ここで話は少し変わりますが、GDPを増やすためには、人々がモノを買うこと、つまり消費が増えることが不可欠です。

入ってきたお金を貯蓄せず、すぐに使ってしまう人が多ければ、世の中の消費は増えます。

人々がそれぞれ稼いだ収入の多くを使ったとしても、社会全体の貯蓄は変わらないどころか、増える可能性すらあるのが経済の面白いところです。

社会全体の貯蓄が増えれば、一人当たりの貯蓄が増えるということです。

逆に人々が倹約し、お金を使うことを控えると、逆に社会全体の貯蓄量は下がり、個人の貯蓄量も減る可能性があります。

なぜ、このような不思議なことが起きるかというと、人々があまり貯蓄しないで消費した方が、景気が良くなって収入が増えるのに対して、人々が消費しないで貯蓄ばかりしていると、景気が悪くなり、収入が減ってしまうからです。

これを経済学では「合成の誤謬(ごびゅう)」と言います。

個人としては正しいことであっても、社会全体では不都合が生じてしまうことを意味します。逆に、たくさん消費することでGDPを増やすことができるのです。

では、消費を増やすためにはどうしたら良いのでしょうか?

消費増税というのは、モノの値段を上げるか、企業の収益を圧迫し賃金が下がるということを通じ、国内の消費を減少させます。

短期的に最も効果のある景気対策は「消費増税撤廃」だと言えます。




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安倍首相は今月の10日閣僚懇談会で麻生財務大臣と甘利経済再生大臣に消費増税による景気悪化を防ぐための景気対策の指針をまとめるように指示を出しました。

11日の産経新聞朝刊によると、今年度内に取りまとめられる補正予算は、低所得者に対して消費税率が平成27年度10月に税率が10%に上がるまで「一人当たり一万円」の現金支給する案を軸にして調整に入ったそうです。

また、12日の読売新聞の朝刊には消費税増税分である3%のうち約2.5%分に相当する5兆円規模の経済対策を実施する考えを示したとあります。

しかし、安倍首相の消費増税と景気対策のセットは間違っています。

増税は財政再建のために行うのでしょうが、財政再建と景気回復は同時には行うことはできません。車のアクセルとブレーキを同時に踏んでいるようなものです。

本来の目的は景気回復、車のスピードを上げることです。しかし、アクセルとブレーキを同時に踏んだらどうなるでしょうか?

当然、スピードは出ないですし、下手すれば車は壊れるでしょう。景気回復のためにはブレーキを踏まないこと、つまり、消費増税の撤廃こそが重要です。

アベノミクスは基本的に正しいので、増税さえしなければGDPは増加し、税収も増え、財政再建は実現できるのです。




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カネボウ化粧品の美白化粧品により、肌がまだらに白くなる「白斑」被害が出ている。この問題に関して、弁護士などの外部有識者が第三者調査結果を11日に公表した。

調査結果によると、2011年10月に白斑被害を訴える最初の問い合わせがあった。2012年9月には、大学病院の診断で製品が白斑を引き起こす可能性が指摘される。ほかにも、白斑被害を報告する問い合わせが何件も入っていた。それにも関わらず、カネボウが自主回収に踏み切ったのは2013年7月になってからであった。

対応が遅れた背景は、問題が無視されていたこと。些細な情報としてクレームが担当者に報告されなかったケースや、「白斑は製品とは無関係の病気だ」との認識で問題が放置されるケースが頻発していた。同調査を行った弁護士の中込秀樹氏は11日の会見で「事なかれ主義で(問題を)放置した」と事件の原因を指摘した。

結果として、白斑の被害者は1日の時点で9959人に上った。製品回収費用が膨らんだ上に、ブランド価値が落ち、カネボウの売り上げは2割ほど落ち込んだという。さらに、今後の訴訟等で多額の慰謝料が請求される可能性もある。

経営陣は、もっと早く問題を認識すべきであった。ナポレオンも「悪い報告から先にはじめよ。良い報告は明日でよい」と部下に指導していたというが、危機に関する情報を集める平時の努力が必要だった。
優良企業ほど、悪い情報をいかに洩らさずに集め、迅速に対応するかに心を砕いている。

例えば、coco壱番屋の宗次徳二社長は、毎朝4時に起き、全国各地から寄せられる「お客様アンケート」を何百通も読んでいたという。顧客のニーズをつかむだけでなく、顧客の苦情が「些細な問題」と判断され、トップに上がってこないという事態を防ぐための努力をしているわけだ。

また、都合の悪い事態への迅速で潔い対応も求められる。2005年に松下電器のFF式石油ストーブ死亡事故を起こした際の対応は今も評価が高い。死亡者への補償のみをするという判断もありえたなか、テレビCMに大々的な広告を打ち、事故商品に関するお詫びと回収のお願いをしている。この対応が、逆に好感度を高めたといわれている。

不都合な意実は、無視したくなるのが人間の心理だ。そうした情報をいち早く認識するために、企業努力がなされているかどうかは、どこかで試される。(光)



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