群青と真紅 2【《㉔》温かい家】 | Yoっち☆楽しくグテを綴る♡

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テテとグクの Me Myself写真集にインスピレーションを得て【群青と真紅】をブログ内で執筆中です️



❀❀  共 に 歩 み ゆ く  ❀❀


少し時間が経ってしまいましたが、、
今だからこそのパリのテテを貼っておきます😊🩷

キム・テヒョン大公子殿下
パリ市を表敬訪問👑

・・・なんていう見出しが
私の頭の中に思わず出ちゃったわ🤭

戦時中、婚約者のチョン伯爵が負傷の際は、大変お世話になりました
と、パリ市庁舎を訪ね、パリ市長と懇談

なんてね😄

でもね、
公人として歩く時の歩みの進め方や
手の置き方、周りに向ける視線や頭の動かし方などの所作が貴公子そのもの✨
流石です❗
一朝一夕で身につくものじゃない、という事を他の著名人の方々の動きと比較してみて欲しい
テテがどれほどエレガントか分かる👍

アミさん達にボウ・アンド・スクレープで挨拶をする王子🤴
貴公子、王子様とテテのイメージが今以上に繰り広げられる事は
王族としての《テヒョン》の物語を書いている私にとっては
とても嬉しいし、有り難い✨🙏✨

フランス🇫🇷でジョングクの命を救い
フォンテーヌブローの森にある
美しい宮殿で一緒に療養期間を過ごした、、、あの日々を
私はパリのテテで思い巡らしていました😊



前回の物語

物語の続きが始まります✨✨


【お婿様修業?】

紅茶を飲んで一息ついた後、ジョングクは着替えを済ませた。
「ジョングク様、お着替えが整いましたら大広間までお願い致します」
「うん、もう終わった。すぐ行けるぞ」
ハンスと一緒に部屋を出ると、大広間まで向かった。
「それではどうぞ、お入り下さい」
大広間に着くと、ハンスが何やらほくそ笑んでいるような感じがして、ジョングクは横目で見ながら扉を開けて中へ入った。
「うわっ!これはどうしたのだ?」
驚いて立ち止まった。
そして恐る恐る奥へと入って行く。

ジョングクが目にしたものは、大広間に所狭しと並べられた贈り物だった。
「こちらに並べられた品々は、ジョングク様へのお見舞いの物でございますよ」
ハンスがわざとゆっくり後から入ってきて言った。
「これ全部がか?」
「はい。ご回復の一報が世間に流れました後、国内外から次々に送られて参りました」
「いや、、、凄い数ではないか」
「ははは、、、我々も流石に驚きました、、、」
「笑い事ではないのではないか?、、、こんなに沢山の志を頂くとは、、、」

ジョングクは本当に驚き、恐れ多い事だと感じた。自分はこれらにどう応えていったらよいのか、そんなことを思いあぐねた。
「ヨーロッパの各国の君主の方々からは、宮廷宛にお見舞いの品々が届いたとのことで、まとめてこちらに届けて頂きました」
ジョングクは暫く考えていたが、降参したように、
「テヒョン様にご相談したい」
と言った。
「はい。今回は各国の王室からの見舞い品がございますから、是非そのようにお願い致します」
ジョングクはテヒョンが落馬で怪我をした時に、沢山の見舞品が届いた話を聞いていた。

チョン伯爵家も由緒正しい貴族の家である。貴族としての礼儀作法はそれなりに心得がある。しかし、ハンスが言うようにヨーロッパ中の君主が関わった見舞品が届いたとなると、通常の対応とは異なる。いくら伯爵家としての礼儀をわきまえているとはいえ、国と国の外交儀礼に触れる事となると、それなりのアドバイスが必要だった。
「暫くは忙しい日々が続くのだろうな、、、」
「はい。しかし我々にとりましては、当たり前の務めにございますよ。それにこれらの品々は、ジョングク様の復帰に対するお祝いでございますから、忙殺されることなど嬉しい悲鳴でございます」
ハンスは執事としての手腕が発揮出来る事に、若干興奮した様子だった。そんな頼もしい執事にジョングクはふっと笑みが溢れた。


「殿下!チョン伯爵がお見えです!」
この日テヒョンは遅い朝を迎え、ベッドの上でレモンティーを飲んでいた。
部屋へ知らせにやって来たデイビスは、見事に生還して帰ってきたジョングクの来訪に興奮気味の様子だ。
「ん?そうか、部屋に通してよいぞ」
「かしこまりました!」
デイビスが下がってから暫くすると、ノックがして扉が開いた。
「おはようございます、テヒョン様」
とジョングクの声がしたのだが、ワンワンと犬の吠える声と同時にパックスが先に走ってやって来た。
「わぁ〜〜!パックスじゃないか〜〜〜」

「パックス、、、主人より先に行っては駄目だろう」
ジョングクは、テヒョンのベッド脇で飛び乗ろうとしているパックスを抱き上げると、笑いながら言った。
「ダメダメ、テヒョン様へのご挨拶は私が先だぞ」
ジョングクはそう言うと、寝癖が残った無防備な表情のテヒョンの唇に口づけた。ゆっくり唇が離れると二人は見つめ合う。
「ベッドの上で、そのようにまだまどろんでいらっしゃるお姿を見たら、、、襲いたくなります」
テヒョンはクスクスと笑った。
「でも、、、パックスが早くしてって顔をしているぞ」

ジョングクに抱き抱えられたままのパックスがウウゥ・・・と文句を言っているように唸っていた。
「仕方ない、、、」
手を離すとテヒョンのベッドの上に下りて、すぐに飛びついてテヒョンの顔を舐め始めた。
「アハハハ、、、くすぐったいよ、、、」
テヒョンはパックスを抱きしめて身体を擦った。
「改めて見ると、随分と大きくなったよな」
パックスはすっかりテヒョンに甘えて離れなくなった。

「パックス〜〜、、、パパの大切な人を独り占めしないでくれよ」
「おいおい、家族に妬きもちを妬くのか?」
「・・・・妬きますよ」
ジョングクが少し拗ねたように言う。テヒョンはフフンと鼻で笑うとパックスに話し掛ける。
「ねぇ、ねぇ、お前のダディはね、フランスで違う仔と毎日楽しく《浮気》をしていたぞ」
「えっ!?、、、何て事を言うのですかテヒョン様!」
「ハハハハ、、、自分でも《浮気》になるのか?など、言っていたではないか」
「いやいや違うぞ〜パックス〜」
言っている言葉が通じるとは思えないが、パックスは少し首を傾げた。

「失礼致します」
「まあまあまあ、、、もう既に新婚の御フウフのようでございますなぁ」
スミスとデイビスが朝食のワゴンを持って入って来た。
「テヒョン様は今からご朝食なのですが、ジョングク様もご一緒にお召し上がりになりますか?」
「ありがとうございます。公爵家のお食事ならば遠慮なく頂戴致します」
「ははは、、料理長はジョングク様がお見えになった事を知って、こちらが何も申さずとも準備をしていたようですよ」
スミスはニコニコしながら食卓の準備を進めた。
「あ、それからご夕飯までこちらにいらしてくれますね、と訊ねておりました」

「大丈夫だ。私が引き留めておくと料理長に伝えてくれ」
テヒョンは『居てくれるだろう?』という目を向けたので、ジョングクは頷いて応えた。スミスは二人のその様子を見ていて、
「はい。かしこまりました」
と、返事をした。
「デイビス、パックスのおやつもあげてくれ」
「はい。ちゃんと持って参りました」
犬用の可愛い食器が準備され、パックスはデイビスからおやつを貰った。
「おやつを頂けて良かったな。・・・ありがとうございますテヒョン様」
「喜んで食べてくれて良かったよ」
パックスはすっかりおやつを食べ終えると、トコトコと暖炉の前に行き、そこに置いてあったクッションの上で寛いた。

「勝手知ったる我が家のようだな。案外パックスの《婿入り》も心配ないのかもな」
テヒョンがそう言うと皆で笑った。
「さあ、お支度が整いましたよ」
スミスが二人を食卓へ促した。
テヒョンがベッドから出ると、ジョングクのガウンコートを羽織った。
「・・・借りているよ、これ」
ジョングクの視線を感じて、くるっと回って見せた。
「私もテヒョン様が置いていかれた方を着ておりますよ」
『うん』と応えて少し照れた顔をした。
ジョングクは、時折見せてくるこの様なテヒョンの柔らかい表情が本当に好きだった。ときめきを与えてくれる可愛らしさは、出会ってから衰えるどころか、益々溢れてくるようだ。

二人は向かい合って食事を始めた。
「こうして、家で一緒に食事をするのは久しぶりだな」
「はい、、、私にはとても感慨深い事です。それに、また気心の知れた人達のもてなしも受けられるわけですから、、、」
ジョングクがスミスやデイビスの方を向きながら言うと、二人は応えて頭を下げた。
キム公爵家もチョン伯爵家も貴族の家でありながら、格式や形式重視ではなく血の通った温かさが際立つ珍しい家風だ。だからこそ主従を越えた信頼関係がずっと続いていけるのだ。


食事が終わった頃、デイビスがテヒョンとジョングクにホットココアを持ってきた。
「私が入れましたホットココアでございます」
テヒョンは黙ってカップを取ると口にした。ジョングクはその様子を見て、自分も一口飲んでみた。
「あ、、、」
何かに気付いて思わず声が出た。テヒョンがデイビスにウィンクをした。
「君が入れてくれる味と同じだろう?」
「驚きました、、、」
ジョングクはデイビスの方を向くと、
「分かってくれたのだな」
と笑顔で言った。

デイビスも笑顔で応え、深々と頭を下げた。
テヒョンはカップを両手で包み込むようにして話し始める。
「僕が、、、フランスで重体になった君の事で不安が拭えなかった時、デイビスがココアを入れてくれたのだ。あの一杯のおかげで随分冷静さを取り戻せたと思う、、、」
ジョングクはいま一度ココアを味わってみた。胸に染み込む温かさは、ココアの温度だけではないと感じた。
納得してくれているジョングクの様子を見て、デイビスは嬉しい気持ちで語り掛けた。
「お帰りを心からお待ち申し上げておりました。チョン伯爵にこうして私のココアを飲んで頂けることが、とても光栄でございます」
「私の命がままならなかった時、テヒョン様を助け癒してくれてありがとう」
ジョングクの実感がこもった言葉に、誰もが尊い命の再起に喜びで胸がいっぱいになった。

「私達には分からない、過酷な事が沢山おありでしたでしょう、、、今こうして笑ってお顔を拝見出来る事が、どれほど尊いことか、、、、よくお戻り下さいましたな」
スミスが新たに紅茶を入れて、ジョングクの前に置いた。
「全てはテヒョン様のおかげでございます。この御方は私の《命》そのものでございます」
「そんな大袈裟に言うな。伴侶なのだから助け合いは普通だろ」
テヒョンは軽く言うが、その為にどれ程心身共に苦痛を越えなければならなかったのか、誰もが分かっている事だ。


「ところでジョングク、何かあって来たみたいだけど、、、なんだ?」
「あ、忘れておりました」
「え?忘れていたのか、、、」
テヒョンは驚いた顔で笑った。
片付けをしていたスミスやデイビスも釣られて笑った。
「大体は想像がつくぞ、、、伯爵家に見舞いの品が沢山贈られて来た事だろう?」
「流石でございます!、、、まさにその通りなのです。数だけではございません。ヨーロッパ中の王室からも贈られて参りましたので、、、」
「貴族としての礼儀には慣れてはいても、諸外国の王室相手ではままならぬというわけだな」
テヒョンはスミスの方を向いて頷いた。

「それでは私がチョン伯爵家に行って、状況確認を致しましょう」
スミスが応えた。
「来てくれますか!ああ、、、助かります」
「こちらでもテヒョン様がお怪我をされました時に、同じ事を経験しましたからね。王族の家ですから外交に関わる儀礼には慣れておりますよ」
「心強いです。ありがとうございます」
「その時は僕も一緒に行くよ。公務が無い時は手伝ってやろう」
「宜しいのですか?」
「君は僕と結婚したら王室の人間になるのだ。そうしたら今回のような事が沢山増えるんだから、いい練習になるだろ」
「なるほど。それではジョングク様のお婿様修行になるわけでございますね」

「お婿様修行?初めて聞いたな」
スミスの言う事にテヒョンとジョングクが顔を見合わせて笑った。
「じきにご婚礼の準備が本格的に始まりますでしょうから、ついでにハンス殿と前もって家同士の打ち合わせもしておけますな」
何やらスミスが意気揚々とし始めたのが分かった。
「スミスは急にやる気に満ちてきたな」
「そういえば、、、ハンスも何やら張り切っておりました」
ジョングクがテヒョンに耳打ちした。
しかし婚儀の前には、ジョングクについての戦後の《処理》がある。またテヒョンと共に受けるつもりの血清などもあり、まだまだやることは山積していた。


【打ち明け話】


パックスは相変わらずテヒョンの部屋の暖炉の前でまどろんでいた。
テヒョンとジョングクはソファでチェスに興じている。
「チェック!」
「あ!・・・・これはもう逃げ道が・・・!」
テヒョンがニヤリと笑う。ジョングクは両手を挙げて諦めた。
「・・・私の負けです」
「チェックメイト!」
「またやられました」
「最初は君が連勝していたのに、、、どうした?」
「油断しました、、、頭が疲れたせいです」
「ハハハ、、、ではここまでだな」
「かなり長い事やっていたのですね」
もうすっかり陽が傾き始めていた。

ジョングクは、度々デイビスがお湯を入れ替えてくれたポットで、紅茶を入れた。
「ありがとう」
二人はソファに座り直して紅茶を飲んだ。
「あ、そういえばテヒョン様にまだお話していない事がございました」
「ん?何のことだ?」
「実は、、、戦時中、D帝国でナンシー・ファーガソンさんに会いました」
「ナンシー・ファーガソン?・・・はて、思い当たらぬな、、、」
「ファーガソンは結婚してからの名前でしょう。・・・お分かりになりませんか?」
テヒョンは暫く考えていたが、やがて思いついた。

「ナンシーか!?昔うちで働いていた、女中の娘の、、、ジョングクにも話した事はあったが、、、本当にD帝国で会ったというのか?君とは面識がないのになぜ分かった?」
「私の名前を耳にして、大公子殿下の婚約者の方ですか?と、向こうから訊ねられたのですよ」
「そうか、、、、いや、しかし君の遠征先に彼女がいたなどと、恐ろしいほどの偶然にびっくりしている」
テヒョンは本当に驚いていた。
ジョングクは、テヒョンから色々訊いてくるものと思っていたのだが、暫く沈黙が続いた。

「黙って公爵家を離れてしまった彼女について、沢山お訊きになりたい事がおありなのでは?」
「・・・うん、、、」
いつものテヒョンらしくなく、なんとも歯痒い感じがした。
「昔の初恋のお相手だからといって、ご遠慮なさいますな」
ジョングクはこちらから話して聞かせようと思った。
「ナンシーさんとは色々話を致しました、、、公爵家を離れてから母方の親類を頼ってドイツに行ったそうです」
「ドイツに渡っていたのか、、、」

「そこで自らも医師の家で女中をしたそうです」
「うん」
やはり気にしていたのか、続きを聞きたい様子だ。
「仕事ぶりが評価されて、看護師になることを勧められ、試験を受けて看護師になったと言っておりました」
「おお!そうだったのか、、、彼女の仕事ぶりを評価して貰える所に行けたのだな」
「はい。それで雇い主の医師に見初められて結婚されたそうです」
「・・・・そうか、、、うん、良かった」
テヒョンの瞳に涙が溢れていた。

「ちゃんと幸せになっていたのだな。安心した」
テヒョンは安堵の表情をして、深く息を吐いた。
「だけど、なぜ彼女はD帝国にいたのだ?」
「彼女のご主人が、ドイツの連合軍に従軍医師団として従事していたからです。彼女も『危険な戦場へ夫を一人で行かせられない』と、同行を渋るご主人を説き伏せて付いて来たと言っておりました」
「分かるな、、、その気持ち」
テヒョンは遠くを見て呟いた。
「二人の使命が《人の命を救う》という共通なものだったから、納得させる事が出来たと言っていましたね、、、」

「共通の使命か、、、命懸けで危険ではあるが素敵なことだな」
「はい」
「だけど、、、本当に不思議な話だな。君がナンシーに出会うとは、、、、」
「私もびっくり致しました。彼女が我々に負傷者の救出を頼みに来なければ、そのまま出会わなかったのですから」
「失礼致します」
そこにデイビスに代わり、スミスが新しい茶器とお茶のセットを持ってやって来た。
「ジョングク様、忘れない内にお預け致します。ハンス殿にお渡し下さい。諸外国への返礼について、覚え書きのようなものでございます。また伯爵家へ参りましたら詳しくお話し致します」
「ありがとうございます。預からせてもらいます」

「スミス、昔うちに居たナンシーを覚えているか?」
「ナンシー、、、でございますか?・・・あ、」
スミスは思い出したようだったが、ジョングクの前で話してよいのかと少し躊躇した。テヒョンがそれに気付く。
「ああ、ジョングクには彼女の話を前にしたことがあるのだ」
「そうでございましたか」
スミスはホッとしたように笑った。
「それがな、ジョングクがD帝国で彼女に会ったのだそうだ」
「本当でございますか!?・・・しかし、初対面でよく分かりましたなぁ」
「私の名前を聞いて、テヒョン様の婚約者ではないかと、向こうから訊ねて来たのですよ」

「なるほど、お二人のご婚約のお知らせは、世界中に流れましたから、ナンシーも知っていたわけですな、、」
「今はドイツで看護師になり、医師と結婚して幸せでいるそうだ」
「おお、、看護師に。この家を出た後、一度だけ母親からドイツに移り住んだという便りがございましたが、、、幸せでおったのですね、、、」
若い二人を無理矢理引き離し、まるで逃げるようにして、公爵家から出て行った母娘をスミスはやはり心配していた。
「それからテヒョン様、ナンシーさんは公爵家での仕事は楽しい思い出ばかりだったと言っていましたよ」
「そうか。いい思い出になっているのなら、それでよい」
テヒョンはそう言って暖炉の火に視線を向けた。

ジョングクは、テヒョンの視線の先に、10代半ばのテヒョンとナンシーが、二人で肩を並べて暖炉の火熾しをしている残像を見た。
その時、なんとなくスミスと目が合った。きっとスミスも、同じような光景を思い出していたに違いない。それで想い人の初恋の相手に遭遇したジョングクを気遣って見たのだろう。
でも、心配されるほど妬くような事は今のジョングクにはなかった。ただ、テヒョンもナンシーもお互いが《初恋の相手》だったという事は秘めておく事にした。
唯一知っているのはジョングクだけなのだが、幼かった二人の遠く儚い思い出に、自分が介入すべきではないと感じたのだ。

「ジョングク、話を聞かせてくれてありがとう」
テヒョンは晴れ晴れとした表情をしていた。もうこれで初恋はきれいに昇華されたようだ。
「テヒョン様、人生何が起こるか分からないものですね、、、」
「確かにな、、君がナンシーと偶然出会った事も、不思議な巡り合わせなのに、更に色々な事が身に起きたものな、、、」
「世の中がそれだけ多様に変わったという事でございましょうな。昔の王侯貴族達のように、宮廷とお屋敷中心の生活から、より外へお出になる事も増えましたし、それはまた一般の国民も同じでございましょう。」
「スミスの言う通りだな。我々も移動手段として、馬車ではなく蒸気機関車に乗った位だしな」
「はい!あれはとても興奮しました。機会があればまた是非乗車したいものです」
「ハハハハ、、、まるで少年のノリだな」

テヒョンはパリからカレーまでの間、汽車の中ではしゃいでいたジョングクを思い出していた。
「そのお話を聞いた時は驚きました。鋳鉄で出来たものにお乗りになられたなど、王族ではまだどなたもいらっしゃいませんでしたからね。」
「いや、あのスピードを知ってしまったら、ジョングクでなくてもテンションが上がるわ」
「・・・では、、、わたくしめも次お乗り遊ばす時には、是非お供させて頂きます!」
スミスが間髪を入れず申し出る。
「スミスも相変わらず好奇心が旺盛だな」
「はい、まだまだお二人には負けてはいられません」
三人は目を合わせたが、吹き出して笑った。



つづく_______



※ 表紙の画像はChatGPTによる生成イラストです