「83歳のおばあちゃんが 一生懸命絞ってくれているんだよ」と言っていた帯です。その翠山工房は数年前に 工房を閉じてしまいましたが、また少しずつ復活してきているようで嬉しいです。

朝の通勤途中で、"まさとFP"という ファイナンシャルプランナーがやっている YouTube を聞いてきたのですが、 その方がこんな事を言っていました。
「歳をとったあとも 働き続けるにあたって、生きがいや楽しみのために働くのと 生きるために働くのでは 生活のクオリティが全く変わってきます。生きがいや楽しみのために働くためには、前提として経済的な基盤が既にあるということ。その上での 生活向上のために 働きたいじゃないですか。」
65歳を過ぎて定年後も働き続けて毎月10万円を収入とした際に、その10万円が自分の趣味のために使えるのか、年金がなくて生活のために働くのかでは随分と違いがありますよね。
・・・でも色々調べると、13万円なんだなあって。
みんな最後は13万円。国の定める健康で文化的な最低限度の生活。
13万円って東京都の生活保護の1人当たりの支給額なんですが、生活保護は医療費や介護費・介護タクシー代・税金も無料です。
生活保護は手取り13万円。
でも今や 若者も高齢者も 非正規雇用が増えているじゃないですか。 全国の最低賃金である時給930円で、 1日8時間週5日働いて 月収は 148800円。 月収15万円の税金が引かれた後の手取りは12万円。もちろん医療費は自腹です。
非正規社員の手取り額 13万円。
ちなみに65歳以上の年金は、 正社員女性の平均年収を350万円とした時には 毎月受け取れる年金額は134000円。 もちろんこの中から税金と医療費・介護費は自腹で払っていきます。
正社員女性の平均年金額も13万円。
自営業夫婦2人分の年金額も13万円。
みんな最後は13万円。健康で文化的な最低限度の生活。
年収500万円でも年金額は15万円。
医療費や介護費を引いたら 健康で最低限度の生活レベルとほとんど大差はありません。
みんな最後は13万円。
みんなすっごい頑張って働いてるのにさ、どんなに頑張っても 健康で文化的な最低限度の生活にしかならないと言う矛盾。
私はとりあえず75歳まで働きたい。そんでもって年金を75歳スタートの1.8倍にしてなんとか生き残りたい。必死です。
だから老後の仕事を生きがいや 楽しみのために出来る生活って、かなり恵まれた環境ですよね。
ちなみにそんな生活保護ですが、生活保護を受給するに値する人達のなかで、実際に生活保護を受給して 暮らしている方々は全体の2割だけだそうです。
残りの8割の人たちはみんな、「生活保護には頼るまい」と必死に耐えている生活。そんな「恥の文化」に支えられて なんとか成り立っている 日本の生活保護制度。いずれは崩壊してしまうかも。
そして日本の若者の非正規雇用は、そのまま彼らの老後にも直結していきます。彼らの13万円の手取りは生活費に消え、将来は6.5万円の国民年金だけで どうやって暮らしていけばいいのか。その若者たちの老後を少子化の日本が支えきることができるのかしら。
こんなに頑張っている人たちを、全て「貧困は自己責任」として切り捨てる事は出来ないし。 昔は「子供夫婦と同居して老後は嫁に面倒を見てもらう」が前提だった年金制度だけれど、今やそんな人は一部の本当に恵まれた人たちなのだから。
色んな YouTube を見たり本を読んだりすればする程、 日本の将来や 自分の老後をいかに生きるべきかをぐるぐると 考えてしまうのです。
「働けど働けど、楽にならざりしわが暮らし じっと手を見る」
いやはや、凄い問題だと思います。