最近の着姿です。こうやって日々の私の着姿を見て頂き、どなたかの 心なごむ瞬間になれば、それだけでも私が呉服屋に勤めている意義は十分にあるのではないかと、働く支えになります。
「手染め屋吉兵衛」さんの「志毛(しけ)引き染め」の小紋です。

帯は 鳥獣戯画になります。帯留はカメオです。
参照 「志毛引き染め」とは刷毛を使って 染色する技法です。
緑茶染め( 宇治抹茶が染料) の小堀和装の袋帯。
紹巴(しょうは)萬葉の袋帯です。百人一首が織り込まれています。
織の細かい技法が素晴らしいです。
~ 一色一生 志村ふくみより~p100
その国の風土、文化が永い歳月かけて磨き上げてきた文様こそ、その民族に最もふさわしいものである。王朝文化の築き上げた有職文(ゆうそくもん)、襲色目の美しさは、 日本の国土、四季の移り変わりこまやかな京都にこそ花開くものである。
西陣はまさしくその花の一つである。
普段私は紬を着ることが多いので、普段あまり出番のない 少しフォーマル寄りな帯も、ここぞとばかりに合わせてみました。
私は着物に触れていると感じるのですが、"着物や帯"も人に着て貰えるときに とても喜んでいるのを感じます。あまり出番がなく、タンスにひっそりと"待機"する期間を経て、久しぶりに着てもらえた瞬間、どんな着物も精一杯に 背伸びをして、"最高に素敵な自分" を喜んでいるなあということです。
「長年お待ちしていましたよ。さあ、私を着て下さい。私は素敵なんです。 一生懸命にあなたを輝かせて見せましょう。
」
久しぶりの着用は、その着物にとっても一世一代の喜びの時期であり、"ママ振り袖"や"ママの七五三"のお着物たちも、誇らしげに" 自分の出番"を喜んでいるのです。
「着物には心が宿っている」と感じる瞬間です。









