JR北海道は来年3月のダイヤ改正で「北斗」や「おおぞら」など四つの主要特急列車について、自由席をなくし、全席指定席化する方針を固めた。走行距離が長い特急で、確実な着席を求める乗客の要望に応えるのが狙い。自由席を利用していた人にとっては負担増になる一方、JRは閑散期にインターネット予約で料金を割り引くシステムも今後導入する方向で検討している。年間を通じて空席を減らし、厳しい財務事情の改善につなげる。

 全席を指定席とする特急は、札幌―函館を結ぶ「北斗」、同―室蘭「すずらん」、同―釧路「おおぞら」、同―帯広「とかち」。現在の基本編成での自由席の車両数は、北斗が5両中2両、すずらんが5両中3両。おおぞらととかちは4両中1両となっている。

 また、札幌―旭川間を走る「ライラック」と「カムイ」は、自由席車両を現在の4両から2両に減らす。特急は長時間の乗車となる場合が多い。JRは、満席で乗客が座れないケースを極力減らしたい考えだ。

 ただ、手軽さもあって自由席を選んできた乗客にとっては、自由席と指定席の料金差額の約500円分が、新たな負担となる見通し。このため、JRは今後、空席が多い便の料金を安くして乗客を増やし、収益を最大化する「イールドマネジメント」の考え方に基づく指定席予約の仕組みを導入する。現在も利用拡大を図っているインターネット予約サービス「えきねっと」の活用が念頭にある。

 航空券やホテルの予約では、需給に応じて料金を細かく変動させる手法は広く採用されている。安売りをしすぎると減収につながりかねない。JRは制度設計を急ぎ、来春以降に本格導入する構えだ。

 

 

 来年3月のダイヤ改正を機に、JR北海道は札幌圏と新千歳空港にアクセスする快速列車「エアポート」について、日中の時間帯の運行数を1時間当たり5本から6本に増便する方針だ。混雑緩和に加え、今後の訪日客など旅行者の増加に対応するのが狙い。沿線住民にも配慮し、北広島―新千歳空港間の各駅に止まる「区間快速」も新設する。

 現在、エアポートは原則として1時間当たり5本運行している。ダイヤ改正後は、午前9時~午後4時は毎時6本とし、新千歳空港発を約10分間隔で出発する。エアポートの増便は、2020年3月以来。エアポートの本数は現在の1日約150本から1割程度増える見通しだ。

 狙いは輸送力の増強だ。新千歳空港の利用客は、新型コロナウイルス禍の落ち込みから持ち直し、増加傾向にある。さらに沿線の北広島市では、今年3月にプロ野球北海道日本ハムの「北海道ボールパークFビレッジ」が開業。3月からのエアポート利用客数は、コロナ禍前の19年に比べて約1割増で推移しており、輸送力確保が課題だった。

 エアポート関連では、停車駅の多い「区間快速」を新設すると同時に、札幌―新千歳空港間で途中駅では新札幌と南千歳にしか停車しない「特別快速」も増便する。空港アクセスと沿線利用のすみ分けを図る。

 このほか、桑園駅については、周辺でマンション建設が進み、乗降客数が増えていることを受け、エアポートやニセコライナーなど全ての快速列車を停車させる。