私が日々愛聴するテレフォン人生相談で、大変考えさせられる動画がありました。
~ご主人57歳、お母様55歳、お子さんが3人( 長男28歳・次男24歳・長女20歳) おられる、長男の奨学金にまつわるご相談です~
相談者(長男の母親)「2週間ぐらい前に長男から家を建てる計画の相談の電話がありました。家を建てるつもりで銀行に融資の 依頼をしたものの、高校・大学の7年間分の奨学金返済があるために 融資を受けられなかったというものでした」( お母様は長い間専業主婦だったご様子)
相談者「長男には高校時代、大学時代の奨学金をダブルで抱えてしまい、親としてどう考えているのかと問われました。このままでは融資を受けられないから、せめて高校時代の奨学金の名義を変えてもらえないかと相談を受けたのです。何故息子が急にそんな事を言い出したのかと、計り知れないところもありまして お電話させていただきました」
相談者「もう少し計画性のある子供だと思っていたのに、 息子がこんなにも早く家を建てるということに対して驚きました。息子はお嫁さんに対して背伸びをしているのではないかと。本当は違う気持ちがあったり、もっと我慢しなくていいのに、きっと奥さんに気を使っているんです」
相談者「息子との電話では、私も翌日仕事の中で 精一杯に考えて、"でも高校の3年間があったからこそ今の自分があると考えられないのか"と怒りをぶつけてしまったのです。聞いたら家を建てる頭金もないというのに、これからどうやって生活していくのだと」
相談者「奥さんの実家が近くにあって、今回の融資の件も そんなに奨学金があるんじゃ大変だろうと、相手の親が融資する話まであったそうですが、息子は断ったそうです」
回答者( 幼児教育研究家の大原敬子さん)
大原「こんにちは😊。高校大学と奨学金に支えられて就職をし、結婚をして家を建てようとした時に、その奨学金により家の融資を無残にも絶たれた時の息子さんの心境を、お母様は考えたことはありますか? 息子さんはいい子ですよ。 奨学金の名義だけでも変更してくれという、このささやかな願いをお母様はなぜ受け入れられないのですか?」
相談者「私は息子に聞いたんですね。それは名義変更だけでいいのか、それとも私が代わりにお金を払うことになるのかと。そうしたら息子は言葉を濁して、どうしてそこまで聞くん?と言われました」
大原「高校の奨学金はおいくらなんですか?」
相談者「月々18000円の3年分です」
回答者「私が他人の経済的なことに口を挟むのはいけないかもしれませんが、私なら 梅干しひとつになってもこのお金を私が出します。なぜならば、この子が大学まで行ってくれたエネルギーを燃え尽きさせたくないんです」
相談者「実は息子は大学の4年生で体調を悪くして、卒論が書けずに単位不足で退学となったのです。大学の4年間で600万円かかったうちの半分は奨学金、半分は私が働いて出したのです。その頃夫はギャンブルで多額の借金を作りまして、その返済も含めて私は必死に生きてきたんです。息子はその時にお母さん、もう大学はいいからと言われたんです。私は留年してでも大学を卒業してほしいと諭しましたが、息子は退学してしまったのです」
大原「ご主人の借金の返済は終わったのですか?」
相談者「自己破産という形になり、今も友人などに借金を返済している最中です」
大原「私ならこの息子さんを離しません。どんなことがあっても親子の縁は切りたくないです。まず、ご主人様・奥様・下のお子様達はお元気でおられますか?」
相談者「はい」
大原「今日1日食べて行くことはできますか?」
相談者「はい」
大原「息子さんは 大学を退学した後もずっと頑張ってこられて、今ご結婚なさっているんですよね。この息子さんとの関係を下のお子さん達が見ているんじゃないですか。子供を好きだと思ったら、その望みが叶えられないと思っていても、命のある限り手助けしたいなと思うんですね。そう思えば、15000円は永遠に続くわけではないですよね。それを私の生きがいとして、私ならします。親が子供にできることは、子供の心を否定することよりも、寄り添ってあげる愛も必要なんじゃないかなと思うんです。この息子さんのお話のきっかけが、新たな自分の人生を作ると思って、是非ともして差し上げて欲しいというのが、私の心からの願いです」
回答者 加藤諦三( 社会学者・早稲田大学名誉教授)
加藤「人間関係って、結局は自分の心の中の反映なんですよ。自分の心の中に葛藤があると、人間関係は仮面になります。夫婦関係も親子関係も。あなたの心の核には、どうも葛藤があって、それをあなたは意識していないからなぜか不安で、その不安に対する防衛がいろんな形で出てきているんですよね。でもこの失敗があったからこそ、これからはいい夫婦関係が作れると思って頑張ってください」
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「 子供が奨学金を借りた後に、その返済を親がするのか子供がするのか問題」
確かに、あるあるですね。借りたのは学生本人であるから、借りた本人が返済していくのは当たり前であるという前提がありますが、巷では意見が割れるようです。


東京都における男性の初婚の平均年齢は32歳であり、第一子 出産時の平均年齢は35歳です。第2子出産時の平均年齢を38歳とするのであれば、第2子が大学を卒業する22歳の頃には60歳でしょうか。
しかし子供たちが大学に行く頃に、ご主人が55歳で役職定年となるケースが多々あります。 従業員数が500名以上の企業の約30%ほどに、役職定年が導入されているそうです。部長職では約41%、課長職では約50%の企業が役職定年を 55歳としています。 役職定年後のお給料は、役職定年前と比べ50から75%ほどになるそうです。
(参照)
役職前の半分となったお給料で、子供二人を大学に行かせるとなると、「子供を奨学金なしで大学に行かせる」ためには、子供が小さい頃からコツコツと教育資金を貯めていく計画性が問われます。アメブロの教育資金マネージャンルの方々は、本当にコツコツと計画的に お金を貯めていて、読むたびに頭が下がります。
「 子どもの大学費用を親が出すのか、子供が出すのか問題」。様々なご家庭の事情により、見解も様々かと思います。親が60歳にも近くなれば、両親の介護問題なども出てきたりして、さらにお金がかかるかもしれません。 夫の役職定年や親の介護費用、子供の大学費用まで重なるとなると、大学生の半分が奨学金を受給している現実もやむを得なしと言えましょうか。
それでもやっぱり私なら、もし子供が奨学金を借りたとしても、大原先生の言うとおり「たとえ梅干しをかじってでも」 子供に負担をかけまいと、"私と夫で懸命に働いて"返済するだろうなあと思います。(個人の主観です)