JR北海道は26日、来年4月に予定する運賃値上げを巡り、初乗り(3キロ以内)を現在より10円高い210円とする方針を固めた。特急列車に乗る際に上乗せする特急料金は現状のまま据え置く。28日に国土交通省に全体で平均約8%の値上げを申請する見通し。

 JRの運賃値上げは国交省の認可が必要。今回は資材高など物価上昇への対応や、人材確保に向けた従業員の待遇改善を理由とし、年間約37億円の増収を見込む。値上げは平均11.1%引き上げた2019年10月以来。その際は、初乗りを30円高い200円とした。

 今回は札幌市営地下鉄と同じ210円とし、利用客のつなぎ留めを図る狙いもある。乗車距離によって値上げ率を変える方針で、3割超の値上げとなる区間もあるとみられる。定期券も値上げになる可能性が高い。

 特急料金については、都市間バスとの競争がある上、新型コロナウイルス禍後に利用が低迷していることもあって現行水準を維持する。

 JRは中期経営計画で、26年度の鉄道運輸収入をコロナ禍前の18年度比5%増の751億円にする目標を掲げている。