向井千秋さんは 宇宙飛行士になる前は慶応病院の心臓外科医であり、石原裕次郎が解離性大動脈瘤という病気になった時の担当医師でもありました。
同じ慶応病院の医師であった千秋さんのご主人も、宇宙飛行士の募集に応募しようかと思ったそうですが、宇宙飛行士になるためには仕事を辞めなければならないこと、収入や老後も含めた将来のことを考えると応募ができなかったそうです。(当時の宇宙 開発事業団の年収は大卒初任給が21万円であり、最高上司でも年収800万円だったそうです)
引用P51
「”深く”考えた私が、何も考えずにとりあえず一歩を踏み出した女に振り回されることになってしまったわけだ。まあ、世の中とは こんなもんだろう」
高額である着物などもそうですが、「この着物が私に本当に必要なのか」「どこに何回ぐらい着るのだろうか」「 私にとって買う価値は本当にあるのか」などと、考えれば考えるほど気持ちが重くなります。(思考が感情を押し潰す)
「わあ、素敵❤️。着てみたい~(///∇///)」
という感情を思考よりも優先させなければ、着物は思い切れないのです。これはどんなケースに当てはめても同様かと思います。
回っているコマが「自分はなぜ回っているのか」「回る目的は何なのか」「回る価値はあるのか」 などと立ち止まって考えてしまえば、そのコマはもはや回れなくなってしまいます。
この本の中には、向井千秋さんが 日本有数の頭脳を持ちながらも、子供のように弾んだ心をお持ちでいらっしゃることがよくわかる一節があります。
引用p59
面接試験を終えて帰ってきた内藤千秋に私は聞いた。
「ねえねえ、宇宙飛行士の面接試験ってどんなこと聞くんだい」
「いやあ、楽しい面接よ。あなたは宇宙飛行ってどんなものだと思いますかって聞かれたりするの」
「 それで 君は何て答えたんだい」
「 うん、愉快なビックリハウスに入れられて、さらに外から ガタガタ ゆすられる感じで、わあ、楽しいっ!て感じですって答えたの」
私は、試験官がオレなら、この返答だけで絶対採用するんだけどなあ、と思った。
~ 全ての選抜試験を終え、最終結果の発表を待っていた時の 千秋の会話~
「 一体どういう人が宇宙飛行士に一番ふさわしいか、本当は私にもよくわかんないのよね。でもね、スペースシャトルが打ち上げられるフロリダの抜けるような青い空って、絶対、私に似合うと思うんだ。この点だけは、私は誰にも負けないと思うんだ。私ならフロリダの抜けるような青い空の下を、笑いながら発射台に向かって歩いて見せる」
向井さんが、一番大事なことは「理屈じゃないんだ、マインドなんだ」ということを教えてくれているシーンだと思います。
私は以前お客様から「この着物は、私にはとても勿体なすぎます」と言われた事があります。その着物をお客様はとてもお似合いで、大変気に入っておられましたが、「自分には勿体ない」「自信がない」という不安を越えることは出来ませんでした。
私はどんなに高額なお着物を着る時も「私には似合う」と思って着ています。
💕 向井千秋さんも「フロリダの 青空のもと発射台に向かうのが私には似合う」と思ったからこそ夢が実現したのだし、この「私には似合う」という感覚はすごく大事なのではないかと思っています。
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自分がいつも幸せなのも、自分がいつも不幸なのも「それが私に似合う」と感じているからなのだとすれば、「私には何が似合うのか」という気持ちは現実にかなりの影響を与えると思うのです。
私はこれからも「素敵な着物が似合う自分」というマインドを、存分に楽しんでいこうと思っています。![照れ](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char3/007.png)
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