こちらの本を読了いたしました。↓

 

著者は ハーバード大学卒で ジャーナリストのエミリー マッチャー女史です。彼女自身も仕事を辞めてノースカロライナの田舎で夫とともに手作りライフを楽しむ「ハウスワイフ2.0」でもあります。


この本は2014年に初版発行され話題となりましたが、それから10年近くの月日が経った今でも、現状はあまり変わってはいないのだろうと思います。


アメリカのベビーブーマーと呼ばれた世代が、女性の社会進出を謳い「キャリアウーマン化」していくのをみていた子供達は、 出世することしか頭になかった親が幸せな人生を送ったとは到底思えずにいます。

( 映画 セックス・アンド・ザ・シティ より)


エミリーは有名大学を卒業し、キャリアを手に入れた女性たちが" 昔ながらの手作りで 丁寧な暮らし"に憧れ、 子供を産むと同時にキャリアを捨てて家庭に入っていく現象を「 ハウスワイフ2.0現象」と名付けました。

P11

以前なら、都会に暮らすおしゃれな女性といえば、週末にはクラブやバーで飲み騒いだものだった。でも、最近の若い子はそんなことはしない。土曜の夜には自宅でカップケーキを焼いて、料理ブログに載せる写真を撮っている。



私が若かった頃は、都会的で流行りの女子の象徴は「六本木 西麻布 青山のクラブ」で肩を出して踊ることだったけれど(私もそんな女性の1人だった)、今時の若い子はそんな遊びを素敵とはしていません。


そして私たちの親世代が、女性の社会進出とともに「女性は仕事も家庭も子供も全て手に入る」と考えたことを幻想とし、「そこまで苦労して全てを手に入れる必要もない」と、結婚と同時にあっさりとそのキャリアを捨てて「家庭と子育て」を大事にしているというのです。



私が一緒に働いている 20代の女の子たちも二極化していて、「もしも理想の男性に出会えなければ一生独身でもいいし、結婚をしたとしても子供はいらない」というキャリア志向か、「いい人を捕まえて20代のうちに結婚をして、パート社員となって家庭を大事にしたい」というタイプに分かれていて、「家庭も育児も仕事も全て手に入れたい。そのための苦労であれば全くいとわない」というバリキャリワーママ的な生き方は、彼女たちの理想ではありません。

先輩(私)のように子供を産んでからも正社員を継続し、育児勤務とともに出世街道からは外されて「一生販売員」として営業数字に追われ続けるようなマミートラックに陥りながらも、「子供の教育費のために稼ぎ続けなければならない」なんて「とんでもないです」といったところでしょう。

「男性も家事は育児に参加するようになった」とはいえ、 家事や育児の中心となるのは女性で、フルタイムの仕事と家庭との両立は不可能で、そんなことなら専業主婦のママになって夫の収入に頼り、多少のパートや 楽しく手作り小物でも売ってお小遣い稼ぎができれば満足。それこそが 新しい女性の生き方であり「ハウスワイフ2.0である」。

そんな若い女性たちが熱中する「丁寧な家事と子育て」VS「女性の経済的自立」は対極にあり、そこをどう選択していくべきなのか。

ハーバード大学やMBAの資格を持ちながらも、結婚と同時にあっさりとそのキャリアを捨てて家庭に入った女性たちは、その後にどのような世界観で生きているのか。

エミリー女史が紐解きます。
続く