精神科医である岡田尊司氏による、カサンドラ症候群のお話です。(ご主人の共感性のなさに傷を負う女性たち)

でも、この一冊を読んで、「カサンドラ症候群」はどんな夫婦にも起こりうる、一般的な症状じゃないかなあと思いました。

 

 

P99引用

回避型が、情緒的な反応が乏しく、自分もそれを期待しないのとは反対に、それを過剰に必要とするのが、不安型である。それゆえ、不安型の人にカサンドラ症候群が多いのは、必然的な結果だと言えるだろう。


言い換え↓

「心の通い合う会話」を、自分にも相手にも必要としない夫に対して、「共感」を人一倍に必要とする奥様との組合せが、悲劇を生むそうです。


女性は「自分に共感してくれる存在」が必要なのに、 夫は「意思の疎通」すら不可能で、一切会話が成り立たない。(自分の話を聞いてくれない)



夫に過剰な期待をする妻は、その期待を裏切られた時に、否定的・攻撃的な反応ばかりしてしまい、理想的だったはずの夫が自分の思うようにいかないと、0-100思考でジャッジをし、 全てを嫌いになってしまうそうです。


P124抜粋

カサンドラ症候群は、愛着の機能不全の問題である。愛着の課題は、大部分のケースで、親との不安定な関係や支配に起因している。中略


不安型の特徴は、常に悪者を必要とするということだ。



確かに#カサンドラな方々のブログなどを読んでいると、常に夫への不平不満を綴っています。第三者から見ると「なんでそんな細かいことにまで怒るんだろう?」 とびっくりするほどです。



P134引用
ある意味、結婚によって、そうした親の支配を脱することができたのだが、親との関係で身につけてしまった不安型の愛着スタイルが、夫との間で、依存と攻撃という悪いパターンを生じさせてしまったのだ。

不安型タイプの女性には真面目な方が多く、「~すべき」という思考が強いために、常に「不満と攻撃」がセットされているそうです。しかし、カサンドラ妻が夫への細かい不満を常に責め続けたところで、何の解決にもならないのだそうです。


私「女性はストレスを抱えると、それをおしゃべりとして吐き出すけれど、男性はストレスが溜まった時に、一人の時間を持つことで ストレスを解消しているんだって。だからパパも、そういう時に話しかけられと、すごくストレスになってしまうんでしょう?」


主人「そうだよいつも言ってるだろう。お前はうるさいんじゃ。俺に話しかけるな」(毒舌ですが、パパに悪気はありません。通常運転です)


主人が職場でストレスが溜まり、イライラしている時に話しかければ、「お前の話は下世話でつまらん。俺には一切話しかけるな」と鬼の形相で睨まれます。きっと私が不安型の女性であれば、立派なカサンドラ妻となっていたことでしょう。(「私の話はつまらない」が夫の口癖)



主人が夕飯を食べたあとに猫とテレビをみたり、爆睡したり、スマホに夢中になっている姿には(夫が平日の家事を一切せずとも)「幸せそうだなあ」と感じています。夫をできるだけそっとして、 一人の時間を満喫できるように、私からは喋りかけないようにしています。



P183引用
カサンドラに陥っている時、妻は夫の全てが受け入れられないものに感じられ、粗探しをしてしまう状態に陥っている。障害や困難を抱えている人と良い関係を築いているカップルでは、全く逆に良いところ探し上手である。良いところを見つけて、それに感謝しているということが多い。 良いところに目を注ぐことは、二人の関係の改善だけでなく、幸福にも寄与するのである。

横浜の中華街で占い師さんに四柱推命を占ってもらった時、夫は毒舌の星(傷官)が三つもあると注意されていました。(主人の毎日の会話の半分位は口が悪いです)

( 主人の四柱推命は細かいことにまでイライラと攻撃をし、人の気持ちを分かろうとしない性格と出ていますが、私が相当おおらかなので、ダメージを受けません)

主人には確かに「共感性のなさや毒舌」がありますが、 それ以外のいいところが沢山ありますから、私にとっては愛すべきキャラクターとなっています。私自身も夫以外の男性なら、悲鳴をあげて逃げ出すような悪妻ですので、 こんな悪妻を拾ってくれた夫にはとても感謝しています。(* ̄∇ ̄*)(お互い様同士)


夏目漱石も言っています。

「吾輩は猫である」と。

夏目漱石という夫は大変なアスペルガー気質であり、気難しい性格でありましたが、漱石の妻はその全てを受け入れ、最高の理解者として夫を支え続け、彼の作家としての才能を開花させました。まさに「男性の運気をあげる女性」でありました。




P227引用
カサンドラ症候群は、確かにパートナーの特性や障害によって生じる問題ではあるが、それが耐え難い苦痛となってしまうのには、その人本人の特性も関わっている。不安型愛着やそれに伴う二分法的認知(白黒思考)があると、自分が依存している相手に過剰な期待をし、それが満たされないと、全て否定して攻撃するというパターンに陥りやすい。この悪循環を脱するためには、自分の視点を離れて、 物事を大きな視点で見られるようになる必要がある。


「吾輩は猫である」
「 吾輩は漱石の妻である」

肝に銘じたいと思います。