ADHDの特性の1つであり、うちの娘にとっては最大の敵でもある「先延ばし」。
これが『報酬系の機能障害』によって引き起こされる症状であり、その責任病巣が「腹側線条体」のにあることは、過去の記事で何度か触れてきました。
・ ADHDと「先延ばし」――その答えは「報酬系の機能障害」!
・ ADHDの「先延ばし」は『先延ばし症候群』に比べて精神的苦痛が大きい!?
・ ADHDの脳で何が起こっているか〈腹側線条体ってどこにある?①〉
ですが私にはこの「腹側線条体」が何なのか、まったく分かりません。
そのためまずはどこにあるのかを探してみよう――と考えて始めた記事の、今日が第2回目になります。
ちなみに今回で完結ですので、よろしければお付き合い下さいませ。
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ここからは前回の記事からの続きになります。
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■大脳基底核とは
・大脳半球の基底部に、間脳を取り囲むように存在している神経細胞の集合体。
・そのため大脳の深部の“白質“の中にありながらも“灰白質”に分類される。
・何らかの神経系の分岐点や中継点となっている神経細胞群を“神経核”と呼ぶが、この「大脳基底核」も大脳皮質と視床と脳幹を結びつけている神経の中継点となっているため、「核」をつけた名称で呼ばれている。
(*私の復習…視床は間脳の一部。そして間脳は脳幹の一部。)
・大脳基底核の機能は、大きく「随意運動の制御系(主に時系列情報の処理を担う)」と「報酬予測系(報酬に動機づけられた学習に関わる)」の2つに分けられる。
・具体的には、運動調節、認知機能、動機づけ(やる気)や学習、情動などの機能に関与している。
■大脳基底核の構成
・線条体…新線条体(または背側線条体)と腹側線条体に分けられる。
新線条体は尾状核と被殻から構成される。
(※単に「線条体」という場合は新線条体(背側線条体)のことを指すことが多い)
・視床下核… 視床の下に存在する紡錘形の小さな核。
ヒトでは大粒の大豆大。別名ルイ体。
・淡蒼球…被殻の内側、視床の外側にあり、外節と内節に区分される。別名古線条体とも。
線条体の被殻とあわせて「レンズ核」とも呼ばれる。
・黒質…中脳にあるが、機能的に基底核の一部と捉えられている。
・その他:マイネルト基底核、前障など
〈 大脳基底核の全景 〉 …下線部(赤)が「大脳基底核」に属する構造物です:
(この画像はこちらから引用させていただきました)
〈 線条体と淡蒼球の拡大図、視床との位置関係 〉
(出典:「カラー図解 人体の正常構造と機能 改訂第2版」p.615)
〈 線条体の位置 出典:Anatomography 〉
〈 淡蒼球の位置 出典:Anatomography 〉
〈 線条体(新線条体、背側線条体とも)とレンズ核の位置関係 〉
(この画像はこちらから引用させていただきました)
また、被殻と尾状核が前方の下端で合流している部分を「側坐核」というそうです。
この「側坐核」と、その腹側にある嗅結節の一部を含む領域を「腹側線条体」(下の図の赤線や赤丸あたり)といいます。(淡蒼球の腹内側部も含めることもあるとのことです。)
※ちなみに“脳”においてはいわゆる下側=地面の方向を“腹側”、上側=天の方向を“背側”と表現するそうですので、被殻+尾状核が「背側線条体」なら、「腹側線条体」はそれらの下側=腹側にあることになりますね。(一番最初の図にも「側坐核」が描かれています。)
(この画像はこちらから引用させていただきました)
さて。
ようやくどこにあるか分かりました 「腹側線条体」 と、その中心をなす「側坐核」
この直径2mmほどの小さな部分が、『脳の報酬システム』の核心部分なのです。
いわゆる「やる気スイッチ」もここに存在するという・・・
(*娘にはそもそも「やる気スイッチ」そのものが存在していない気しかしませんが)
ちなみにADHD患者の脳のMRIでは、大脳基底核のうち「側坐核」だけでなく「被殻」と「尾状核」も正常の人より小さく、発達遅延が認められるそうです。
(まだまとめきれていませんが、大脳辺縁系の「扁桃体」と「海馬」もだそうです)
あと・・・
調べていてすごいことを知りました。
この側坐核が活発に活動する人ほど嘘をつきやすいのだそうです
以前も述べさせていただいたことがありますが、情けないことに、娘、よく嘘をつきます。
といっても誰かを陥れるとかの悪質なものではなく、あくまでも自分の悪行を誤魔化すために、ではありますが、
「よくもそんなとてつもない、けどすぐにバレるような嘘をつけるよな」
と呆れるくらいです。
ぜんぜん勉強していないのに「してる」と言ったり、提出してないのに「もう提出した」と言ったり、留年が決まっているのに「まだ発表がない」と言ったり。(←この前の大晦日の時のことです)
ずっと、娘の人間性に問題があるのだと思っていましたが、大人のADHDの当事者の方のブログで
「小さい時からごまかすために嘘をついてばかりいた」
と書いてあったのを拝見して、
「娘だけじゃない!? じゃあADHDにありがちなこと!?」
と勝手に思っていました。
だからADHDの障害部位の1つが「側坐核」で、その「側坐核」と嘘のつきやすさに関連があると知り、
「うちの娘が嘘をつくのは、彼女が悪人なのではなくADHDと関係があるのかも・・・?」
なんて考えてしまいました。
まったくのこじつけで見当違いな気もしますが
機会があればまたいつか調べてみたいです。