加害者側と調停官らの面談が終わり、私ども(被害者の両親)が、調停室に案内されました。

(調停ですので、勿論、加害者側弁護士らは既に退席し別室で控えています。)


 


 

「いや~、我々も驚きました!」 開口一番、調停官が感想を漏らしました。


 

「”裁判”並の賠償額を提示してきました。 これ以上の数字はありません。」


 

言いながら調停官は、私にA4 サイズの紙片2枚を差し出しました。


 

相手方の弁護士事務所が、この日の調停に提出した書面です。


 

1枚は 損害賠償額計算書(物的損害)、もう1枚は 損害賠償額計算書(人的損害)です。


 

所謂、計算書と云うか「リスト」です。


 

詳細をここで公開してしまいますと法に触れますので、差し障りのない範囲で、内容を説明させていただきます。


 

まず、損害賠償額計算書(物的損害)です。


 

上のヘッドラインの下に、被害者である息子の名前、事故の日付があります。


 

その下に、被害物ごとの補償額が計算され、合計額が出ています。


 

例えば通学自転車の場合。    


 

被害物:自転車、区分:自転車、修理費用:空欄、購入金額:2✕,✕00円、

購入年月日:H29.2.✕✕、経過日数:2✕✕、(法定)耐用年数:2年、

最終残価率:10%、残価率:68%、損害額:¥17,✕✕0


 

となっています。


 

他に制服ズボンと通学バッグについて、自転車同様に損害補償額が書いてあります。


 

そして末尾には・・・・


 

*本件示談提示は、円満解決を企図してのものであり、本提示に基づく調停が成立しない場合には、自動的に撤回されるものであることを申し添えます。


 

とあります。


 

他にも、通学用ヘルメットや、制服ブレザーなど物的損害はいくつかありますが、それらの損傷が、事故によって起きた事を証明するのも面倒だし、請求リストには加えませんでした。


 

何故なら、前にブログに書いたように、私の目的は、(少なくとも事故から1年が経過するまでは)加害者と保険会社を警察に訴える事、つまり民事でなく刑事で、そして刑事罰を与えさせる事でした。

 

つまり、保険会社の事故後の対応や、事故そのものを自分なりに分析し検証すると、「これは犯罪じゃないか?」という当初の疑念が確信に変わった(独りよがりかも知れませんが)からです。

 

 

ですから、示談にしておカネを貰うことなど、計算も期待もしていませんでした。


 

(次回、調停官が『驚いた!』と言った、損害賠償額計算書(人的損害)について書かせていただきます)


 


 


 


 


 

 

20191月✕日、松も明けぬうちに2度目の調停がありました。


 

■■地裁の控室は、だだっ広く何の飾りもない、如何にもな感じで暖房が弱く、私は寒くて震え気味でした。


 

これから始まる調停に緊張しての、”武者震い”かも知れません。


 

この2度目の調停で『和解』しないと、調停不成立となり裁判になるかも知れないからです。


 

和解とは、相手側の”無条件降伏”です。


 

『損害賠償するから、(簡単に云えば)いくら欲しいか明細を出して』と言ってきた、加害者とその保険会社の弁護士らに対し、私が提出した請求書面に対し、彼らは調停官に(私の請求を)どこまで認めるか返答するのが、この日の調停です。


 

ですから、調停官3人は先に相手と面談するため、私ら被害者両親は引き続き、寒い控室で待ちました。


 


 


 

話が逸れますが、先の参院選前に安倍総理が、ハンセン病元患者家族の訴えを認めて国に賠償を命じた判決を控訴せず賠償に応じました。


 

私が驚いたのは、患者の家族や元家族まで補償範囲をを広げたことです。


 

日本では、犯罪被害者や事故被害者本人への賠償は有っても、その家族までというのは初耳で画期的です。


 

欧米先進国では結構一般的なのですが、それが日本でも認められました。


 

上は『悪い先例になる』と危惧した人も多かったらしく、政府は慌てて『(家族への賠償は)今回のみの特例とする』と追加発表したようです。


 


 


 

しかし、息子の事故の件で身に染みて感じたのですが、被害者本人と家族は個別の人間ではあっても、密接に結びついていて、痛みや苦しみを深く共有してしまうのが通常です。


 

犯罪や事故の被害に遭った際、被害者本人だけでなくその家族にも賠償請求権は認められるべきでしょう。


 

というか、いずれ日本の法曹界も、世界の流れに従う事になるでしょう。


 


 

さて、前回の記事に書いたように、私の慰謝料請求は控えめなものでした。


 

交通事故の慰謝料の算定基準は、様々と云うかランクがあるようです。

 

自賠責基準、任意保険基準、赤本、青本など、それぞれ金額が違ってきます。

 

ネットで調べれば、何百件も解説が出てきます。

 

ただし、これらネットサイトの多くは弁護士(&事務所)の営利目的の情報サイトですから、鵜呑みにしてはいけないし、ウラを取るべきと私は考えます。

 

それから、弁護士に依頼すれば、それ相応の出費を覚悟しなければなりません。

 

少額賠償見込みの案件であれば、弁護士費用に半分以上持っていかれるなんてあるし、それ以前に、弁護士は積極的に受ける事はないでしょう。

 

当たり前ですが、弁護士の多くは簡単で実入りの多い事案を好みますから。

 

そして、どう転んでも損はしないのが、民事の弁護士です。