群青と真紅⑫【友として】 | Yoっち☆楽しくグテを綴る♡

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アラフィフの生活や周辺で起きたことを書いています☆
そしてときどき
終活のガイドをさせていただきます

現在、BTSの底なし沼にハマり浸かっております
ガチガチのグテペンです
現在、テヒョンとジョングクをモデルに小説を執筆中☆

おはようございます☆(この時まだ13日😅)

今日は定期的な終活関連の用事で出掛けています
まだ時間が早いので、タリーズでクロックムッシュ(噛った後でごめんね💦)と珈琲を頂きながら、これを書いてます😊
なんか月曜の朝から優雅ごっこよね🤣

雨が降ってきたのか、外では
傘が開いてますよ☔
雨といえばテテですよね😊✨
誰もがテテと相合い傘したいよね💕

☔雨で距離が縮むってありますよね

そんなお話が降ってきましたよ☔


🌸お話に入る前に🌸
聞き慣れない言葉がたまにストーリー中に入りますが、今回はガゼボについて説明します
ガゼボとはイメージはこんな感じ

テテの VLog で出てきたこれですよ👇日本では東屋(あずまや)になるのかな

いつもきちんと説明が出来てなくてごめんなさいね🙏💦皆さんご自身で検索して調べて下さってるようで、ホント手間かけさせてしまってます😭←そこに甘えてる私

前回のお話


では物語に入ります✨✨加筆&修正済


【ガゼボの二人】

この⑫章からはキム公爵をテヒョン
チョン伯爵はジョングクと呼称します

晴れていた天気がいつの間にか重たい灰色の雲に覆われて、ポツポツと雨が降り出してきた
テヒョンとジョングクは急いで馬を茂みのある木々の下に避難させ、二人は庭園の一角にあるガゼボに向かって走った
走りながらパラパラと雨が二人の髪や顔や肩に落ちてくる
二人がガゼボの屋根の下に入った途端に雨は本降りになってきた
「ふぅ〜・・間一髪だったな。」
「テヒョン・・様、大丈夫、、、でしたか?」
「・・うん。そんなに濡れなかったしな」
テヒョンは走って乱れた髪をかき上げながら答え、ジョングクを見ると
「ジョングク、僕を兄と思えばいいんだ。気兼ねなんかするな」
と笑いながら言った
そうは言われても身分の序列に慣れてしまっていて、なかなか普通に話すことが出来ないジョングクだった
更に気恥ずかしさも感じてうまくいかないようだった
テヒョンはそんな様子のジョングクを微笑ましく見ていた

「雨が落ち着くまで、しばらく待たなきゃならないな。そのうち誰か来るだろう」
テヒョンは馬場で馬丁にポロの馬を預けながら庭園に向かうことを伝えていたので、従僕の誰かには伝わっているはずだった

二人はしばらくここで一休みすることにした

雨は相変わらず止まず、風が吹くと冷たさが身にしみる
「ジョングク、もっとそばに来ないか。寒いだろ」
ガゼボの長いベンチになんとなく離れて座っていた二人だが、テヒョンが手招きをしてジョングクにそばに来るように促した
「あ、ではそちらに行きます」
ジョングクが横伝いにずれながら、テヒョンの隣まで寄っていき、そして隣に座った
すると、更にテヒョンが自分の体をピッタリとジョングクの方へ寄せた
「ほら、この方が温かいだろ」
そう言ってテヒョンはジョングクの背中に手をまわし、体をさすった
ジョングクも『失礼いたします・・』と言いながらおずおずと、テヒョンの背中に手をまわすと優しく擦る
テヒョンがそこでケラケラ笑った
「ホントに生真面目だな、ジョングク」
「は、、いや、、すみません」
「なんで謝るんだよ。僕は君のそういう所が、、好きだし気に入ってるんだ」
テヒョンは言いながらテーブルに腕を預けて、頬杖をつきながらジョングクの顔を見た
ジョングクは視線を感じてチラリとテヒョンの方を見る
そしてなぜか笑いが込み上げた
「なんだよ、急に笑いだして」
「すみません、、テヒョン様が、、あまりにも可愛らしくて。クールなイメージとは違う一面もおありなので、、」
そう言われて、今度はテヒョンが照れ笑いをした
「・・照れるだろ〜。君だからこそなんだぞ」
「はい、嬉しいです。信頼して頂いていると感じております」
そう言いながらジョングクはテヒョンが見た目のイメージよりも、人懐こい可愛らしい人柄であることを実感した

しばらく二人が雨の寒さに耐えていると園内用の馬車がやってくるのが見えた
そしてガゼボの所まで来ると、中からスミスが降りてきた
スミスは籐のかごとブランケットを持って足早にガゼボの中に入った
「お待たせ致しました!テヒョン様、チョン伯爵。さ、これを」
言いながらスミスは、ブランケットをテヒョンとジョングクの肩に掛けた
「アーサーとアルミラージはこの先の茂みに繋いでいる」
テヒョンがスミスに言うと、スミスは直ぐに御者の隣に座っていた馬丁に伝えた。馬丁は馬用の雨具を持って茂みの方へ向かう

「馬車に乗られる前にホットミルクで暖まって下さいませ」
スミスは籐のかごから温めたマグを取り出して、ホットミルクを注ぐと二人に手渡した
「ありがとう」
「頂きます」
テヒョンとジョングク二人揃ってマグを両手で包み込んで、ホットミルクを口にした
ホットミルクがジワジワと体の中を温めていく。そしてようやく落ち着くとテヒョンとジョングクは馬車に乗り込み、宮殿へと向かって行った


【友人同士】

宮殿の館内ではテヒョンとジョングクの為に入浴の準備がされていた
二人はそれぞれの浴室で体を温めると、食堂へ通された
既に日は暮れていて、丁度夕食の時間になっていたのだ

キム家の食堂は食堂とはいえ、宮殿としてしつらえているので、部屋自体が大きい
壁にはタペストリーの他、歴代のキム公爵家の人々の肖像画が飾られている
そして、丁度部屋の中心部になる所に長方形の大テーブルが置かれていたが、国王の晩餐会にそのまま使えるような様式のものだった

今回のテヒョンとジョングクの食事は二人だけだったので、上座に向かい合って食器が準備がされていた

「誰かと家で食事をするのは久しぶりだな。僕の父は長くフランスにいるし、母は既に亡くなっていて、兄弟もいないからね」
席についてナフキンを広げながらテヒョンがそう話した
「そうでしたか」
「だから気兼ねなく過ごしていってくれ」
「ありがとうございます」
ジョングクはこの広い宮殿内の大テーブルで毎日独りで食事をしているテヒョンを想像した
ジョングクも母を既に亡くしており、兄弟もいなかったが、父がいつも一緒だったので全く一人になることはなかった

しかし、テヒョンは広い宮殿に暮らしているせいで、余計に独りが実感させられてしまうことに、ジョングクの胸がキュッと締め付けられた

食事をする者より、給仕をする者の方が多くて、ジョングクはなんだか居た堪れない気がした

夕食の後、テヒョンの希望でジョングクの為に用意された部屋で二人で過ごすことになった
ベッドルームにもう1台ベッドが用意され  る
寝具の準備や夜食の準備が終わると仕える者はみな部屋を出た
二人で心置きなく過ごす為に、自分達で何もかもやることにして、従僕達を先に休ませてやることにしたのだ

「テヒョン様にはまたお世話になってしまうことになりました」
「気にするな。逆に僕が君の部屋に押しかける事になって、迷惑ではないか?」
「とんでもありません。テヒョン様と一緒にいると時間を忘れる位楽しいです」
「そうか。ならよかった」
テヒョンは安心してニコニコしながらこたえた

「ワイン、飲む?」
テヒョンが用意されたワインのボトルを掴むと、ジョングクに聞いた
「テヒョン様、私が致します」
ジョングクがテヒョンからワインボトルを受け取って開栓を申し出た
「じゃ頼むよ。」
テヒョンはジョングクに任せて、夜食のカナッペを取って食べた

ジョングクがソムリエナイフを掴んでスクリューをコルクに差し込もうとした時、手が滑ってボトルを掴む指にスクリューが強く当たった
「あっ!」
その声にテヒョンが気付き、血が出ているジョングクの指を見て咄嗟に手を伸ばした
「いけない!」
ジョングクが慌てて伸びてきたテヒョンの手を掴んだ
それと同時にソムリエナイフが床に落ちた
二人は一瞬ソムリエナイフに視線を落とすが、直ぐにお互いを見た

ジョングクが血相を変えて、真剣な顔で傷を負った手に触れることを阻止したことにテヒョンは驚いた
また、阻止をされたことに少し寂しさのようなものも感じていた

ジョングクは思わず強く掴んでしまったテヒョンの手に気付いて慌てて離した
「私としたことが、、も、申し訳ありません、、」
しかしテヒョンは直ぐにジョングクのその手首を掴み返してきてこう言った
「手当が必要だろ?」
ジョングクは手首を掴み返されたことに驚いた
「いえ、、大丈夫です深い傷ではありませんから、血はすぐに止まります」
そう言うと傷口に唇を当てた
しばらく唇を当てたままにしていたが、そっと傷口から離すとジョングクの言う通り、傷口からの出血は止まった

驚きと不安げなテヒョンの顔色を見て、ジョングクはふっと笑みを浮かべてみせた
そして
「ご心配ならずとも、もう大丈夫ですよ」
と優しく言うと、ジョングクは手首を掴まれたままテヒョンの頬に手を伸ばし、優しく包むように触れた
その瞬間、テヒョンは思わず視線を伏せた
が、掴んでいたジョングクの手首から自分の手を離すと、ゆっくりと顔をあげて寂しげな瞳をジョングクに向けた
その表情を見てジョングクはハッとしてテヒョンの頬から手を離した
そしてなぜだか、大胆にも思わず頬に触れてしまった事に動揺した

テヒョンは動揺しているジョングクを見ていたが、フーっと深く息を吐くと
「ワインは僕が開けるよ」
と言ってジョングクの持っていたワインボトルを取った
そのひと言と一緒にテヒョンの表情はいつもの顔に戻っていた

ジョングクは落としたソムリエナイフを拾うと、スクリューの先を拭き取ってテヒョンに渡した

その後二人は敢えて何も言わず、何も聞かず何事もなかったかのようにワインと夜食を共に遅くまで語り明かした

アルコールも手伝って、二人は眠気に勝てずにそれぞれのベッドに入る

だけれど、お互いにすぐには寝付けなかった
テヒョンはジョングクの真剣な眼差しを思い出し、彼の心の奥深くに何があるのか気になっていた
ジョングクの方はテヒョンが時折見せる寂しげな瞳が気になっていた
そして、先程心配して差し伸べてくれた手を手荒に阻止してしまった事に申し訳なさを感じた


友人同士になるということは、こんなにも心揺さぶられるものであっただろうか・・・・?

テヒョンとジョングクはこの時、お互い同じようにそう思っていた



※ ガゼボの画像とテテの画像はお借りしたものです