江戸小紋が発展した契機は江戸時代の参勤交代です。各藩の武士たちが 江戸に集まる際に自分たちの「定め柄」である柄を裃に施しました。


似ているようで違う鮫小紋と青海波。↓

格の高い江戸小紋三役。

まずは着物の白生地の上に型紙を置き防染糊をします。

江戸小紋の型紙です。(三重県の伊勢型紙です)

糊置き体験中(モデルは私ではありません)

(中條先生の実演)

防染糊を敷き詰め型紙をはがすと、型紙の彫られていたところが黒く残ります。(この上から染料をのせ 洗い流すと白く残る部分となります)


その上に 染めたい色の色糊を引き、地色染めをします。

色塗りで地色を染めた後に水(井戸水)で洗い流すと江戸小紋の完成です。( 大量に水を使用するので水道代がかかるため、組み上げるだけで無料の井戸水を使用しています)

ヘラ

工房の様子

ちりめん生地には浜ちりめん(ひとこし)と 丹後ちりめん(みこし)があり、丹後ちりめんの方が糸に「より」があるため「しぼ」(糸の凹凸)が高いので、江戸小紋には主に浜ちりめんを使います。( 浜ちりめんの方が生地がツルツルしていて染めやすい)


ちなみに、ここ数日私が着ているのは江戸小紋の訪問着です。
保科信先生の作品です。


こちら↓は大松染め工場の更紗の着物です。(更紗は 多色使いのために24枚の型紙を使用しています)

先生の工房に体験に行った時にはこちらの江戸更紗を着用いたしました。

江戸小紋の染めの名古屋帯。

江戸小紋着尺。

最近は 一般的な江戸小紋はあまり売れ筋ではなく(鮫や縞柄など)、 生地に地紋のある江戸小紋など今風の 江戸小紋のほうが売れ筋だそうです。

江戸小紋は三重県の伊勢型紙を使い、東京(江戸)で染めをするお着物です。お江戸の心粋が感じられる染めの世界でした。