毎日毎日暑くて大変ですね🥵
皆さんお元気で過ごされてますか❓
まだまだ猛暑は続くようなので、体調管理に気をつけて、楽しみにしているテテのソロアルバムを待ちましょう😊
前回の物語
本文注記
【燕尾服】
テヒョンが生きる19世紀頃の燕尾服
Me myself のテテの姿も素敵です
後ろが燕の尾のように長く、前は腰までの短いデザインのコートになっています
【ウェストコート】
上のテテの衣装を見て頂くと、燕尾服のコートの下に、着ている水色の着衣がありますよね😊
これがウェストコート(ベスト)です
Me myself のテテのウェストコートはダブルになってます【サッシュ】
サッシュは、主に儀礼的な場面で身体に着用するリボンや帯の一種。大きくて色鮮やかな布で、肩から反対側の腰へ斜めにかけて、あるいはベルトのように腰に巻いて着用される
物語の続きが始まります✨✨✨
【大公帰還の日のキム公爵家】
この日のキム公爵家は、朝から慌ただしく使用人達が宮殿内を行き交っていた
テヒョンもいつもより早く起床し、早目の朝食を食堂でとっていた
キム公爵家の住まいであるこの宮殿で、今夜は大公の帰還を祝っての晩餐会が催される
首相夫妻、外務大臣夫妻、陸軍元帥夫妻、海軍元帥夫妻といった、国王以外の国家要人が招待客として招かれる
(テヒョンの側近であるジョングクと、その父セオドラ卿も含まれる)
大広間では、3日前から使用人達が総出で、その準備がなされていた
スミスが総じて指令を出しているので、あちらこちらから声が掛かり、忙しく動いていた。テヒョンでさえスミスが今どこで、何をしているのかさっぱり分からなかった
仕舞には、あまりにもスミスがつかまらない為に、女中たちがテヒョンにお伺いを立てて来るようになった
「殿下、このポンパドールピンクの花瓶の花は、どちらに飾ったら宜しいのでしょう」
「それはご婦人用の控え室に置く花ではないか?」
「ああ、はい、そうでございました!ありがとうございます」
女中は花瓶を持って、婦人客の控え室として用意されている部屋へ向かって行った
『おい、おい、大丈夫なのか?』テヒョンは思わず呟いた。そして食堂を出ると、宮殿内を歩きながら晩餐会に関連した準備に勤しむ女中達や、下僕達、従僕達の様子を見て回った
テヒョンがしばらく宮殿内を見て回っていると、デイビスを見つけた
「デイビス!スミスは今どこにおるか分かるか?」
「殿下、申し訳ありません。何か不都合がございましたか?私で宜しければ、ご用をお申し付け下さい」
「そうではない。指令を出すスミスが見つからないから、右往左往している者が出ておるぞ」
「これは申し訳ございません」
「スミスやお前が動くのではなく、宮殿内の要所に二手に分かれて、動かぬことだ。何かあれば皆がスミスやお前の所に行くようにするのだ
よいか、お前は一階の大広間におれ。スミスには晩餐会会場におるよう、今から探して申してくる」
「はい、かしこまりました」
「女中頭のミセス・ブラウンを見つけたら、彼女にもそう伝えるように。私が会えたら直接伝えよう。お前がスミスを見つけたら、今申したことを伝えよ」
「はい。殿下、ありがとうございます。仰せのように致します」
テヒョンがデイビスにそう指示を出すと、急ぎ晩餐会が行われる部屋へ向かった
すると、すぐに途中でスミスと出くわした
「スミス!今デイビスにも指示を出して来たのだが、スミスは晩餐会会場から動くな。使用人達が指示をもらいたくても、居場所が分からずに右往左往している者がおる。いいか、動かずに指示をもらいに来させるのだ。そして進捗状況をチェックして、新たに指示を出せば良い。デイビスは大広間に待機させておる」
「かしごまりました。仰せの通りに致します」
「うん。ああ、そうだ、ミセス・ブラウンがどこにおるか知らぬか?」
「彼女でしたら今は厨房におります」
「分かった。では頼むぞ」
テヒョンはスミスにも指示を出し、厨房にいるミセス・ブラウンの所まで行くと、スミスとデイビスに指示を出した内容を伝え、更に
「ミセス・ブラウン、あなたは作業をしている者達のチェックを頼みます。作業を見て回り、何かあればそこで指示を出して下さい。あなたが分からない事は、スミスかデイビスの所に行かせて、直接指示を貰うようにさせて下さい」
と言って、中継役をするよう指示を出した
「かしこまりました。申し訳ありませんテヒョン様。わざわざご足労させてしまいまして・・・」
「いや、我が家の晩餐会も久しぶりだし、新しい女中や下僕も増えただろう?流石のスミスやミセス・ブラウンでも統制は難しかったと思う」
「恐れ入ります。しかし、テヒョン様の助言のお陰で統制が取れるようになります」
ミセス・ブラウンは安堵した様子だった
テヒョンの言う通り、キム公爵家の使用人として、新たに採用された人員が沢山いたため、教育をしながらの晩餐会の準備はかなり大変だったようだ
テヒョンは人員が増えたことは承知のことだったが、詳しくは分からない
そもそも下積みの時期の新しい使用人達が当主に会えるなど、まず有り得なかった
厳しい礼儀作法や仕事の段取り、その他公爵家のしきたりを習得しない限り、直接お目にかかる事も、お世話をする事も出来ないのだ
午後に入り
その後は特に大きな問題が起きることもなく、着々と準備が進められた
テヒョンが自分の部屋で待機をしていると、スミスがデイビスと共にテヒョンの昼食を持って部屋にやってきた
「お待たせ致しました、テヒョン様」
「二人共ご苦労だったな。準備の方はどうだ?」
「滞りなく、全て完了致しました。あとはお客様と、主役でいらっしゃる大公殿下をお待ち申し上げるだけになっております」
「そうか、分かった」
テヒョンは晩餐会の用意で忙しい厨房を気遣って、簡素なメニューを注文していた。しかし、シェフ達はいつも通りのメニューをと、申し出を断ったのだが、テヒョンが晩餐会の料理を楽しみにしているからこそ、、、と説得して、手軽に食べられるサンドウィッチに落ち着いたというわけだった
それでも、とても簡素などとはいえない、手の込んだサンドウィッチが運ばれた。そこにはキム公爵家のシェフであるというプライドと、当主であるテヒョンへの敬う気持ちが現れていた
夕刻になり、スミスがテヒョンの晩餐会用の正装への着替えの為に、デイビスを伴ってやって来た
「では、テヒョン様そろそろお着替えをお願い致します」
スミスがそう言うと、晩餐会用の正装衣装を一式デイビスに渡した。
デイビスは1つずつ丁寧に、テヒョンの着替えを手伝った
テヒョンが着る正装は、光沢のある深い紺色の燕尾服だった
白くピンと立ち上がった襟付きのシャツに、クラバットが結ばれ、生成色のシルク生地のウェストコートには、生地と同じ色の糸で刺繍が施されていた。
デイビスは最後の燕尾服を両手で持ち、テヒョンの背中に回ると、テヒョンが袖に腕を通して、着替えは全て終わった
すると、次にスミスがビロード生地と、金糸で刺繍がされた勲章ケースをテヒョンの前まで持ってきた
ケースの中から公爵の証である勲章を取り出し、テヒョンの燕尾服の左胸に飾った。そして、更にその隣に王位継承権を有する王族の証である勲章も飾られた
これらは、テヒョンが公爵の家督を継いだ時に、宮廷で国王から叙勲されたものだ
「殿下の正装されたお姿は、いつ見ても威厳に満ち溢れておいでですね」
デイビスが感嘆して言う
「テヒョン様はどのような装いをされても、高貴な雰囲気が滲み出てしまいますからね」
スミスとデイビスがテヒョンの正装姿を見て賞賛した
着替えが一段落ついた所で、スミスが大公の状況について話す
「テヒョン様、先程使者が参りまして、大公殿下が乗船されている艦艇のご到着が、最終報告にある時刻より遅れたようでございます」
「では、父上のこちらへの到着は遅れるのだな」
「はい。ご到着後暫くお休みを取られ、今は宮廷へ向かわれているそうでございます。国王陛下にご帰還のご報告をされましたら、こちらに向かわれます」
「そうか、艦艇の到着が遅れた以外は問題なく、父上はお元気に予定をこなされていらっしゃるということだな」
「はい、さようにございます」
テヒョンは、もう既にジョングクが父を出迎えて対面し、今は同行しているのだと確認した
【大公とジョングク】
テヒョンの父である大公は、国王からの帰国命令が出てから、引き継ぎや、残務整理の為に、暫くフランスに留まっていたが、やっとフランスを出る目処がついた。使者が本国に帰国の日程を報せるため、先に港を出た。
大公は一緒に駐在していた執事のオルブライトと、ロンドン港に到着する予定となっている。天候によるドーバー海峡の荒れなどで、出航が見送られたりしたが、英海軍の艦艇にてカレー港を出て、帰国の途につくことになった
ジョングクは執事のハンスと共に、ロンドン港の宿泊施設に泊まり、大公の帰還を待っていた
そして予定より遅れてはいたものの、間もなく艦艇が港に着港する知らせを受ける。ジョングクは儀礼用の正装軍服に着替え、右肩からサッシュを掛ける。
左胸には陸軍大佐の勲章と伯爵章を着けた
「ジョングク様、いよいよ大公殿下のお出迎えが出来ますね」
ハンスが少し興奮気味に話し掛けた
「ご無事で帰還されることで、ひとまず安心した」
手袋をしながらジョングクが応える
「キム公爵のお父上との初めてのお目見えでございます。緊張なさっていらっしゃいますか?」
「緊張しないわけがなかろう」
ジョングクが苦笑いをした
「大丈夫でございますよ。私は昔お会いしたことがございますが、とても気さくでお優しい方でございます」
「テヒョン様もそう仰っていた」
ジョングクはそう言って、深く息を吐く
「チョン伯爵、間もなく大公殿下ご乗船の艦艇が、港に着港致します。どうぞお出迎えの場所へご移動願います」
海軍の兵長がジョングクを迎えに来た
「では行ってくる」
「行ってらっしゃいませ」
ハンスが頭を下げながらジョングクを見送った
港にはテントが張られ、椅子がいくつか用意されていた。そこにジョングクは案内された
ジョングクが席に着くと、外務大臣がジョングクに会釈をして隣に座った。
暫くすると、汽笛が長く鳴り始める
大公を乗せた艦艇が、周りを何艘もの艦艇に護衛されながら港に着港した
港に待機していた海軍兵士達が揃って起立して並び、大公が下船されるのを待った
ジョングクは外務大臣と共に、下船口の階段前まで進む
そして海軍元帥が艦艇の中に入り、大公を迎える
数分後に大公が艦艇の外に姿を現した
下船口の階段を一つ一つ降りてくると、真っ直ぐジョングクの方へ笑顔で歩いて来た
ジョングクと外務大臣が揃って頭を下げて迎える
「お出迎えありがとう。君が私の愛する息子、テヒョンの側近のチョン伯爵か?」
「はい。大公殿下、ご帰還お待ち申し上げておりました」
大公は満面の笑みでジョングクと握手を交わした。ジョングクは、ここでようやく緊張の糸が解れた
大公は外務大臣とも挨拶を交わすと、またジョングクの方へ向き直る
ジョングクは、大公を休ませる為に、宿泊施設の部屋まで案内した
「大公殿下、こちらでお休み下さいませ。出立は1時間後を予定しております。今、お飲み物をお持ち致します」
「うん、ありがとう。では少し休ませてもらうよ」
「はい、短い時間ではございますが、どうぞごゆるりとお休み下さいませ」
ジョングクは部屋の扉を閉めると、宮廷から派遣された宮廷職員に飲み物を大公に届けるよう指示を出した
ジョングクは大公が休んでいる間、自身の部屋で待機をした
そして1時間が経とうとした頃、宮廷から用意された馬車が、出立の準備を整えたとの連絡が入った
「ハンス、では私は大公殿下と宮廷へご同行してくる」
「はい、いってらっしゃいませ。私はキム公爵家へ先に向かいまして、お待ち致しております」
ジョングクは頷いて部屋を出た
大公の部屋へ行くと、大公は既に準備を整えていて、ジョングクを待っていた
「大公殿下、それではこれから宮廷へご案内させて頂きます」
「よろしくな。では参ろうか」
海軍兵士が敬礼をして見守る中、大公とジョングクは馬車に乗り込んだ
馬車はゆっくり走り出す
ハンスは大公と一緒に帰国した、執事のオルブライトと共にキム公爵家へ向かった
大公がキム公爵家に無事に到着するまで、執事のオルブライトと、チョン伯爵家のハンスは、公爵家の宮殿の正門近くにある控えの館で、待機することになる
宮廷に向かう馬車の中で、大公がジョングクに話しかける
「テヒョンは落馬で怪我をしたと聞いているが、今は元気にしているか?」
「はい。ご快気されてお元気でいらっしゃいます」
「そうか、それなら安心だ」
大公はそう言って、ジョングクに笑い掛けた
ジョングクは大公の笑顔に癒やされる思いだった。それはテヒョンの笑顔が大公によく似ているからだと気付く
その後も車内は大公とジョングクの和やかな会話が続いた。初対面でありながら、気さくに話をしてくる大公に、ジョングクは親近感を覚えた
そして話が弾む中、馬車はいつの間にか国王が待つ宮殿へと入っていった
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