昨日(7月14日)、アメリカ東部ペンシルベニア州で、演説中のトランプ元大統領が銃撃され、(少なくても)観衆1名に弾丸が命中し命を落とすという悲しい事件が起きました。
(他に、2名重体との報道もあります。)
トランプ元大統領は、(幸いなことに)右耳に弾丸が貫通しただけ?で、命に別状なかったことが何より幸いであったと考えます。

この事件のあらましは、全国的にマスコミ媒体により報道されているので、そちらを見て頂ければよく理解出来ると思います。
今回記事にしたのは、実際にライフル射撃の競技者として長年勤しんで来た私が、自分なりに「事件の真相に迫る」という意味合いで書こうと考えたからです。

犯人とされる、20歳の青年は近傍の建物(120~130mの距離あり)屋上から、AR―15と言う半自動小銃で銃を乱射したと言われています。
射撃の専門家である私が重視するのは、①使用したライフル銃は、どの様なものか。②射撃位置から目標までの距離。③射手の射撃技術の程度。④発射された弾丸について。・・・以上、4項目について(考えを)書いてみます。

まず、今回の事件は組織的・計画的な事件ではなく、あくまで犯人の突発的な(単なる)銃撃事件であるという結論を持っています。要は、奥は深くないという見解です。
①使用したライフル銃・・・報道によると、犯人の使用したライフル銃はAR―15だと言われています。この銃は、アメリカ軍の正式小銃M―16と基本データはほぼ同じです。
口径は、22(5.56㎜のセンターファイア―)で半自動の軍用銃であり、改造すれば全自動にも出来ます。元々軍用タイプのライフル銃ですから(当然)命中精度は劣ります。

②射撃位置から目標までの距離・・・射距離は、120~130mと言われ(それなりの)射撃技術があれば、目標に命中させることは(そう)難しくはありません。
③射手の射撃技術の程度。・・・銃乱射犯人の射撃技術は劣っており、初心者と言ってよいレベルだと言えます。

④発射された弾丸について。・・・今回使用された弾丸は、軍用銃の5.56㎜のセンターファイア―であり、自分が「その銃を持っているから使った」程度のものです。
要するに、「元大統領を暗殺するんだ」という絶対的に強い意思を持っていた訳ではないということで、もし彼が本物のスナイパーなら、使用する弾丸は(少なくても)30口径(7.62㎜)を使用した筈です。

結論として言えること。
銃撃犯は、組織的・計画的な(超一流の)スナイパーによるものではなく、単なる銃撃犯による銃乱射事件であるという見解です。(・・・だから、余計な弾を沢山発射しています。)
射撃位置として選定した場所は適切でしたが、その後の行動は素人そのものでお粗末です。・・・もし、本物のスナイパーならトランプ氏の頭部に(確実に)1発ヒットさせていた筈です。

トランプ氏の右耳にヒットしたのは、ほとんど偶然であり(逆に)頭部にヒットしなかったのは不幸中の幸いと言える出来事でした。(今回の狙撃は、射手とトランプ氏の位置関係から、弾丸をトランプ氏の頭部前面(額)にヒットさせることは無理であると判断します。)
ただ、発射の1発目位に放たれた銃弾が近傍にいた観衆に命中し、命を落とされた消防士の方には深くお悔やみを申しあげたいと思います。(他に、2名の方が重体との報道もあります。)


今回の事件で、トランプ氏の警護はより一層堅固になり、再び同じような事件は起きないと思いますし、再び起こしてはいけない事件だと願っております。

※一言、トランプ氏の右耳の銃創についてですが、発射された弾丸は口径が小さく弾速が速いですから、それなりの傷を負わせましたが、(もし)30口径弾薬を使用していた場合を考えると、より大きなダメージをトランプ氏は受けた可能性があります。)