Yoっち☆楽しくグテを綴る♡ -23ページ目

Yoっち☆楽しくグテを綴る♡

テテとグクの Me Myself写真集にインスピレーションを得て【群青と真紅】をブログ内で執筆中です️


こんにちは☺️

不定期便の記事でございます🖊️

年中無休で私のブログはアメンバー申請をオープンにしております👍

最近、ありがたいことに
少しづつアメンバー申請する方が増えてきておりますので
それに関してインフォメーションさせて頂きたいと思います

詳細は下に貼りました記事に飛んで頂き確認頂ければ幸いです🙏


特に
『あれ❓申請したのに承認されないな🤔』
『何で承認されないんだろう🤔』
と思う方がいらっしゃいましたら
そちらで今一度ご確認頂ければ幸いです

申請されたものは全て確認させて頂いております☺️

何かしら決定打がないと、判断が難しいので承認のポチッはしておりません
ご了承下さいませショボーン


アメンバー申請についての詳細はこちらです⬇️

群青真紅の読者の皆様へニコニコ


いつもご愛読本当に感謝でございます🩷🩷🩷


記事ランキング#恋愛小説
🏆1位🥇頂きましたよ〜飛び出すハート


ありがとうございます
✨🙏✨


最近ことに、バンタンのアミさんやグテペンさん以外の一般の読者様がいらして下さって。。。


嬉しいやら恥ずかしいやら

🪘ドンドンピーヒャラ🥁

状態なんですよ滝汗笑


こんな状態ってことよ💕
え❓グテが素晴らしすぎて、私の言いたいことが伝わらない真顔

おっと、脇道にそれました💦

いきなり本題に入ります😅💦🙏💦


今回の物語

ジョングクをヴァンティエストに変身させて、遂に特殊部隊指揮官として戦争に送り込みました😭😭😭😭


私が戦争に対して思う日頃の憤りを💢

モロに感情移入して入れ込んでます😠


ロ◯アの◯ーチンなんかはホント、侵略者のイメージが似合いすぎる

戦争したきゃ自分が最前線に行ってやれよ😡って思ってしまうのよ


いつも、いつの時代も最前線には若者ばかり


当然、戦地で戦って亡くなってしまうのも若者ばかり


若者に人ゴロシさせないで欲しい❗

若者がなるべきなのは、戦争の駒じゃなくて国を造っていく担い手でしょ❗


戦争が残すものは、、、

勝敗よりもなによりも


疲弊、心の闇、心の傷、身体の傷、怒り、憎しみ、そして後悔なんだよね💀


ニュースで◯◯人が死亡とか、まるで捨て駒のように人の命が扱われてることが違和感でしかない😡数字の上に人生乗っかってんだよ❗❗荒ぶれてスマソ🙏


心優しいジョングクを戦争の渦中に入れたくはなかったのですが、、、

そんな心の持ち主が大切なものを守る為にどんな行動に出るのか

それをどうしても書きたいのです


戦争に対する憤り不安から、善良な人がどう突き動かされていくのか

戦争そのものの罪深さと愚かさを

未熟な私が物語の中で描けるか、、、分かりませんキョロキョロ💦・・・がびっくりマーク

それを読者の皆様にどうにか感じて頂けたら幸いです



現実のテテとグクは絶対戦争に巻き込まれないで欲しい




追記
⑪の物語の中で、出軍の壮行会で
ジョングク率いる第44特殊部隊の為にバグパイプ軍楽団が見送りと、これからの戦闘を鼓舞する演奏を行っていましたが(トーマスの出征の時も)
そのイメージの楽曲を添付します🥁

ジョングク達ヴァンティエストが、どんな雰囲気の中で見送られて行ったのか、少しでもイメージ出来れば幸いです☺️

実際には戦場でもバグパイプが奏でられていたそうですよ
武器を持たない中での演奏がどれだけ勇気がいることか、、、敵軍に対しても恐怖心を煽ることにもなっていたそうです


※ グテの画像お借りしました


テテとグク
あと約2週間で戻って来ますね✨😭✨


本物の二人が戻ってきてくれる事で
この物語のこれからの試練が緩和されることを願って✨✨✨✨✨



前回の物語

物語の続きが始まります✨✨✨



【ヴァンティエスト・ジョングク】


ジョンソン男爵家を訪れたこの日、夕食後テヒョンとジョングクの二人は早々にベッドに入った。
終始寄り添い、代わる代わるお互いの愛しい身体を胸の中に抱いた。
この夜は心の結びつきを感じるだけで、身体の結びと同じように幸福感に包まれた。心の真ん中に染み入る心地よさに、二人は間もなく深い眠りに誘われていった。
いつも以上に穏やかな夜の静寂が、より一層安らぎの中に誘っていく。
お互いの居場所はいつも愛しい人の《隣》で、このように幸せを感じながら寄り添っていられた。しかし、もう暫くはこの安らげる時間は持てなくなる。
お互い口には出さないが、あと何日したらその日が来てしまうのか、、、
頭の奥の方でカウントダウンが始まっていた。今のテヒョンとジョングクにとって、眠りの中だけが唯一不安や緊張感から解放された。


朝から冷たい雨が降る日で、今の季節には珍しく暖炉に火が灯され勢いよく燃えていた。
テヒョンはジョングクの部屋で過ごしていたが、デイビスが急ぎて呼びにやってきた。
「どうした?」
「大公殿下がいらしております。お急ぎで応接間までとお呼びでございます。」
「そうか、、分かった。」
大公が来た時点でテヒョンは心の準備をする。
応接間には大公とセオドラ卿とソレンティーノ伯爵も出先から帰ってきていた。
テヒョンが入ってきて早速話が始まった。

「ヴァンティエストの出軍が1週間後と決定した。」
大公の言葉にテヒョンは静かに目を閉じた。
___ついに来てしまった___ 

「ジョングクやアンジェロを始め、我が国に集まったヴァンティエスト達の《準備》も2、3日で仕上げに入ると報告が入っている。」
ヨーロッパ各国から集結していたヴァンティエスト達は、聖プレブロシャス教会の近くにある小さな古城に設けられた宿舎に滞在していた。
この古城はチョン伯爵家が、ヴァンティーダ統治時代に王族だった時から所有する城の一つで、昔からヴァンティエストが出軍の準備に使用する為に管理されてきた。
城の管理の管轄は聖プレブロシャス教会で、ヴァンティエスト達の受け入れとフォローも担っている。

身体を戦闘態勢に整えるために、教会の神父達が封印解除を手伝った。
ヴァンティーダ族の神父達は、日頃は神事に携わりながらヴァンティエスト達に重要な務めがあると、こうして補佐としての任務を担うのだ。
ただし、関わること全てが極秘任務だけに、準備期間中は国王から禁忌令が出されヴァンティエスト達と共に、神父達も特にニュウーマリー族との接触が制限された。
テヒョンがジョングクの出征まで共に暮らす為に、公爵家ではなく伯爵家に滞在する事になったのも、この禁忌令が出ることが予定されていたからだった。
王族はニューマリー族であるので、準備期間にジョングクが公爵家に滞在する事は出来ないのだ。

とうとうヴァンティエストが出動するという現実を誰もが苦渋の思いで受け止める。特にジョングクはヴァンティエストの中で最高位にあたる指揮官だ。一番重要かつ責任が重い立場になる。
温厚で平和主義の人柄を心配していたセオドラ卿だったが、最近では殺気を帯びた視線が垣間見えて、その極端な性質の差に心配が増えた。
「敵方にヴァンティエストが動いた事が分かる前に、現地に着かせたい。・・・テヒョン、心の準備はよいな?」
「とうに覚悟は出来ております。しっかりとジョングクの出征を見届けてやりたいと思います。」
「うん。よく覚悟を決めたな。」
テヒョンは『父上、本当に大丈夫ですよ』というように笑顔を見せた。

報告が終わった後大公はテヒョンを呼び止める。
「少しいいか?」
「はい。」
二人はソファに腰を下ろす。セオドラ卿は気を使い、
「こちらにお茶を持ってこさせましょう。この部屋をゆっくりお使い下さいませ。」
と部屋を出ながら声を掛けた。
「気遣いをありがとう。」
大公が応える。セオドラ卿はゆっくりお辞儀をすると扉を閉めた。
その後すぐにハンスが紅茶とお菓子を持って応接間にやっ出来た。最小限の準備をするとすぐに部屋を出た。

テヒョンはティーカップを大公に渡し、自分も取ると一緒に飲んだ。
「ジョングクとはうまくいっているか?」
「はい。おかげさまで。」
大公はフッと笑いを漏らした。
「訊くまでもない事だとは分かっていたが、あえて訊いてみただけだ。」
「やはり、そうだと思いました。」
いつも通りのイタズラな父親を笑った。
大公はティーカップをテーブルに置くと、今度は真剣な面持ちで訊いた。
「お前のジョングクを・・・危険な戦地に送る決定を下した我々に対して恨んではいないか?」

父からの思いがけない問い掛けにテヒョンは驚いた。
「まさか父上からそのようなお言葉が出るなど、思ってもおりませんでした。」
「今更だとは思うが真面目に訊いておるのだ、親子の立場で正直に申してみよ。」
「いいえ、なぜ私が陛下や父上を恨まなくてはならないのですか?」
「数々の決定事項が続き、お前達の幸せをことごとく砕いてしまっているではないか。正直、、やるせないのだ。」
テヒョンは困惑した。今まで国王や大公に恨みなど感じたことは全くなかったからだ。
「父上、それは全くの見当違いというもの。」
「テヒョン・・・」
大公は息子が周りを心配させまいと、痩せ我慢を続けているのではないかと思い心配していた。

「恨みを持つとすれば、それは王位を狙う犯罪者達にだけでございます。陛下や父上達は戦争回避の為に、今まで沢山ご尽力なさってきたではありませんか。」
「しかし完全な鎮圧は出来なかった。陛下も私も我らの無力を感じている。陛下は出兵に国民を巻き込んでしまったことを特に悔やまれておいでだ。」
「ヨーロッパ中の同盟国は皆、陛下や父上と同じ思いでしょうね。敵である相手がまともではないのですから。
今回の場合は力に対して力で対抗しなければ、もっと酷い状況になりましょう。」
「お前は賢いし優しい、、、それ故に我慢をさせているのではないかと心配していたのだ。」
「ありがとうございます父上。ジョングクと事あるごとに、沢山話し合ってきました。自分の事や組織の中で手が一杯であるはずなのに、私の心を案じて沢山甘えさせてくれました。ですから我慢はしておりません。」

「そうか、、、ジョングクは本当によく出来た伴侶であるな。私の役目は全て奪われてしまったわ。」
「私は父上の愛情にも随分と助けられておりますよ。」
大公は笑ってテヒョンの髪をクシャっと撫でた。
「私は親にも伴侶にも恵まれ過ぎておりますね。」
「それはお前がよく出来た息子で、またよく出来た伴侶であるからだろう?」
「流石にはいそうです、、とは言いにくいですね。」
澄ましたような顔をして応えた。
「こいつめ。」
二人は大きな声で笑った。
「それだけ笑えたら大丈夫だということか、、、」
大公は慈しみのこもった優しい顔でテヒョンを見つめた。笑ってはいてもそれでも本心を自制している事は沢山あるだろう。しかし、父としてこれ以上は訊かない方が良いと思った。


ジョングクが帰宅する。
玄関でテヒョンもハンス達と一緒に出迎える。
「王子様直々にいつもお出迎え頂けて、幸せでございます。」
ジョングクは嬉しそうにテヒョンをふわりと抱き締めた。
「お帰り。」
広い背中に両手を回す。また少しがっしりと幅が広がった気がした。
ハンスや従僕達が二人を微笑ましく見守った。しかしこの光景もあと数日だけになってしまう寂しさも感じられた。
「見せつけてくれますね〜〜。」
一緒に帰宅したアンジェロがからかう。それに対して二人は、わざと彼だけに見せつけるような返しをした。玄関口に笑いが起きる。その和やかな雰囲気は、寂しさを感じていた場を和ませた。


「出発の日が決まった事は、もうお聞きになりましたか?」
部屋に入ってからずっと微動だにせず自分を見ているテヒョンに、着替えをしながらジョングクが訊ねた。
「うん。」
とだけ応えて、後の会話が続かない。相変わらずテヒョンはじっと見てくるだけだった。
ジョングクはクラバットを結ぶと着替えを終えた。振り向いてそのままテヒョンのそばに行く。
「時が経つのが速すぎて、、あなた様とのお別れの日が来るのが怖くなります。」
ジョングクの寂しげな言葉に、テヒョンは顔を見つめるだけで言葉が出ない。
どう返事をしようか迷っているわけではなく、本当に言葉を失っているのだ。
あれだけ心の準備をして心構えもしていたのに、本人の口から直接聞かされる事実のなんと重く残酷なことか!

勿論ジョングクはテヒョンの心情を充分理解している。心と葛藤している大切な人のいじらしさを前にして、自分の心も張り裂けそうだった。
身分の垣根を取り払い軽々と懐に入ってきてくれて、いつもいつでも真正面から惜しみなく愛を注いでくれる人だ。大切に大切に守ってきて、また大切に大切に守ってくれた人。
自分の命よりも大切に想う人を本当に置いて行けるのだろうか、、、?
ジョングクはもう堪らなくなってしまった。
「ここに、おいで、、、」
懸命に優しい声で乞うように言って両手を広げた。テヒョンは立ち上がるとその言葉を待っていたというように飛び込んでいく。

ジョングクは狂おしいほどに湧き上がる想いをぶつけるように、その柔らかい身体を抱き締めた。親しんだフレグランスのほのかな香りと、テヒョン自身の甘い香りが脳を駆け巡る。忘れないように胸いっぱいに息を吸い込んだ。頬と頬を重ねて吸い付くようなきめ細かい肌に頬ずりする。
そしていつも抱き締めた時に必ずくすぐられる柔らかい髪を弄った。
テヒョンはずっとされるがままでいてくれた。ジョングクの心の中に自分の全ての面影を捧げたいと思っていたのだ。
ひとしきりお互いの存在を確かめ合った後やっと声を出した。
「お腹が空きました、テヒョン様・・」
間の抜けたような言い方に二人は笑い出した。
「・・では、食事にするか。」
まだ笑いが収まらないながら、部屋を出ると食堂に向かった。


夕食を終えてテヒョンとジョングクは二人の部屋に戻る。
すぐに寝間着に着替えるジョングクをテヒョンはまた眺めていた。
「面影が逞しくなったな。日に日にこんなにも早く変わるなんて思わなかったから驚いたよ。」
「昔、変身する為の訓練時に見た以来の姿でございますから、私自身久しぶりでございます。」
ジョングクが少しだけ笑う。テヒョンは何かに気付いて彼の目の前に立った。
「もっと見せて、、、」
そう言いながら唇に触れた。
「あ、、、まともに見られるのは恥ずかしいです、、、」
「いいから、、、」
ジョングクは急かされて、ゆっくりと唇を開いた。

鋭利に長くなった犬歯が姿を見せた。綺麗に並ぶ歯列の中で、光りを放ち凄みを与えていた。
「綺麗な緩やかな曲線だ、、、」
テヒョンは臆することもなく、むしろ恍惚として眺めていたが、そっと犬歯に口づけた。
「危のうございます、、、」
ジョングクは躊躇のない行いに驚いた。
「僕が例えこの歯に傷付けられたとしても、何の不都合もないだろう?」
「そうではございますが・・・」
「君の武器となるものに、念を込めて僕の力を注いだのだ。」
「そのような事をおっしゃられては、、、噛みつきたくなります、、」

「じゃあ、、噛みついて、、、」
妖艶な声色で囁くテヒョンの瞳は、獲物を狙った豹のような目線を醸し出していて、待ち切れないというように視線を外さない。ジョングクの唇に触れた指がさらに強請った。
「君が時々僕の胸に付けてくれる《しるし》のように、、、僕が間違いなく君のものだという証を付けて。」
哀願するその声に万感の想いを感じないわけがない。
「テヒョン、、、、」
「そう、、、もっと呼び捨ててよ。」
艶のある声で乞われて、ジョングクの犬歯が疼く。
「・・・深く傷付けて。その痛みで君が僕のものだと感じたいんだ、、、」
テヒョンが美しい顎のラインを横に向けると、白い首筋があらわになって差し出された。ジョングクは一瞬目眩を覚えたが、唇を目の前の無防備な首に這わせた。そして、トクトクと脈打つ場所を少しずらして片方の歯だけを立てた。

弾力のある肌に鋭利な歯先が食い込む。
「あっ・・」
プツッという手応えと同時に、テヒョンの眉間にシワが寄る。犬歯が突き刺さった場所から血液が出た。ジョングクはそれを何度か舌で拭うと、出血がピタリと止まった。
「痛くはありませんか?」
テヒョンの息は興奮しているようで、顔は紅潮し瞳が青く揺らいでいた。
「痛いよ、、、でも気分がいい、、」
テヒョンの首筋に一か所だけ赤い穴の跡がついた。
「この傷は消えません。いずれ穴は塞がりますが、ホクロのように残ります。」
「それでいい。僕は君だけのもので、君は僕だけのものだと、この先ずっとその証になってくれるだろう。」
「私はあなた様の血を少しだけ頂きました。・・・ピリピリと刺激的でございましたが、この麗血をあなた様の分身として、戦地に連れて参ることにします。」
「うん、君の身体の中で共に戦おう。そして僕らは離れていてもいつも一緒だな。」
「はい。」

二人は抱きしめ合った。自然に唇が重なる。そしてそのままベッドになだれ込むと激しく求め合う。
今夜がもう最後の《夜》になることを分かっていて、これ以上どうやって熱い想いを伝え合ったらいいのか、方法を模索することすらもどかしい。ただ二人が堕ちるとこまで堕ちるしかないと思った。
「テヒョン様、、お覚悟を、、今夜は自分自身を止められません。」
「嬉しいよ。真のヴァンティーダになった君に存分に抱かれよう。」
テヒョンはニヤリと不敵に笑うとジョングクの唇に強く唇を押し当てた。
そして一瞬離してジョングクの耳元で、
「僕の誇り高きヴァンティーダ、、、」
と囁く。その声に煽られてジョングクはテヒョンの身体にのめり込んで行った。

次の日
陽が昇る前の朝早く目覚めたジョングクは、隣で深い寝息を立てて眠っているテヒョンを気遣って、静かにベッドから出ると早々に着替えて部屋を出た。
廊下はまだ常夜灯の灯りだけで薄暗く、誰の姿も見かけない。館の職員達もこれから準備を始める頃なのだろう。
ジョングクの靴音だけが響く中、セオドラ卿の部屋の前で立ち止まった。
ノックをして待つと、すぐに扉が開いた。セオドラ卿が自ら出迎える。
「おはようございます父上。」
「おはよう。よく起きられたな。」
「体質が変わってから朝に強くなりましたよ。」
ジョングクはにっこり笑いながら応えた。
「そうか、、、」
屈託のない笑顔を見せられ、まぁ入れというように息子の肩を軽く叩いた。

「そこに座りなさい。」
ソファに座らせると、セオドラ卿はテーブルの上に置いてある七宝焼で作られた小さな箱を取った。
それを手のひらに乗せるとジョングクの目の前に差し出した。
「ついにこれを手渡す時が来たのだな。」
「はい。」
返事をしながら神妙な顔で見上げた。
そこにはすっかり闘士の意志を表す目をしたヴァンティエスト・ジョングクがいた。紅く燃える息子の視線を受け止めると徐ろに蓋を開ける。
中に入っていたのはマウスピース型をしたプロテクターだった。超軟合金というヴァンティーダ族が開発した素材で、柔らかい金属合金で歯型に合わせて作られているが、力が加わると一瞬にして硬化してプロテクトする。

超軟合金は素材も加工する工場もチョン伯爵家領内にあるのだが、世間に公開はされていない。その為ジョングクのプロテクターも秘密裏に作られた。
同盟国から派遣されて来たヴァンティエスト達も、この国に入国してからすぐに歯の型取りをしてプロテクターを作っている。
ジョングクのプロテクターは銀色に輝き、光が当たると七色に発色した。指で静かに撫でると、これから共に戦う大切な防具となる合金の感触を確かめた。
「お祖父様もこれを装着して戦われたのですよね、、、」
「そうだ。今回のお前のプロテクターには、父上が戦地で使用されたプロテクターが一緒に製錬加工されている。」
「ありがとうございます父上。それだけでも心強いです。」

ジョングクは立ち上がって、箱ごとプロテクターを受け取り礼を言うと、セオドラ卿は息子の身体をしっかりと抱き締めた。
「前の戦いでお前のお祖父様は見事に敵を捕らえ任務を成功させた。
今回のお前達の任務はそれよりも過酷になろう。」
「はい、心得ております。」
セオドラ卿は息子の両肩を掴んで身体を離すとしっかりと見据えた。
「よいか、、、無謀なことはするな。自ら命の危険を犯してはならぬぞ!」
「大丈夫でございます父上。無駄死にするような愚かなことは致しません。
私の戦闘は忠誠をお誓いする方々の名の下に戦う聖戦にございます。」
「よろしい。そう思っているのであれば何も言う事は無い。私はお前を誇り高く思うぞ。
孫であるお前をこよなく慈しんで下さった父上は、きっと導き守って下さるだろう。勿論お前の母もな。」

セオドラ卿は笑いとも泣いているともいえない表情で息子の顔を撫でた。父親としての本心は、戦場に我が子を送ること自体が断腸の思いであろう。
「さ、もう一度座って。」
再度ジョングクを座らせると、用意してあったワインをグラスに注いだ。徐ろにナイフを取り出すと自身の小指の腹を小さく刺した。浮き上がった血をグラスに注がれたワインの中へ三滴落とす。そしてそのワイングラスをジョングクに渡した。小指の傷口は舌に押し付けると出血が止まった。
「ヴァンティーダとして、また父としてお前に力を授ける。」
「ありがとうございます。」
ジョングクは受け取ったグラスを掲げると、ゆっくりと最後の一滴まで飲み干した。

それから数分後、ジョングクの身体が上気して瞳に紅い炎のような色が揺らめいた。ワインを飲んだ時にはテヒョンの血を舐めた時のように、ピリピリとした刺激があった。
今セオドラ卿がジョングクにしたように、戦闘能力の増強の為にヴァンティーダ同士で《捧血》をすることがある。
これは弱ったヴァンティーダに対しても施すことがあり、強壮剤のような役目もした。
ソレンティーノ伯爵も息子のアンジェロに同じ事をしているはずだ。
ヴァンティエストととしてジョングクは、ほぼ完成したといってもいいだろう。瞳は鋭く光り骨格までもがシャープさを増して、闘いの神アレスのように荒ぶれる表情が見え隠れした。
―――あと数日でいよいよ出軍だ―――
戦地に赴くという現実味が帯びて、武者震いがおきた。
セオドラ卿の部屋を出て、廊下を歩きながら迫りくる戦闘の時に思いを馳せた。《大切なものを守る為に》その一心が身体中の血潮を奮い立たせた。


【別かつも心は共に・・


ジョングクが静かにベッドを出た後、テヒョンは目を開き起き上がる。そのままピローに体を委ねると、まだ温かい彼のピローを取って胸に抱いた。
身体のあちこちに夕べの営みの痕跡が切なく残っていて、深炎のように熱く燻っているのを感じた。テヒョンはその余韻に浸りながら、きっとジョングクは今頃最終段階の仕上げに入っているのだろうと思っていた。
伝説と化していたヴァンティエストの存在をこの数日の間に目の当たりにし、《混乱の中にある世界情勢を和平に向けて決着をつける》そんな歴史的瞬間の中に、自身の想い人が中軸として立つ事に身震いした。
なんと壮絶な運命なのだろうか!


暫くするとジョングクが部屋に戻ってきた。テヒョンがいるベッドに近付きながら声を掛ける。
「お目覚めでございましたか。」
「うん。・・・それは何?」
手に持っている箱に気付いて訊いた。
「これでございますか?・・・では、テヒョン様には特別にお見せ致しましょう。」
芝居がかった言い方をしてベッドに座ると、テヒョンの目の前に差し出してゆっくり箱の蓋を開けた。まるで蝶のような形をした金属が見える。
「これは?」
「長くなったこの犬歯を守るプロテクターでごさいます。」
「触れても?」
「はい、どうぞ。」

テヒョンはプロテクターをなぞるように静かに触れた。
「不思議な素材だな。光の当たり方で七色にも見える。」
「ヴァンティーダ族がその昔に開発した超軟合金というもので出来ております。」
「へぇ・・・これが超軟合金か。君はこれを装着して戦うの?」
「はい。」
テヒョンはジョングクの目を真っ直ぐに見つめた。
「これで、本当にいよいよ、、なのだな、、、」
ジョングクは何も言わず、ただ目を細めテヒョンの頬を優しく撫でるだけだった。
「出発の日の前日まで帰りが遅くなります。どうかお先にお休みになっていてくださいね。」
その言葉にテヒョンも無言で頷くだけだった。
「もう出掛けるのか?」
「はい。今朝は指令本部で朝食を摂りながら打ち合わせがございます。」
「そうか、、」
「では、行って参ります。」
「うん、いってらっしゃい。」

ジョングクはテヒョンに口づけをすると、部屋を出て出掛けて行った。
『とうとうその日を迎えることになるのだな』と部屋の扉が閉まったと同時にテヒョンは思った。
どうやらもう直前で戦闘が終わるという奇跡は起きないようだ。テヒョンは心の隅で、少ない可能性を期待していた。しかし、何もかも戦場に向けての準備が整ってしまったのだ。
あんなにも優しく愛しい人に、人を殺めるなどという非道な事をさせたくないと願っていたのに。
ジョングク率いるヴァンティエストの任務は、戦争終結ではなく元凶たる首謀者達の《処刑》だ。いくら強靭な最強ヴァンティエスト達であっても、あまりにも残酷な任務だった。

ジョングクが出発する前日、極々内輪という形で国王主催の宴会が王宮で開かれた。これはヴァンティエスト達への労いの催しで、大公と大公子も同席した。
会が始まると国王が挨拶に立った。
「明日、いよいよ出軍の日を迎える。
君達がそれぞれの国で仕える主君の皆様が、どんなお気持ちで今回君達を送り出したのかを想像すると、正直胸が痛む思いだ。私にとっても大切な臣下である者を戦禍に向かわせるのは忍びない。」
国王の言葉に皆が集中して聞き入っている。
「同盟国全てが協議し対策を講じてきても、反逆者達を制することは出来なかった。今も連合軍として出軍して行った戦士の者達が、現場で戦い続け成果を出して鎮圧も進んでいるが、逃げ隠れしている首謀者達のとどめを刺さない限り完璧な終結は無理であろう。」
核心を突く内容には重い空気が張り詰めた。

「誇り高く尊いヴァンティエストの同志達よ、どうか無事に任務を遂行出来ることを心から祈っている。」
国王の話を聞きながらテヒョンはジョングクがいる方を見た。すると、ジョングクもテヒョンに視線を向けていた。二人はお互いに笑みを返す。
「明日に備えて、今日は楽しく過ごして欲しい。そして近い将来、必ずまたここで君達を迎えたい。」
会場に拍手が湧いた。心なしか国王の目には光るものが見えた。
間もなく食事が始まり、出席しているヴァンティエスト達は和やかに食事を進めた。ある程度落ち着いてきたところで、国王、大公、テヒョンがそれぞれのテーブルを回って懇談を始める。

威厳に満ちた《紳士の国》を体現する三人であるが、話す言葉には寛容で気さくさが表れていて、勇士達は感激を覚え心奪われた。そして『 この方達の信任を受けてこれから戦地に赴くのだ』という誇りを改めて感じるのだった。
「どうだ?おいしく食べているか?」
テヒョンがジョングクとアンジェロがいる席にやってきた。
「はい、とても美味しく頂いております。」
二人のやり取りを見ていたアンジェロは、
「そのような公人仕様なご挨拶じゃなくてもよろしいのに。」
と言って笑った。
「流石に陛下の催しものの席で馴れ馴れしくは出来ませんよ。」
テヒョンが澄まして言う。

「いいのだアンジェロ。その代わり公式以外では散々二人に見せつけられておるからな。」
「陛下!」
国王がいつの間にかそばまで来ていた。
立とうとしたジョングクとアンジェロをよい、よいと制した。
「ジョングクもアンジェロも指揮の頂点に立つ立場だからな。しっかり統制を頼んだぞ。敵が超霊力を持たないヴァンティーダであっても油断はするなよ。」
「はい、心得ております。」
「まぁ、私が言うまでもなく、お前達二人ならばとうに心得ていることであろうがな、、、」
「いえ、陛下。改めて仰って頂けて背筋が正せるというもの。有り難く思っております。」
アンジェロが真面目に応えた。

「アンジェ兄さんでも真面目な顔をすることがあるのですね。」
ジョングクがニヤニヤしながら言った。
「当たり前だ。国王陛下の御前ではないか。」
二人のやり取りを見て国王が笑う。
「これだけやり合う余裕の姿を見たら安心したわ。」
テヒョンも頷きながら笑った。ジョングクはその笑顔を見られて少し安堵した。
「ジョングク、テヒョンを残して行くのは不安もあろう?だけど大丈夫だぞ。お前が留守の間に他の者に移り気などせぬよう、私がしっかり監視しておるからな。」
「陛下!何ということを仰るのですか!!」
テヒョンがムキになって叫んだ。

アンジェロも加担する。
「テヒョン様が心変わりしないまでも、他の者達はチャンスと思って放っておかないでしょうね。」
「兄さんまで何を言うんですか!」
今度はジョングクが叫んだ。
「僕達はそんな軽い思いで繋がってなどいませんよ。」
「そうですよ!テヒョン様と二人できちんと約束を交わしておりますからね。」
国王とアンジェロが爆笑する。
「冗談を言っているのが分からぬか?」
「テヒョン様もジョングクも真に受けてるなんて、本当に可愛らしい、、、」
「陛下もアンジェもいい加減にして下さいよ!」

「まぁそう怒るな、、、場を和ませる為ではないか、、、」
国王は笑いが止まらない様子だ。
「ほら、みんな笑っているぞ。」
アンジェロが言うように、近くに居た者達がテヒョン達のやり取りを微笑ましく見て笑っていた。
「なんだテヒョンとジョングクはまたからかわれているのか?」
大公がやってきて呆れるように言った。
「父上、陛下もアンジェも冗談が酷すぎますよ、、、」
テヒョンは憮然として言う。
「ははは、まぁいいではないか。
ここに居いる者達は、明日から笑って過ごすなど出来ないであろうからな。」

大公の言葉にテヒョンは改めて会場にいるヴァンティエスト達の顔を見渡した。
そこここで談笑している様子は、普通の青年と変わりない。とても明日から戦場に乗り込む者達であるなど、想像もつかない位あどけなかった。
冗談の内容はとても容認出来なかったが、それでも笑えるのならばそれでいいと、テヒョンは思うことにした。


その日の夜
就寝の準備をしながらテヒョンとジョングクは、お互いにロケットペンダントを用意した。
それぞれ、その中にはお互いの写真がはめ込まれていた。この時二人は初めて写真というものを撮ったのだ。蓋を開けて中の写真を見せ合った。
「生き写しのようだな。」
「あなた様そのものでございます。」
蓋をすると自分の写真のロケットペンダントをお互いの首に掛けた。
「テヒョン様、もう一つお願いがございます。」
「ん、何だ?遠慮なく言ってごらん。」

「はい。ではあなた様が今着けているメレリオ・ディ・メレーの指輪を私にお貸し下さい。」
「これか?」
「そうです。そして私が今着けている方をあなた様に持っていて頂きたいのです。」
テヒョンはすぐに快諾した。その指輪はジョングクがテヒョンの誕生日に贈った物だ。右手の薬指から指輪を外してジョングクに渡す。その指輪の裏には、
Je promets ma fidélité à vie(生涯の忠誠を誓います)》とジョングクの意志が刻まれている。
反対にジョングクはネックレスを外すとそこに通してあったお揃いの指輪を取って、テヒョンの右手の薬指にはめた。

その指輪の裏には
ma précieuse Vénus(私の尊い金星)》と彼のテヒョンへの想いが刻まれている。
借りた指輪をネックレスに通すと、首に掛けて大事に手の中に包み込んだ後口づけた。
テヒョンも右手を唇に近付けると、ジョングクの指輪にくちづけた。
その仕草を見届けて、テヒョンの身体を抱き上げるとベッドに連れていく。
そして静かに寝かせた。
既にヴァンティエストとして仕上がったジョングクは、この出発前の最後の夜は静かにテヒョンを抱きしめるだけだった。テヒョン自身も心得ていたので、黙って愛しい人の抱擁を受け入れた。


無情にも朝はやってきてしまう__

遠征用の軍服に身を包むと、ジョングクが伯爵家から出ていく時が来た。
この館で働く職員達全てが主人を見送るために集まっていた。
「行ってらっしゃいませジョングク様。どうかお身体に気を付けて、元気にお帰り下さる日をお待ちしております!」
ハンスが涙目になって言葉を掛けた。
「うん、行ってくる。留守を頼むぞ。」
ジョングクはハンスを抱きしめた。

テヒョンはこの後に行われる壮行会に出席する為、ジョングクとアンジェロ二人と同じ馬車で一緒に会場まで向かう。セオドラ卿やソレンティーノ伯爵も続いて会場へ向かう。
今回は軍が用意した馬車で移動する。
それぞれ乗り込み馬車は出発した。チョン伯爵家の者達は動き出した馬車に向かって一礼をすると、すぐさま両手を振って見送った。『いってらっしゃいませ、ジョングク様〜〜!アンジェロ様〜〜!』という声が幾重にも追いかけてくる。中には泣いている者もいた。
テヒョンはジョングクの手を握ると、到着するまでずっと握りしめていた。

馬車が壮行会会場に到着した。
会場はロンドン港でトーマスを見送った場所と同じだ。
馬車を降りると仕切りがされていて、見送りに来た人達(ニューマリー族)とヴァンティエスト達が直接交流出来なくなっていた。それほど機密扱いなことが分かる。ヴァンティエスト達は見送りに来た家族達とだけ、別れを惜しむ事が出来た。
ジョングクもアンジェロもそれぞれの父親と抱き合って別れを惜しんだ。
そして、テヒョンの元にジョングクが来ると遠目で見守る見送りの人々が、テヒョンとジョングクを拍手で称えた。

拍手の中二人は見つめ合うだけで精一杯だった。しかし、部屋を出る前には抱き合い最後の口づけを交わし、お互いに涙も流して別れを惜しんでいたのだった。
ジョングクがやっと言葉を発した。
「行って参ります。テヒョン様、どうかお健やかにお過ごし下さい。」
「行っておいで。君が無事に僕の所に帰ってくる日を待っているぞ。」
ジョングクはテヒョンの手を取って口づけた。
いよいよ壮行会が始まる。

今回、表向きは連合軍の第三陣野戦部隊として派遣されることになっていたが、実際には第44特殊部隊としてヴァンティエスト達が特殊部隊の兵士として出軍する。
綺麗に整列をした特殊部隊の兵士達を背に、部隊の指揮官としてジョングクは国王と大公、テヒョンの前に出た。
サーベルを抜くと面前に掲げ十字部に口づけると、右下に切り下げ敬礼をした。
アンジェロがジョングクの右側のすぐ後ろで、同じようにサーベルで敬礼をした。ジョングクは高らかに宣言をする。
「我々は敬愛する大公子殿下の部隊名 Duke of Venus(金星の公爵)を掲げ、今ここに出軍致します。」
ジョングクはもう既に戦士の顔になっていた。
「我々は君達勇士を誇りとする。軍の幸運を祈る!」
テヒョンが応えた。今はただ大公子と指揮官としてテヒョンとジョングクは向かい合っていた。

ジョングクとアンジェロはサーベルを納めると、深々とお辞儀をした。
テヒョンのエンブレムが刺繍された軍旗を高く持った兵士が、ジョングクの隣に付いた。
それを合図にバグパイプ軍楽団の演奏が始まった。
指揮官としてのジョングクと兵士達は一斉に右手を掲げると敬礼をする。国王、大公、テヒョンもそれに応えて敬礼をした。
見送りに来ていた人々から歓声が湧く。集合していた部隊の兵士達は少しづつ列を作り、海軍の艦艇に乗り込んでいく。
最後までテヒョンから目を離さなかったジョングクも、ゆっくりと背を向けると一番後に艦艇の中に乗り込んで行った。
テヒョンはその姿が見えなくなるまで微動だにしなかった。

国王も大公もセオドラ卿もソレンティーノ伯爵もテヒョンと共に、しばらくその場で艦艇が出発するのを見守った。
そして遂に汽笛が鳴るとゆっくりと動き出した。
この日の海はとても穏やかだった。勇壮な艦艇は悠々と海原を進んでいく。
海を見据えたままのテヒョンの瞳から次々と涙がこぼれ落ちた。それを地に落とさないように柔らかい海風に乗せて流されていく。
船体がやがて小さな点になるまで、見送りは続いた。最後の最後まで完全に見えなくなるまでテヒョンはそこにいたのだ。


※ 画像は作者デザインで旗の画像のみお借りして加工しました