(息子が小学4年生の時のお話です。照れ



息子が小学校4年生の春に、我が家は単身赴任となりました。 大好きなパパがいなくなった事で息子の気持ちはガタガタに落ちこみ、突然の不登校となってしまいました。その時の私は あまりに突然のことでどうしていいのかも分からずにいました。

不登校の児童が集まって過ごす適応教室というものが 私の市にもあるということで、 すがるような気持ちで息子を連れて行きました。 その教室には小学生から高校生までが在籍していました。 先生方は定年で引退された元校長先生やベテランの先生ばかりでした。基本的には自習スタイルで、問題を解き終わったら先生の所に行って指導を請うという形でした。

そこに集う子供達は みんな明るく元気に挨拶をしてくれて、私には「 どうして学校に行けないのか分からない」ように見える子供たちばかりでした。 みんなでのサッカーの時間がありましたが、 ある高校生男子は必要以上にルールに拘る男の子でした。あれだけの拘りがあると、高校では浮いてしまうかもしれないなあと思いました。 

息子は こちらの適応教室に 通うことを嫌がったので 通うことは諦めたのですが、 市の教育委員会が運営する 適応教室であり、参加すると学校への出席と認められるそうです。 😊
 



息子を児童精神科のある病院にも連れて行きました。 そこにも毎週水曜日に不登校の子供達が集う場所がありました。 その部屋には専門のカウンセラーの先生がいて集まる子どもたちと話をしていました。 そこは勉強をするわけではなく 自由に集うスタイルでした。 小学生も高校生も沢山居ました。

ものすごい勢いでルービックキューブを完成させていく高校生の男の子。 カウンセラーに悩みを聞いてもらう女子高生。 一人漫画を読む子。 高校生同士で語らう子。 小学生もたくさんいました。 賢そうな小学生もいました。

ある一人の男子高生は 子供と遊ぶのが大好きな男の子でした。 息子も一緒に遊んでもらいました。 小学生達と全力で真剣に鬼ごっこができる男子校生。 子供達の人気者で、将来の夢は学童保育の先生だそうです。 その子のお母様も とても明るい太陽のような方でした。 なんて笑顔の素敵なお母様なんだろうと感動しました。


「 楽しそうでしょ。 でも彼は同級生とは遊べないんだよね。」と先生は おっしゃっていました。
その高校生がドアを開けようとした瞬間に 小学生の男の子の足をドアに挟んでしまいました。 みんなで鬼ごっこをしている最中の出来事でした。 その後私が息子を連れて帰ろうとしていると、その 男子校生が 一人しょんぼりと駐車場に佇んでいるのが見えました。

「大丈夫?」私は声をかけました。
「 僕の責任です。」 彼はうなだれていました。この事件を機に、この子はこの場所に来れなくなってしまうかもしれない。 せっかく彼が輝ける場所なのに。 私は必死に彼に語りかけました。

「 学童保育の先生になるんでしょう? これから先職場では色んな事が起こるよ。 怪我も事故も十分に起こる可能性があるよ。 でもそれを乗り越えて 頑張っていかなければならないよ。 夢は諦めちゃいけないよ。」

彼は目に涙をいっぱい溜めながらも、しっかりと頷いてくれました。 誰にでもその場所その場所で輝ける場所があるのだと思います。 もしも彼が大好きな子供に携われる学童保育の先生になれたならば、本当に幸せだなと思いました。

そこに集う全ての子供達に 幸あれと祈りながら、私は帰路に着いたのでした。