群青と真紅 77【遠距離恋愛】 | Yoっち☆楽しくグテを綴る♡

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テテとグクの Me Myself写真集にインスピレーションを得て【群青と真紅】をブログ内で執筆中です️



前回の物語
物語の続きが始まります✨✨✨



【ジョングクの愛犬】


昼食後、国王の私室で王族達との団欒を楽しんだニールとゲインズは、明日の帰郷に備えて宿に戻ることにした。
テヒョンとスミスは二人を見送る為、宮殿の馬車回しまで移動した。
「わざわざお見送りをして頂いてありがとうございます。陛下の私室にまでお誘い頂けて、大変光栄でございました。」
テヒョンは最後まで恐縮するニールを笑った。
「これからがお前の本領発揮だな。」
「はい。心して任務に励みます。」
「うん。これからはなかなか親子の時間も取りづらくなるだろう。宿に戻ったら今夜はゆっくり親子水入らずで過ごすことだな。」
ニールもゲインズも嬉しそうに笑った。
「色々とありがとうございました。殿下には感謝をしてもしきれません。」
テヒョンはそう言うゲインズの肩を叩いた。
ニールとゲインズは、揃ってお辞儀をすると宮殿を後にした。

「良い親子だな。」
テヒョンは二人の後ろ姿を見送りながら呟いた。
「そうでございますね、、、」
スミスも感慨深げに見ていた。それほど口数が多くはないニールとゲインズだったが、お互いを思いやり寄り添っているのが分かる。
「父上と私と同じ位の親子仲の良さだな。」
スミスはテヒョンの横顔を見て頷いた。
どんな形の親子であっても、血縁に引けを取ることはないのだと、テヒョンもスミスも改めて思った。


アフタヌーンティーを国王と一緒に過ごし、夕刻前に宮殿を後にした大公とテヒョンは帰りの馬車は一緒だった。
「テヒョン。」
「はい。」
「公爵としての大役、ご苦労だったな。」
「ありがとうございます父上。」
親子で向き合って乗っている馬車の中で、大公は父親としての労いの言葉を贈った。
「お前に早いうちから家督を継がせた事は、返って負担が大き過ぎたのではないかとずっと思っておった。」

大公はテヒョンが成人を迎えてすぐに、《キム公爵》の家督を譲った。その理由は王位継承権を担う者として、統治の実践経験を積ませる為だった。
ただ、その頃の大公は既にフランスに駐在していて、そばで指導や助言をしてやれない状況だった。
実質的な補佐はスミスに委ねられたのだが、なにしろ弱音というものを吐かない息子だけに、余計に心配をしていた。

しかし、フランスにもテヒョンの実績が高く評価されて届いていたし、身内の大公の耳に直接入るものだけでなく、外部を通しての評判も良いものばかりだった。
それでも完璧に近い仕事の進め方をするテヒョンに、無理をさせているのではないかと、息子を思う父親としての心配は尽きることはなかった。

「調印式で堂々とサインを書き入れていくお前の後ろ姿は、とても誇らしかったぞ。」
「ああ、こうして先代の《キム公爵》にお褒め頂いて有り難き幸せにございます。」
テヒョンが恭しくお辞儀をすると、大公と二人で笑い合った。
そばでその様子を微笑ましく見ていたスミスは、お互いを尊敬し合う親子の絆が更に深まっているように感じた。


キム公爵家とサンドリア侯爵家の調印式のニュースが載せられた新聞は、瞬く間に売れ切れた。
スコットランドに遠征中のジョングクの手元にも、その記事が載った新聞が届いた。
新聞の一面には、調印を終えて握手を交わすテヒョンとサンドリア侯爵の挿絵が描かれていた。ジョングクは調印式の様子が細かく書かれた記事を隅々まで読んだ。『テヒョン様、あなた様の凛々しいお姿が手に取るように分かります。』
毅然と公爵としての務めを果たしている愛しい人の姿が脳裏に浮かび、ジョングクは改めて自身の襟を正した。

その頃テヒョンは馬車でチョン伯爵家に向かっていた。


馬車が正門に着くと、窓を開けて門番に声を掛けた。
「やあ、通ってもいいか?」
「いらっしゃいませ、キム公爵。勿論でございます。どうぞお通り下さい。」
「うん、ありがとう。」
テヒョンはいつもの通り、取り次ぎ無しで通された。
馬車が門をくぐり敷地内を進んで行った。玄関に着くと御者が御者台を降りて扉の呼び鈴を引いた。

玄関の扉が開いて従僕が出て来た。
「これは!キム公爵。」
テヒョンの訪問に驚いてすぐさま馬車まで近付いて扉を開けた。
「また突然ですまないな。」
「何を仰られますか、さあどうぞお降り下さいませ。」
従僕はテヒョンの手を取って馬車から降りるのを手伝った。

玄関まで近づいて行くと、ハンスが現れた。
「いらっしゃいませ、キム公爵。」
「やぁ、今日は独りではないぞ。」
ハンスがゆっくりと外を見廻して、
「しかし、警護の姿ではなく御者にございますな。」
と言って首を横に振った。
テヒョンはペロリと舌を出した。王族らしからぬあまりの可愛らしい仕草に、ハンスの頬も緩む。『これはジョングク様がお心を奪われるのも無理はない。』
「困った王子様でございます。」
ハンスが大袈裟に言うと二人は笑った。
「さぁ、中へお入り下さいませ。」

「今日はセオドラ卿は留守にされているのか?」
「はい。残念ながら宮廷に行かれております。」
「そうか、約束無しで来ているのだから仕方ないな。それに今日はパックスに会いに来たのだ。」
「左様でございましたか。パックスはジョングク様がスコットランドに向かわれてから、すっかり大人しくなってしまいました。」
「そうなのか・・・」
テヒョンには大人しくなったパックスが想像出来ない。それほど寂しい思いをしているということか。
「どうぞ、ジョングク様のお部屋でお過ごし下さいませ。」
テヒョンはジョングクの部屋に通された。

「主人が留守なのにいいのか?」
「勿論でございますよ。テヒョン様のご案内は、いつでもこちらのお部屋へと申しつかっております。」
王族であるテヒョンは、高貴な身分である事で敬われる存在だが、主人であるジョングクが、親しくしさせてもらってい  るという理由だけでなく、チョン伯爵家の人達は皆が尊んで慕っていた。
こうして、主人が留守であっても訪ねて来てくれることで喜び、沢山おもてなしをしようとしてくれる。テヒョンはそれが感じられて、あたたかい気持ちになった。

部屋の中に入ると、整理整頓されたインテリアや生活用品などが、この部屋の主人の留守を強く印象づけた。
「じきにお飲み物をお持ち致します。その間にパックスをお連れ致しますのでしばらくお待ち下さい。」
ハンスが部屋を後にした。
それと入れ替わるように、女中が二人『失礼致します、』と入ってきて、茶器を持ってきた方が紅茶をカップに注ぎ、スイーツの支度を整えると、もう一人が暖炉の薪に火を入れた。一通り支度が整うと一礼をして静かに部屋を出た。

テーブルについて紅茶を飲む。『ジョングクのホットココアも飲みたいな。』と、居ないと分かっているのに、気持ちは余計に無い物ねだりのような事を思ってしまうようだ。
ふとベッドの枕元に、畳まれたガウンコートが置いてあるのが目に入る。
テヒョンと色違いでお揃いの、あのガウンコートだ。立ち上がってベッドまで行くと、それを手に取って広げた。
思わず胸に抱きしめるとほのかにジョングクの匂いがして、まだ離れて間もないというのに、テヒョンの胸が懐かしさに引き込まれた。

上着を脱いでガウンコートに袖を通した。そしてまたテーブルに戻って残りの紅茶を飲んでいた。
扉をノックする音が聞こえた。『はい、どうぞ。』と応えると扉が開いて、パックスを抱いたハンスと、おもちゃが入っている籠を持った飼育係が中に入ってきた。
「お待たせ致しました、、、」
ハンスが言い掛けた時、パッと顔を上げたパックスは、テヒョンに気付いた途端に腕の中から飛び出すと、一目散に駆けてきた。そしてキュンキュンと鳴きながらテヒョンの足元で飛び跳ねる。

「パックス、久しぶりだな。」
テヒョンは興奮冷めやらぬ仔犬を抱き上げた。
「わぁ、前よりも重たくなってるではないか。」
パックスは嬉しくてテヒョンの顔を舐めた。
「よし、よし、わかったよ。」
ハンスと飼育係は笑いながらその様子を見ていた。そして飼育係が、
「公爵、この仔のおもちゃがございますので、どうぞ沢山遊んであげて下さいませ。何かございましたらお呼び下さい。」
と言っておもちゃの籠を差し出して置いた。
「うん、分かった。」


「お寒うございますか?薪の火力を上げましょうか、、、」
ガウンコートを着ているテヒョンを見てハンスが訊ねた。
「いや、大丈夫。このガウンコートで丁度いい。」
ハンスがハッとして黙って頷いた。テヒョンがジョングクのガウンコートを着ている時点で、その心情を察するべきであったと反省したのだ。
テヒョンもジョングクも《婚姻》の話が出始めた最中に、離れ離れにならなければならなかった。だから人知れず寂しい思いをしていることであろうと想像はつく。

ハンスはテヒョンにじゃれついているパックスの頭を撫でる。
「沢山遊んでやって下さい。この仔がしょんぼりしている姿は、家の者達誰もが見るに耐えないものがございます。」
ハンスは静かに言った。この家でパワフルに遊んでやれるのは、ジョングクしかいないだろう。テヒョンは両手で優しくパックスの顔を包みこんだ。
「では我々はこれで失礼致します。」
ハンスとパックスの飼育係はジョングクの部屋を出て行った。

「パックス、何して遊ぶ?」
パックスはテヒョンの腕の中に鼻を突っ込んでいた。
「ん?お前の主人の匂いがするか?・・・寂しかったのだな、よしよし。」
ジョングクのガウンコートの残り香に、ピスピスと鼻を鳴らして懐かしがる様子に『僕と同じだな、、、』と呟いてパックスのおでこにキスをした。

テヒョンは床に座り込み、ボールを取って投げた。パックスが嬉しそうに追いかけて、口に咥えるとテヒョンの前まで持ってきた。
「いいぞ!パックス、賢いな。」
身体中を撫で回して大袈裟に褒めた。
それが気持ちよかったのか、パックスはひっくり返ってお腹を見せる。
テヒョンはよしよしと言いながら、覆い被さってマッサージをしてやった。
そうやって沢山構ってやっているうちに、いつの間にかテヒョンはパックスと一緒に眠ってしまっていた。

「・・・キム公爵、公爵、、」
ハンスに揺り起こされて目が覚める。
「あ、、、いつの間にか眠ってしまったのか、、、」
「絨毯の上に横たわっていらっしゃいましたから、お倒れになられたのかと驚きました。」
「それはすまぬな。」
テヒョンはまだ横になって眠気眼のまま、ハンスと顔を合わせてニヤリと笑った。
『本当に、なんて可愛らしいお方なのだろう。』大公子と公爵といった恐れ多い身分を持っていながら、誰をも魅了してしまう笑顔を併せ持つ人柄に、ハンスはいつも頬が緩んでしまう。

「さぁ、起き上がれますか。」
「ん、、、待ってくれ、ここにパックスが、、、」
見るとテヒョンを腕枕にしてスースーと眠り込んでいる。
「公爵の腕を枕に寝ているなど、なんとも贅沢な仔犬です。」
「はは、、可愛らしいな。普通であればちょっとした物音でも目が覚めるものなのに。」
テヒョンはこの仔が、毎日浅い眠りの中で、主人が帰ってくる時をずっと待っているのだなと思った。
「これからもお前に会いに来なければな。」
そう言って頭を撫でると、ようやく目を覚ました。

「エジンバラの離宮で、私の部屋に泊まったジョングクが、国王陛下や私より後に起きてきた事を思い出したぞ。パックスは主人にちゃんと似たのだな。」
テヒョンはケラケラと笑い出した。
「なんと!あちらでそんなことがおありだったのですね。」
ハンスは驚きながら笑い出した。
「本人は青ざめていたが、陛下も私もそんな事は気にしていなかった。陛下は特に自然体を好まれる方だから、それでジョングクには好印象を持ったようだ。」

そう言いながら、テヒョンはあの時自分がジョングクに抱いた印象を思い出していた。会った瞬間に何かを感じていたことを・・・
「そのような事がございましたか。私は同行しておりませんでしたから、何も知らず・・・」
ハンスの言葉にふっと我に返った。ついつい思い出の中に入り込んでしまっていた。


ブランチを食べた後、テヒョンは庭に出てパックスを散歩に連れて行く。
そこでもボールを投げて取りに行かせた。大喜びで追いかけて、咥えて持ってくる。
「いいぞ、パックス。ほらもう一度取っておいで!」
テヒョンも沢山一緒に走り回り、いい運動になった。
「パックスは速いな、、これではセオドラ卿もついてはいけまい。」
テヒョンは芝生に座ると、パックスを脚の上に乗せた。流石に走り過ぎたようで、ハッハッと息が上がり舌を出して呼吸をする。

「疲れたか、うん?」
テヒョンはパックスを抱きしめておでこにキスをすると、フワリとお陽さまの匂いを感じた。
「今日は楽しんでくれたか?」
まん丸の瞳で首を傾げながらテヒョンを真っ直ぐ見つめる。
「僕もお前のおかげで楽しい時間を過ごせたよ。」
仔犬と沢山戯れて、多少なりとも寂しさを紛らわす事が出来たようで、清々しい気持ちでいる事に気付いた。
テヒョンは空を見上げると遠いスコットランドに思いを馳せた。
ジョングクもきっと元気で職務に就いているはずだ。



【ジョングクからの手紙】


ジョングクがスコットランドに行ってから、1か月半が経とうとしていた。
テヒョンが執務室で仕事をしていると、デイビスがやってきた。
「殿下、スコットランドから私信が届いております。」
「スコットランドから?」
スコットランドと聞いて、テヒョンの声が弾む。封書を受け取るとすぐさま開封をした。
「それでは失礼致します。」
デイビスは微笑みながら一礼をして執務室を出た。
逸る気持ちを抑えながら便箋を開いた。窓辺に寄り掛かるようにして文字を追い始める。


親愛なるテヒョン様

早いものでもう1か月が経ちました。
お元気でいらっしゃいますか?
私はスコットランドに着いてからというもの、目まぐるしいスケジュールで動いております。
沢山の兵士達を統率する責任がございますからそれは当然の事ですが。
あなた様にお会い出来ない寂しさを紛らわせる事が出来て、この忙しさに正直助かっております。

そのような中で、用水路工事の調印式の記事が書かれた新聞が、私の手元に届きました。その時の様子が描かれた、挿絵がございましたが(あなた様には似ても似つかない物でしたが。)
ご領主であるキム公爵としての、威厳に満ちたお姿が私にははっきりと見えました。
もし、私がおそばで見守らせて頂いていたらきっと、感動で涙してしまうことでしょう。
この遠征地におりましても、あなた様の側近である私に、この度の調印式への祝辞を下士官や兵士達から貰います。
皆が注目する国家事業の先頭に、あなた様がいらっしゃる誇りを感じずにはいられません。

ああ、今こそこの腕の中にあなた様を包み込んでしまいたい。
柔らかい髪、吸い込まれてしまいそうな深い瞳、筋の通った威厳ある鼻、意思を持った月の上弦と下弦を思わせる唇、誰をも虜にしてしまう笑顔、、、そして、
しなやかなお身体に通う血潮の温かさは、こんなに離れていても私の胸の中に感じられます。
私の意思が強くいられるのはあなた様の存在のおかげです。

私の大切なお方、、、
あなた様にお伝えしたい事がございます。
お会いできる日が楽しみです。

益々寒くなって参ります。どうかお元気でご自愛下さいませ。

沢山の口づけを贈ります。

あなた様のジョングクより


テヒョンは便箋を胸に当て目を閉じた。
「だから、、手紙じゃ口づけすら出来ないって言ったのに、、、」
そう言ってもう一度愛おしそうに便箋を眺めていたが、末尾に書かれたジョングクのサインに口づけた。

姿は見えなくても文面からは勇ましく
『弾込めー!撃てー!』と声を張って指揮を取っている様子が見て取れた。
部下である兵士達とも信頼関係はしっかり結べているのだろう。ジョングクの筆跡は以前の滑らかな文字と違って、堂々として勢いがついた文字が書かれていたので、そこに自信のようなものが感じられた。
テヒョンは窓から空を眺めて、スコットランドへと続くこの先の向こうに想いを馳せた。



久しぶりの休みを過ごしていた大公の元に、セオドラ卿からの私信が届いた。
「フィリップ様、チョン伯爵家より私信が届いております。」
「うん。」
「では、お茶をお持ち致します。」
オルブライトが部屋を出た。
机上で送られてきた書面に目を通す。
ひとつ、ふたつ頷くと立ち上がり窓辺に向かう。

しばらくしてオルブライトが戻ってきた。
「戻り直ぐですまぬが、テヒョンを呼んでくれるか。」
「はい、かしこまりました。」
オルブライトが再び部屋を出ると、茶器が2客用意れている事に気が付いた。
『さすが、我が側近だな。ちゃんと察しがついておるわ。』大公は満足そうに笑った。


「殿下、大公殿下がお呼びでございます。私室に来られるようにとの事にございます。」
デイビスがオルブライトからの言付かりを伝えに来た。
「分かった、すぐ参ろう。」
テヒョンは執務室を出ると、大公の部屋へ向かった。


「テヒョンか?入りなさい。」
部屋では大公が紅茶を飲みながら、テヒョンを待っていた。
椅子に座るように促すと、大公自らが紅茶を淹れようと立ち上がった。
「あ、父上、自分でやります。」
「たまには父が淹れる紅茶もよいであろう?まぁ、座りなさい。」
「ありがとうございます。」
「実際に用意をしたのはシェフだがな。」
大公がウィンクをしてそう言うと、親子で笑った。

テヒョンの前にティーカップが置かれると、『いただきます。』と言って一口飲んだ。大公はそれを見届けると話を始めた。
「先程、チョン伯爵家から私信が届いた。」
チョン伯爵家と聞いて、テヒョンはカップをソーサーに戻した。
「お前とジョングクの婚姻について、セオドラ卿に《同士婚》の意向を訊いておったのだ。」
「はい。」
「今現在、ジョングクには許嫁もいないので、公爵家との縁組に何も憂慮するものはないそうだ。
更には公爵家からの縁組の申し入れは、この上ない誉だと申しておるぞ。
それに、二人は既に心を通わせているようだから、後は本人達次第だと。」
テヒョンは無言で大公を見つめるとにこりと笑った。

幸せそうな笑顔のテヒョンに、大公も頬が緩む。
「セオドラ卿は、お前達二人は運命だと言っておった。私もずっとそう思っていた。兄上が命懸けでお前を授けて下さったのは、実はもっと深い意義があるのではないかと思わされる。」
「父上・・・」
「お前達が《伴侶》となって何か新しい時代を築き上げていくのかもしれぬな。」
テヒョンはまた大公の目を見つめた。
息子の、この優しい眼差しだが眼光鋭い視線に、それは本当に訪れるのかもしれないとそう思う大公だった。

「さぁ!両家の親の承諾は出たのだから、後はお前とジョングクに任せたぞ。」
「ありがとうございます、父上。」
テヒョンは立ち上がって深々と頭を下げた。


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