札幌と東室蘭・室蘭間を結ぶ特急すずらんの利用が低迷している。JR北海道によると、5月のすずらんの利用者は前年同月比2割減となり、堅調な他の特急と対照的だ。3月のダイヤ改正による指定席化で割安感が薄れ、普通列車やバスに客が流れたのが一因とみられる。綿貫泰之社長は11日の記者会見で、すずらんの利便性向上を検討する考えを示した。

 JRはダイヤ改正で、北斗(札幌―函館)やすずらんなど4特急の自由席を廃止し全席指定席にした。すずらんは当日購入可能だった割安な自由席の往復切符(5230円)が廃止になったため、当日に往復で指定席を正規料金(1万440円)で買った場合は改正前の2倍に。インターネット予約サイト「えきねっと」で購入すれば最安片道2860円まで下がるが、14日前までの予約が必要など使い勝手は劣る。

 すずらんは札幌―東室蘭間を約1時間半で結ぶものの、所要時間が長い普通・快速列車(片道2860円)や都市間バス(同2500円)と競合。帯広・釧路方面や旭川方面の特急が前年同月を上回ったのに対し、5月のすずらん利用者は前年同月の8割程度にとどまった。

 JRが11日発表した5月の特急列車利用状況によると、北斗やすずらんが走る東室蘭―苫小牧間は前年同月比3.9%減と3カ月連続で前年同月を下回った。

 綿貫氏は「すずらんに乗ってもらうための対策はこれから検討していく」と説明。見直し時期などには言及しなかったが「安くご利用というニーズが強いのであれば、特急でなくてもいいと思う」とも述べ、運行形態の変更に含みを持たせた。

 4、5月のJR全体の鉄道運輸収入は前年同期比2.5%増の117億1100万円。綿貫氏は変動価格制導入などダイヤ改正全般に関して「効果はそれなりにあったと評価している」と述べた。【道新】

 

社長会見

 Q 対策として、インターネット予約システム「えきねっと」のPRなどをしていると思いますが、今後対策としてどんなことに取り組んでいくのでしょうか。利用者からはすずらんの自由席復活を望む声もあると思うのですが、どういったてこ入れに取り組んでいくのでしょうか。

 A すずらんに関しては、年間列車1本当たりコロナ前にしても60人ぐらいの乗車でございます。2割減少で50人という列車でありますので、今後すずらんをどうしていくかっていうところについては、別の観点からもいろんな検討はしていかなければならないというふうに思っております。今のすずらんにしっかり乗ってもらうためのいろんなPRを含めて対策はこれから検討してまいります。全体的には北斗も含めてそれなりの数字は確保できているというように考えております。

 Q 別な観点という発言もありましたけれども、例えば特急から快速化するとか、そういったことを想定されているのでしょうか。

 A あらゆる選択肢は持っておかなきゃならないと思います。安くご利用というところのニーズが強いのでしたら特急でなくてもいいと思いますし、すでにすずらんについても今まで40%以上割り引いた列車でありますので、そこがどういうニーズなのかなっていうのは、もう少し深く検証していく必要はあるかと思います。

 

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