この本はルポライターである中村敦彦氏が 2008年から2014年までの間運営をした、高齢者デイサービスセンターでの出来事を元に書かれています。6年間の介護施設経営を通して 筆者が出会わざるを得なかった従業員男性達の姿をヒントに書かれています。
以下の引用は 中村淳彦氏の発言であり、決して私の意見ではありませんが、6年間介護施設を経営した上での彼なりの見解であり、実際の現場を経験したうえでの発言であることは 間違いありません。
引用 いろいろなところで何度も同じことを言っているが、介護業界での経験は本当に地獄だった。なにからなにまで酷く、救いようがない。介護施設は家族に捨てられた老人と、社会に排除された失業者が 介護という産業に集められた場所だ。中年童貞率が高く、さらに多くの施設が労働法を無視してブラック化しているので、介護職になったら坂口に囲まれて日常を送ると考えていい。本当に気が変になる。
相模原の障害者施設で大量殺人事件が起こったばかりで洒落にならないが、政府は中年童貞を次々と介護職に誘導して、日本の平均寿命を低下させて波状が時間の問題である社会保障費の圧縮を企んでいるのでは? と本気で思ったほどだ。厚生労働省は2009年から中年童貞を介護に送り込み続け、法務省は2016年から女子刑務所を出所者を介護職に送り込むことを決定させた。これからの介護現場は中年童貞と元受刑者、それと外国人で運営することになり、地獄のその次の段階で何が起こるのかもはや想像ができない。
「 その考えは差別的であり偏見に満ちている!」という クレームも爆発しそうな中村氏の大胆な発言ではありますが、介護施設経営者だった彼曰くもちろん優秀なスタッフや 志の高いスタッフも多くいる中で、低賃金である介護現場には他に行き場所のない人材が流動し、介護施設運営への多大なる損害を作っているという一面を指摘しています。
「坂口」なる人物は誰やねん? という疑問は 本書を読んでみていただきたいのですが、低賃金・人手不足が介護士の質の低下を招き、職場の人間関係を悪化させ、 離職率の高さを招いているということ。
いやいや中村さん、それはちょっと言い過ぎだよ(失笑)と思っていましたが、こちらの記事↓のみんなのコメントを読んで 背筋が寒くなりました。よかったらコメントを読んでみてください。皆さんもきっと顔色が変わると思います。💦
https://job.minnanokaigo.com/news/kaigogaku/no759
(上記記事より引用)
介護施設において3年以上の連続勤務があるメンバーは35%のみと言うこと。残りの65%は3年以内に全員離職すると言う事実。
( 本書より引用)
引用p239 上田健太郎は童顔の認知症のおばあちゃんにやたら優しくなり、みんながやりたがらない入浴介助を積極的にやりたがった。漫画にある通り、入浴介助の現場はよだれを垂らして興奮する上田健太郎がノリノリで仕事をする地獄絵図となった。もう施設を潰した後だから言えるが、前向きに働いているし、もういいかってことで 異常興奮の上田健太郎は放置した。中年童貞だらけの介護の現実だ。親が上田健太郎みたいなやつのターゲットにされたくないなら、自分で介護するしかない。それが現実なのだ。
もちろん介護職員には素晴らしい方々が沢山いらっしゃいます。私のお得意様にも介護職員の女性が沢山おられ、皆さん明るく優しく素晴らしい人柄です。
しかし上記記事のような男性職員も実際にいて、それが介護士の離職率の高さに拍車をかけているということも、また 事実なのだということを 中村氏は指摘しています。
介護施設の入居費用と介護のレベルは比例するのかしら?
つづく