日本が絶対に認めてはならない中国の尖閣「防空識別圏」設定[HRPニュースファイル831]

 ■「防空識別圏」とは

「防空識別圏」は、1950年に米国が初めて設定したもので、防衛上の必要性から国際的に採用され、国際法上確立した概念ではありませんが、不審機の領空侵犯に備える目的で領空の外側に設定した空域圏のことです。

航空機が領空に侵入した場合、領土上空に到達するまでわずかな時間しかないため、領空より広い防空識別圏を設定することで、スクランブル対応にするかどうかの基準としています。

圏内に入る航空機には、通過の報告を求め国籍の確認を行います。事前に通過の報告がない場合は、国籍不明機として迎撃戦闘機のスクランブル発進の対象となります。

日本の場合は、1945年にGHQが制定した空域を1969年ベトナム戦争の泥沼化で米国のアジア戦略の縮小を機に、そのまま米国から受け継ぎ、尖閣諸島空域も含めて日本の防空識別圏が設定されました。

 ■中国、尖閣に「防空識別圏」を設定

この「防空識別圏」を中国は、23日に東シナ海、尖閣諸島を含む空域に設定しました。(11/23時事ドットコムhttp://www.jiji.com/jc/c?g=int&k=2013112300140)

これに呼応して同日23日、中国の「情報収集機など2機」が日本の防空識別圏に入ったことを防衛省が確認、航空自衛隊機がスクランブル発進しています。

「情報収集機など」の「など」には何が含まれていたのかについて、中国の新華社によると「大型偵察機2機を哨戒機と戦闘機が援護」(11/24毎日)しており、戦闘機が含まれていたことは注目に値します。

なぜなら中国は、最初に「軍の所属ではない」国家海洋局所属の航空機を日本の反応を見るために、12月に初めて尖閣上空で領空侵犯をさせました。

もっと踏み込めると判断した中国は、今度は9月に尖閣上空に「軍所属」の無人機を飛来させた上で、日本側から攻撃された場合は、「戦争行為とみなす」とすべては日本が悪いといわんばかりの脅しをかけています。

中国側国防省が公表した声明や広告によれば、「防衛識別圏を飛ぶ航空機は飛行計画を中国外務省または航空当局に提出する義務を負う」と規定しています。指令に従わない場合は、「中国の武装力が防衛的な緊急措置を講じる」と明記しています。(11/24読売・産経)

今回の尖閣を含む中国の防空識別圏を設定は、同国が尖閣支配に向けてさらに一歩前進させたことになります。中国軍戦闘機が尖閣上空を堂々と領空侵犯する日は、もうそこまで来ています。

今回の一方的な中国の防空識別圏設定に対して外務省は、「わが固有の領土である尖閣諸島の領空を含むもので、全く受け入れることはできない。不測の事態を招きかねない非常に危険なものだ」と抗議しました。

 ■尖閣の「空」と「海」をセットで奪う中国

空の動きに合わせて同日23日、尖閣海域では、領海外側の接続水域で21~23日、中国海警局の船4隻の航行が連続で確認されており、21日には、日本の排他的経済水域(EEZ)で同海警局船の乗組員が中国漁船に乗り移り立ち入り検査を行いました。(11/24産経「主張」)

EEZは領海・接続水域の外側の200海里内の海域で「国際海洋法条約」によって沿岸国(日本)だけに天然資源の探査、開発の権利、海洋環境の保全のための管轄権を行使することが認められています。

したがって日本の領土である尖閣周辺のEEZでの中国公船による中国漁船への立ち入り検査は国際法違反です。しかし中国は立ち入り検査という「法執行」の事例を重ねることで尖閣諸島は中国領であることを定着させるため巧妙に日本の管轄権を奪おうとしているのです。(11/24産経「主張」)

 ■問題の本質と解決策

今回の中国による防空識別圏設定の問題の本質は、日本の領土・尖閣諸島に基づいて設定された防空識別圏と、中国側が尖閣諸島の領有を一方的に主張して今回設定した防空識別圏が大きく重なっていることです。

つまり、中国が無通告と認識すれば、自衛隊戦闘機に対して中国軍機のスクランブルの可能性もあり、危険な事態が発生する可能性を意味しています。(自衛隊パイロットは命がけであること国民は知るべきです)

だからと言って中国が主張する防空識別圏に従って、その空域を日本の飛行機が通過する際に中国に通告すれば、尖閣諸島が中国の領土であることを認めることになります。ですから日本が中国に通告する必要はまったくありません。

日本のあるべき対応は、尖閣諸島を日本の固有の領土として主張し、日本の防空識別圏を通過する際は、中国側に報告を求める姿勢を絶対に崩さないことです。そしてこれまでと同じく報告のいない無国籍機はスクランブルの対象とすべきです。

 ■米国の反応

米政府は23日、中国の防空識別圏設定を受け、外交・軍事双方のルートで「中国に強い懸念を伝え、一方的な行動」と非難しました。

またヘーゲル国防長官も、米国の対日防衛義務を定めた日米安保条約第5条が尖閣諸島に適用されるとクギを刺し、ケリー国務長官も中国の防空識別圏設定を「東シナ海の現状を変えようとする一方的な行動だ」と断言しています。(11/24時事ドットコム)

米国の発言はありがたいことですが、日本も同盟国米国に感謝をあらわし関係を強化すると同時に、9条の改正を目指し日本の防空識別圏を背景にしながら断固日本を守る覚悟を中国に示す必要があります。(文責・政務調査会 佐々木勝浩)
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1.中国のデタラメ防空識別圏 日本政府は強気の言論を挑め
2.インドが火星探査機の打ち上げに成功 日本は巻き返しを急げ
3.アベノミクスでタクシーがつかまらない? 減車法に見る自民党の業界癒着



◆中国のデタラメ防空識別圏 日本政府は強気の言論を挑め
http://the-liberty.com/article.php?item_id=6997

中国国防相が23日、尖閣諸島を含む東シナ海に防空識別圏を設定したことを受けて、日米両政府から強い非難に声が挙がっている。

防空識別圏は、不審機の領空侵犯を未然に防ぐために各国が領空の外側に設定している空域で、緊急発進(スクランブル)の対象となる。中国側が発表した防空識別圏は、すでに日本が設定しているものと大きく重複しており、両国の戦闘機が同時に緊急発進(スクランブル)するという事態に陥りかねない危険なものだ。尖閣諸島を巡る両国の緊張がさらに高まるのは必至だ。

国際ルールをまったく無視した今回の中国政府の発表に対して、外務省の伊原純一アジア大洋州局長は23日、「わが国固有の領土である尖閣諸島の領空を含むもので、全く受け入れることはできない」と厳しく抗議。
また、アメリカのケリー国務長官も、「東シナ海の現状を一方的に変えようとする行為」「不測の事態が起きるリスクを招くだけだ」と中国政府を強く非難する声明を出した。

だが中国側は、「準備が整い次第、ほかの防空識別圏を順次設置する」と発表しており、東シナ海のみならず、フィリピンやベトナムなど対立する南シナ海上空にも防空識別圏を一方的に設置する姿勢を見せている。「太平洋の半分はすでに中国のものだ」と言わんばかりの強気の姿勢である。

このような中国側の理不尽な主張の裏には、「経済や治安など、内政が上手くいっていないことを隠し、他国に強硬な姿勢を取ることで国民の不満を逸らすため」「日米同盟に対抗する習近平政権の強硬姿勢をアピールするため」「一方的に危機感を煽って、安倍政権に譲歩を迫るため」などの思惑があるのではと、さまざまなメディアが報じている。

そうであるならば、日本政府も自国の利益を守るために、もっと大胆な主張をすべきだろう。中国に対して抗議はしているものの、「言われっぱなし」「やられっぱなし」の感は否めない。物言わない姿勢を美徳とする価値観は、国際政治の場では通用しないのだ。
ましてや、中国はこれまで、日本が定めた防空識別圏に対して、「国際法上の根拠がない」として侵入し続けてきた張本人である。論理がまったく通用しない相手なのだから、上品に受け身で構えていては、どこまでも譲歩させられることになるだろう。

国際世論を味方につけることも大事だが、自らの言論力で打ち返しいていく姿勢もまだまだ必要だ。(雅)

2013年12月号記事 2020年「盟主」日本がアジアを守る──中国封じ込めの国防戦略
http://the-liberty.com/article.php?item_id=6819

2013年10月24日付本欄 外務省が竹島・尖閣の自国PR動画を公開 靖国参拝自粛の安倍首相はちぐはぐな姿勢を正すべき
http://the-liberty.com/article.php?item_id=6839



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