群青と真紅 2 【《②》両家のクリスマス】 | Yoっち☆楽しくグテを綴る♡

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テテとグクの Me Myself写真集にインスピレーションを得て【群青と真紅】をブログ内で執筆中です️

ご愛読ありがとうございます❤️💙💜
今回の群青と真紅 2【《②》両家のクリスマス】が
12月17日発表の小説・エッセイ・ポエム記事ランキングで

🏅位🏅


頂きました🎉🎉🎉いつもありがとうございます💕💕💕
いつも上げる度に1位を頂いてはいたのですが、何度もご報告はウザったいかなと思い、控えておりましたが
時々はちゃんとお礼を兼ねて、載せさせて頂きたいと思います☺️✨✨

引き続き【群青真紅】をご贔屓にお願い申し上げます🙇🩷


前回の物語はこちら
物語の続きが始まります✨✨✨


【二人の婚約期】


外は真冬の寒さだったが、テヒョンとジョングクのベッドの中はずっと温かかった。
テヒョンはこれ以上どこにも行かせないといったように、しっかりと広い背中を抱きしめて寝ていた。
ジョングクはだいぶ早いうちから目覚めていて、背後から伸びてしっかり自分の胸を捉えて離さない、しなやかな白い腕に手を重ねていた。
スースーと、後ろから聞こえてくるテヒョンの寝息に耳を傾けながら、長くて美しい指を撫でた。
その薬指には二人の指輪が鎮座している。手首のお揃いのブレスレット同士が触れて鳴った。

夕べはテヒョンからの力強い抱擁に圧倒され、未知の自分の感覚に導かれた。経験したことのない切ない衝撃と、甘美な痛みで目眩がするほど心は酔いしれていた。
テヒョンも初めての時は、同じ感覚を感じていたのかと思うと、今までの感動とは違った高揚感を覚えるのだ。
二人の身体は、同じ《儀式》を迎えて心と共にようやく一つになったのだとジョングクは思った。
「・・・ジョングク、、起きているか?」
テヒョンの気だるい声がした。

「はい。」
応えながら振り返ると、テヒョンの柔らかい髪がジョングクの頬にフワリと被った。重なる唇が昨夜の余韻に火を点ける。しかし、テヒョンは一瞬止まって離れた。
「、、君の心に引っ掛かるその暗い影は何?」
思いがけない言葉にジョングクの心が反応した。だけど言葉に出来なかった。
「僕に言えない職務の機密に関係しているのなら言わなくていい。」
テヒョンは上体を起こして見下ろす格好で続けた。
「だけど、感じてしまうんだよ。僕の中にいる君がチクチク痛がっている。だってもう僕らは、公式での結婚式を迎えていなくても既にフウフだ。隠せないっていうのは分かるだろう?」

ジョングクはテヒョンに手を伸ばすと、髪に触れてぐいっと自分に引き寄せた。
「許して下さい。あなた様にはまだ何も、、」
「いいんだ。何かあることは分かったから。」
テヒョンは改めて彼が抱えている責務の重さを感じた。
これから国を担う王族の一員になるジョングクだが、既に王族並に国の行く末を左右する立場に立っているのだ。

「忘れないで。いつも君のそばには僕がいる。君の背負うものが重くても、気持ちの重さは支えてあげられる。」
何かが全身から抜けて行く感覚をジョングクは感じた。優しい言葉を掛けられたことで、心にまで無駄な力が入っていた事に気付いた。
テヒョンはいつもの美しい笑顔でジョングクを見ている。
愛しさが一気に込み上げて、抱きしめていた腕に力が入った。
愛おしい人からの愛情は、癒しと共にジョングクの心と身体に火を点けた。
「あなた様は私の救いの神でございます。」
二人はまた深く絡み合った。

大公が朝食の為に食堂にやってきた。
「あの二人はまだ朝食も摂っておらぬのか?」
二人分のカトラリーが並べられたまま、ナフキンが掛けられているのを見て言った。
「そのようでございますな。」
オルブライトが従僕が持ってきた茶器で、大公に紅茶を淹れながら応えた。
「結婚前の二人が朝まで寝室に籠もるなど、けしからんではないか。」
大公は笑いながらわざと言った。


テヒョンとジョングクが揃って食堂に現れた。
「おはようございます。父上。」
「おはようございます。大公殿下。」
二人は揃って挨拶をした。
「おはよう。随分ゆっくりだな二人とも。」
食後の珈琲を飲みながら大公が言う。テヒョンとジョングクは、顔を見合わせるとクスッと笑った。
「おっ、テヒョン。」
大公がテヒョンの方を見ながら自身の首筋に指を当てた。

テヒョンがハッとして自分の首筋を手で覆った。
「冗談だ。」
大公はサラッと言うと珈琲を飲み干して立ち上がった。
「父上!」
大公にからかわれ、テヒョンは恥ずかしくなり半笑いになった。
「仲が良いのはいい事ではあるが、ほどほどに致せよ。」
大公は笑いながら食堂を後にした。オルブライトがニコニコしながらお辞儀をして一緒に出て行った。

「父上をお待たせしてしまうとは、失礼なことをしてしまったな。」
「殿下はあのようにからかっておいででしたが、お二人を存分に寝かしておいてやれと、私には仰せでございましたよ。」
スミスはテヒョンとジョングクの食事の準備をしながら言った。
先程から黙ったままのジョングクにテヒョンが気付く。
「平然としていられる君が羨ましい。」
「私はテヒョン様との事でしたら、何をからかわれても嬉しく思います。」
「おお!これはお惚気を聞かされてしまいましたな。」
スミスが楽しそうに笑った。

テヒョンは諦めて一緒に笑い出した。
「よし、私も二人のことでからかわれても、恥ずかしいなどと思わないようにする!」
半ば無理矢理な宣言をした。そんな可愛らしい想い人にジョングクが宥めるように笑顔を向けると、椅子を引いて座るようにエスコートした。
二人が席に着くと、スミスとデイビスがナフキンをそれぞれの膝の上に広げた。

「本当にお似合いなお二人であるな。」
支度を終えて一旦テーブルから離れたスミスが、デイビスに言った。
「今まであまり感情を表に出される事がなかった殿下が、私達の前でもあのように素直にお出しになるので、皆も驚いております。そのような殿下がまたとても魅力的でいらっしゃいます。」

「そうであろう?テヒョン様はどんなお姿であっても人を魅了してしまわれる不思議な力をお持ちだ。ただ単純に王族でいらっしゃるというだけではない。天性の神々しいお人柄をお持ちでお生まれになられたのであろうな。」
「それでは、、《神の子》というわけでございますね。」
「なるほど、上手いことを申すではないかデイビス。」
デイビスが言った《神の子》という言葉に、スミスはかなり納得してしまった。
テヒョンは生まれて、この公爵家に来た瞬間から大公夫妻のみならず、周りの人々を幸せにしてきた。

家柄や地位をひけらかし、表向きにしか興味を示さない貴族達が蔓延る社交界の中で、テヒョンは長いこと真の友情を示せるような者を見出だせなかった。
見た目の美しさもあって、人を寄せ付けさせないオーラがあるのも確かだ。
しかし、今はこうして友情を越えて生涯の伴侶となるべく運命の人と笑い合っている。
親代わりをしてきたスミスをはじめ、幼少の頃から養育に携わり、成長を見守ってきた公爵家の職員達は、主人の幸せを皆が我が事のように喜んでいた。


いよいよクリスマスを迎える。テヒョンとジョングクにとっては二度目のクリスマスになる。今回はテヒョンの宮殿で迎える事になった。
二人は大階段の踊り場で、大広間に立てられたツリーに、次々と点けられていく蝋燭を眺めていた。
「テヒョン様のツリーは、見事な大きさでございますね。」
「デイビスが樅の木を調達してきたのだ。去年も良い木を持って来たぞ。」
蝋燭に火が灯されるとオーナメントがキラキラ反射して輝いた。
「君のツリーも素敵だったな。ツリーだけじゃない、部屋の飾り付けも全てロマンティックで好きだ。」
「では、次のクリスマスにはご一緒に飾り付けを致しましょう。」
ジョングクはにっこり笑って言った。

《次の約束がある》テヒョンはそれがとても嬉しいと感じた。
「もう来年の話か?気が早いな。でも楽しみだな。」
二人は自然に近付いて寄り添った。
「テヒョン様!今年のツリーも見事でございましょう?」
ミセス・ブラウンが階下から声を掛けてきた。
「いつもながら見事な飾り付けだな。」
皆の頑張りをニコニコと労った。
「テヒョン様もチョン伯爵もどうぞ、こちらでご覧になって下さいませ。」

二人は大階段を降りて、今度は下からツリーを眺める。
「今年のクリスマスのご夕食には、シェフがお二人のお祝いも兼ねて素晴らしいメニューにするそうでございますよ。」
「ミセス・ブラウン、それはお二人には内緒なのではありませんか?」
「内容までは申しておりませんよ、デイビス殿。」
「なんだ、なんだ、サプライズだったのか?デイビス。」
「嬉しい事は黙ってなどおられません。」
ミセス・ブラウンの言い切りに、デイビスが両手を上げて降参すると、テヒョンとジョングクは笑い出した。

「我が家のファミリーはこんな感じだぞ、ジョングク。」
「ええ、よく存じ上げております。」
「チョン伯爵を公爵家のお婿様としてお迎えするのが楽しみでございますよ。」
ミセス・ブラウンはかなりはしゃいでいた。
「次回からミセス・ブラウンにはサプライズを知らせてはなりませんね、、」
デイビスが遠い目をして呟いた。
「女中頭の彼女に何も知らせずに計画すること自体が無理ではないか?」
「そうでございました、、、」
落胆するデイビスにテヒョンとジョングクはまた笑った。


【クリスマス】

クリスマスの晩餐会には、セオドラ卿も招待されていた。
晩餐会とはいっても、キム公爵家とチョン伯爵家の内輪だけの催しだった。
大広間のクリスマスツリーには沢山のオーナメントが、蝋燭の灯に照らされて輝いていた。その下ではやはり家族として招待されたパックスが興奮して走り回っている。
ツリーの下には皆がそれぞれ用意したプレゼントが並べられている。
「パックス、はしゃぎ過ぎてプレゼントの箱を壊すなよ。」
ジョングクが心配して声を掛けた。


いよいよディナーの時間になった。
食堂はテーブルクロスから燭台までが、趣向を凝らした装飾がされていた。
食堂には更に、宮殿の美術品として管理されていたクラブサンが持ち込まれ、モーツァルトに扮した奏者が曲を奏でている。全て18世紀のロココ調の古式ゆかしき調度品だ。
テヒョン達が席に着くと、給仕の者が一斉に食堂に入ってきた。
皆、左右にカールをあしらったカツラを被り、アビ・ア・ラ・フランセーズのフランス宮廷の正装をしていた。
数々の細かい演出に思わず拍手が上がった。

「これは面白い!フランスでは今でも時々社交界でロココ調の衣装で舞踏会をやったりするが、それがそのまま再現されているようだ。」
大公が感心した。
「よく衣装を揃えたな。」
テヒョンも驚いていた。
給仕達は恭しく料理を運んできた。
各々の席には宴席のメニューが置かれ、中を見ると、スープ、アントレ、ロー、アントルメ、デザートとコース料理が予定されていた。中でも大皿に乗ったサーモンの丸蒸し焼きは、レモンの輪切りやトマト、人参などの野菜類で幾何学的にデコレーションされ、二人掛かりで運ばれて来た。その奇抜さに皆が度肝を抜かれた。

それでも料理の味は今の時代に合わせて洗練されたものにアレンジされた。
「さすがシェフ!見ても味わってもとても素晴らしい。」
ジョングクはナイフとフォークが止まらない様子だ。
メインの料理が済むとシェフが食堂にやってきた。テヒョン達が拍手で迎える。
「皆様方如何でございましたでしょうか?」
「よくここまでブルボン王朝の宴を再現したな。」
大公が本当に驚いていた。

「フランスにおります宮廷料理人仲間から文献が送られて来まして、形は忠実に再現し、味の方は私の方でお召し上がりになりやすいよう現代風に致しました。」
「なるほど。さすが最後のフランス国王のお抱えシェフだったことはある。」
「大公殿下はご存知でいらっしゃると思いますが、フランスの料理界では今、ロココ回帰が流行しているということでしたので、私もクリスマスの宴を利用させて頂きました。」

「とても楽しめました、シェフ。」
「ジョングクは脇目も触れず料理に没頭していたものな。」
テヒョンの言葉で皆が笑った。
「それは嬉しゅうございます。」
「公爵家のシェフは味だけではなく、芸術面でもハイクラスでございますなぁ。宴に遊び心まで効かせるのはなかなか出来る事ではありませんからな。」
セオドラ卿の皿も息子に負けず劣らず綺麗になくなっていた。
「給仕の者たちも、よくヴェルサイユの作法を覚えたな。完璧だったぞ。」
「それをご存知でいらっしゃる大公子殿下も博学でいらっしゃいますな。」
セオドラ卿が感心した。

デザートが運ばれてからも宴の話で持ちきりだった。普段は静かな食堂に笑い声が絶え間なく響き渡る。オルブライトをはじめスミスやデイビスも満足気に見守っていた。
今回のクリスマスのメニューはこの宮殿で働く者達にも振る舞われた。
こうして公爵家のクリスマスの宴は終わった。

食事の後、一同が大広間に向かった。
クリスマスツリーの下に置かれたプレゼントの数々は、大公やテヒョン、ジョングク、セオドラ卿が各々用意したものだ。今年は婚約というめでたい慶事があったので、新しく親族として繋がる両家の親睦を兼ねて、プレゼントはランダムに渡される事になっていた。
誰が受け取っても喜ばれるという物を選ぶのはかえって難しい。それでもなんとかそれぞれの御用達の店に注文を出して用意されたのだった。

スミスがクジを用意して、それぞれのプレゼントに番号がふられた。
クジは紐に番号が書かれた玉が付いていて袋に入っている。袋から出ている紐の先端を選んで引くというやり方だ。
自身が用意した物を引いてしまわないように、スミスにだけ誰がどのプレゼントを用意したのか知らされた。引く人の番にはその人が用意したプレゼントだけを抜くのだ。

「では、セオドラ卿とジョングクが先にどうぞ。」
「私どもが先で宜しいので?」
テヒョンが手を広げて促した。
「ではジョングク、先に引かせて頂きなさい。」
「はい、ではお先に・・」
スミスがジョングクに、にこやかにクジが入った袋を差し出した。少し迷った指は一つの紐を引いた。
「クジはまだそのままお持ちになっていて下さいね。」
スミスは次にセオドラ卿に袋を向ける。
「父上、どうぞお次に。」
セオドラ卿が引いた後テヒョンは大公に順番を渡した。
「うん、では、、、」
そして一番最後にテヒョンが引いた。

「では皆様方、ご自身が引かれました番号のプレゼントをお持ち下さい。」
四人はそれぞれ選んだ番号の付いたプレゼントを持った。
それで、大公のプレゼントはジョングクが、セオドラ卿のプレゼントはテヒョンへ。そして、テヒョンのプレゼントはセオドラ卿へ、ジョングクのプレゼントは大公へとうまい具合に渡った。

一人づつその場で開封していく。
「おお!これは素晴らしい!」
セオドラ卿が感嘆の声を上げた。それは日本の蒔絵が施されたステーショナリーセットで、書簡箱に入っていたファウンテンペン(万年筆)にまで蒔絵が施されていた。
そしてテヒョンの元には、ステンドグラスのランプシェードが来た。17世紀からの製法に、新しいハンダ付けの技術を取り入れ芸術性を追求した作品で、トンボやアゲハ蝶のモチーフが施されている。
「立体的に模られた造形美に、見事に調和が取れた色合いだ。今夜からベッドサイドに置いて楽しみたい!」
テヒョンはジョングクをチラリと見て微笑む。大公とセオドラ卿が二人の目配せに気付いて笑った。

さて、大公がプレゼントの包みを開けてみた。
中には美しく組み合わさった寄木細工の箱が入っていて、取り出すと蓋を開けてみる。それはからくりが施されたオルゴールだった。
ボッケリーニのメヌエットに合わせて、季節の移り変わりを風物に模したからくりが、浮かんだり沈んだりして四季を表現する。
「随分と細かい細工がされたからくりだな。お、箱は小物入れにもなっているのだな。」
オルゴールの横に鍵付きの小物入れが付いていた。大公は気に入ったようで、何度もオルゴールを鳴らした。

最後にジョングクがプレゼントの包みを開封した。中を見ると長細い箱の下にもう一つ薄紙の包みがある。
先に薄紙の包みを取り出して開けた。そこにあったのは、ブライドルレザーで作られたポシェットだった。馬で出掛ける時などに使用しやすいものだ。
「わぁ!丁度新しいものを新調しようと思っておりましたので嬉しいです。」
ジョングクは革の肌触り等を感じながら、中を開けて容量を見たりした。
そして、もう一つの箱も開ける。
「腕時計ではありませんか!」
旅の友にはうってつけの装着感が気にならない重さ。

小さい枠の宇宙の中に、時を知らせる針だけではなく、朝と夜の区別がされた細かい細工が組み込まれ、チッチッチッチと繊細な音と共に歯車が回っていくのが見えた。フレームには細かい彫金が施された芸術品だった。
腕に時計をはめたジョングクは、『大事に使わせて頂きます。』と言って大事そうに時計を手で覆った。
大公もテヒョンもセオドラ卿もジョングクも、皆がそれぞれ受け取ったプレゼントに感慨深い思いを抱いていた。
貴族社会の形式を離れ、いつになく楽しい一時を味わったクリスマスの催しだった。そこに集う者達が皆気心が知れているからこそ出来たことだ。

泊まっていく事を勧められたセオドラ卿だったが、朝にはどうしても出掛けなければならない用事があると辞退した。テヒョンとジョングクが馬車留まで見送りに行く。セオドラ卿は貰ったプレゼントをお付きの者に持たせずに、大事そうに自身で持っていた。その代わりパックスをお付きの者が連れていた。
「久しぶりに楽しい時間が過ごせました。さぁもうお戻り下さいませ、お風邪を引いてしまいますぞ。」
「ええ、すぐ戻ります。
セオドラ卿、私達はもう身内になるのですから、いつでも遠慮なく遊びに来て下さい。」
セオドラ卿はテヒョンの言葉ににっこり笑って頷くと、ジョングクの肩を叩いて足早に馬車に乗り込んだ。

馬車がランプの火を揺らしながら走り出した。軽快な蹄の音と車輪の音が夜の宮殿に響いて進んで行く。
「父上に負けず劣らず、セオドラ卿も忙しいお方だな。」
「はい、、、。気を張っての日々が続いておりましたので、本日のご招待は父にとっては有り難いものであったはず。」
いつまでも馬車を見送るジョングクの頬に、テヒョンはそっと手のひらを当てた。
「もう冷たいな、、、」
その言葉を聞いて振り返る。笑顔を向けながらテヒョンの手を取ってそのまま唇を当てた。
「あなた様の手も冷たくなっておりますよ。」
「・・・温めてくれるか?」
ジョングクに向けられたテヒョンの瞳が甘く揺れていた。いじらしい姿に肩へ手を回す。
「はい、すべてお気に召すまま、、、」
ふふっと吐息のような声で笑うと、頭をジョングクの肩に預けた。


テヒョンはジョングクと一緒に寝室に戻ると、早速プレゼントのランプシェードに蝋燭をセットした。
「火は私が点けましょう。」
ジョングクが蝋燭に火を入れると、ゆっくりその上からランプシェードを被せた。
優しい色をまとった光が周りに拡散していく。
「美しいな・・・」
「本当に、、、」
ジョングクはそっとテヒョンを抱き上げると、そのままベッドの上に横たえた。

徐ろにテヒョンの上に覆いかぶさると、
「私が独り占めしているあなた様の《色》はもっと美しいのですよ、、」 
と囁いた。ジョングクの首に美しい両手が伸びて絡んた。もう何度も何度もお互いを求めていても、これでよしとなる事はなく、更に深く深くのめり込んでいくだけの二人だった。
ステンドグラスから照らされる色とりどりの光は、熱く重なり合う二人の影を妖艶に浮かび上がらせた。


大公の部屋では、遅くまでオルブライトとスミスを交えて話し込んでいた。
「結婚式は予定通り挙げられるでしょうか、、、」
スミスが不安げに訊いた。
「出来ることなら、そうさせてやりたいと思っている。」
大公が答える声は重かった。
「しかし、まだ決定したわけではいからテヒョン様には何も申すな。」
オルブライトがスミスに掛けた声も重い。
「はい、、、」
スミスは沈痛な面持ちで応えた。
「スミス、テヒョンとジョングクが一緒にいる時は、なるべく二人だけにさせてやれ。」
「はい!承知致しました。」

クリスマスを終え、冬本番を迎える最中に立ち込める暗雲・・・
幸せをかみしめているテヒョンとジョングク二人のそばまでそれが近付こうとしていた。


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