Kindle からこちらの本を読了させていただきました。

著者はSNSやメディアで境界知能の生きづらさを発信されている"なんばさん"です。

Abema ニュースより。


生きづらさの原因として「発達障がい」や「毒親育ち」などが話題となる昨今において、「境界知能」というキーワードが注目されつつあります。

境界知能・・ 協会知能とは IQ が70から84の間にある人のことを指し、日本全体では 14%が該当すると言われ、数にすると約1700万人にも及ぶと言われています。(ちなみに知的障害は全人口の2%)

全人口の14%が境界知能であれば、日本人の7人に1人は境界知能ということになります。このゾーンにある人々は支援の対象外となるため、一般の人々と同様に競争社会を生き抜いていくことが求められます。

学生時代にはいくら努力しても勉強が理解できず、社会人になってからも仕事ができなかったり、周りとのコミュニケーションがうまく取れずに劣等感や自己否定などに苛まれることもあります。


境界知能の特徴
① 認知力・理解力の低さ・・ 難しい言葉や抽象的な概念を理解しづらい。性産業に従事する最貧困女性や刑務所で暮らす方々、犯罪組織の下っ端として使われてしまったり、ホスト・ねずみ講・新興宗教などにハマり財産を注ぎ込んでしまう方々の中には、 "知的障害や境界知能問題"が隠れていることも多いのです。(自分の置かれている状況が正しく認知できない)
 



「いくら説明しても理解出来ない」ということは、生活の上でもかなりのストレスがかかると思われます。

②感情のコントロールが苦手
自分の感情を「言葉」で表現することができず、幼い頃からの劣等感から怒りが積もってしまい、攻撃的になってしまう人もいるそうです。

著者は境界知能者の仕事選びにおいて、どのようなことを気をつけるべきなのか、どのような仕事が合うのか、境界知能の当事者42人にアンケートをとっています。

(本書より抜粋)

アンケートでは事務職が1位となっていましたが、分母が 42人と少ないのであまり職場選択の参考にはなりませんでした。

それにしても境界知能は7人に1人だなんて、随分多い数字だなあと思います。

日本では発達障害を抱える人の割合は10人に1人と言われています。だとすれば境界知能問題に悩んでいる方々は、 発達障害者の方々よりも多いということになります。


参照  ちなみに「鬱病」の割合は7%前後です。 (コロナ前は7%ほどだったのに対し、コロナ明けの 2020年は17%ほどになったというデータ もあります)

日本人の7人に1人が境界知能であるのだとすれば、境界知能はもはや「普通のこと」であり、社会の支援システムにおいても「普通カウント」(支援の必要なし)です。


「ハンデはあるにせよ頑張ってね」という社会のなかで、生きづらさを抱えながらも「仕事」に試行錯誤している著者の思いが描かれていました。