の竹内久美子さんの本を読了いたしました。

 著者の竹内久美子氏


この本の中で大変面白い調査が紹介されていました。カナダの J・フィリップ・ラシュトンによる「人種ごとの特徴」調査です。

①ニグロイド(黒人)
②モンゴロイド(アジア人)
③コーカソイド(白人)

①~③の世界三大人種において、二グロイド(黒人)はR戦略の子育てをとるそうです。R戦略とは「質より数」の戦略であり、 不安定な条件下(食糧不足や伝染病など)で効力を発揮するそうです。

不安定な条件下にあると子供が死んでしまいやすく、そのためにも子供を多く産むそうです。アフリカ女性の1人あたり出生数は平均6~6.9人です。そのうち約1割の子供が5歳未満で命を落とします。ちなみに日本での5歳以下の子供の死亡率はは0.02% です。アフリカでは子供は家族の大事な労働力とみなされます。生んだ子供に対しては、死んでしまう確率も高いため、細やかに世話を焼いたり、高い教育を施す投資はしないそうです。


R戦略を取ったアフリカの人口は今後も爆発します。

一方K戦略は「数より質」の戦略であり、食料や収入が安定していれば子供が死んでしまう確率が低いため、数を多く産む必要がなく、数少ない子供に対して良く世話をして高い教育を投資するそうです。→モンゴロイド(アジア人)の戦略( 韓国は子供に高い教育を受けさせるために、教育費が高騰しすぎて出生率が世界最低の0.72人となってしまった)


最も安定した条件下にいたモンゴロイド(アジア人)が、 K戦略を取ったということです。(ユーカソイドは両者の中間)

日本もこの「数より質 」のK戦略を取ったことにより、世界の人口は増えていくのに、日本の人口は減少しています 。

しかしながらこれは人種における戦略の違いというよりも、先進国に見られる特徴的な現象であり、経済レベルが上がると女性の高学歴化が進み、教育費の高騰や女性の晩婚化により人口の減少が進むのではないかと私は感じます。


私はこの現象を考えるに、国力とはすなわち人口数であり、子孫繁栄を考えれば、我が家もK戦略ではなくR戦略を取った方が家は栄えたのではないかと思いました。親が教育にお金をかければかけるほど、子供は自分が受けた教育以上のものを子供に残そうとします。その結果が子供を産まないという選択に陥ってしまうのは子孫滅亡につながるのではないかと・・。滝汗



ちなみにこの説明に著者の竹内氏は「免疫力」の観点を 付け加えていました。

ニグロイド(黒人)は伝染病の脅威にさらされてきたため、女性は免疫力の高い男性を選ぶ必要がありました。 免疫力の高さとリンクしたのが、男の魅力でした。声の良さ(低さ)、ルックスの良さ、筋肉質の体型、喧嘩の強さ、メンタルの強さなどです。伝染病が蔓延している環境では相手を変えて繁殖し、子供に遺伝子バリエーションをつけることも重要なため、二グロイドの離婚率は高いそうです。(私生児が多い)

それに対しモンゴロイドは伝染病の脅威にさらされる危険がなかったため、免疫力(見た目重視の男の魅力)以上に、K戦略にふさわしい男(イクメン・高収入・高学歴)に 惹かれる傾向があるのだとしています。

どちらにしろ、女性がどんな男に惹かれるのかさえも、歴史的な遺伝背景からきているのが大変面白いことだと思いました。