昨日は娘の「自称・春休み」の最終日でした。


その前日の日曜の夜、「頭痛がする」とお風呂に入ったきり出て来ない娘を放置して、私は先にベッドに入りました。

そして月曜日の朝、娘は7:30頃に起きてきました。
(←これは本当にすごいことです。今までなら、私が6:00前後に起きるのと入れ違いに娘が寝てましたから。たった1/4錠のロゼレムがこんなに効くものなのかと、不思議なくらいです)


「お風呂の後始末がちゃんとできてなかったよ。窓が片方しか開いてなかった。ブラインドも風が通るよう90度にしてっていつも頼んでるでしょ。今からすぐに直してきて」

私が直すのは簡単なのですが、ここはやはり本人にやり遂げさせねば・・・と考え、敢えて朝一発目から小言を言います。
また今日はゴミ出しで忙しいので、お手伝いも頼みました。

「あと、玄関から牛乳を取ってきて、冷蔵庫に入れておいてくれない?」
「分かった~」

そう返事をしつつも、娘はいっこうにこたつから動こうとしません。

いつになったら動き出すか、待ってみようと考えて、しばらく様子を見ていました。


が。
30分経っても動きません。
ごろんと“人をダメにするクッション(のまがい品)”の上で仰向けになったまま、スマホをいじっています。


――LINEに急ぎの返事でもしてるのかな、とちらっとのぞいてみると、なんとマンガを読んでいるではありませんかポーンハッ

「ちょっと。さっきから頼んでることがあるのに、何のんきにマンガなんか読んでるのよむかっ 私が家を出るまでに済ませてくれないと、いなくなったらあなた絶対にやらないでしょ!?」


それに対する娘の返答はこうでした。

娘:「だってやることがたくさんあるんだもん」
私:「たくさん、って、3つだけじゃないの」
娘:「いや、あと期限が迫ってるイラストの構図を考えないといけない」
私:「なら余計に早くやらないと。しないといけないことがたくさんあるのに、なぜマンガなんかダラダラと読んでるわけ?」
娘:「しないといけないことがたくさんあるから、ダラダラとマンガを読んでるんだよ」
私:「?」
娘:「しなければならないことがたくさんあるほど、他のことがしたくなる。たとえそれが好きなことであっても、なぜか常に他のことがしたくなってしまうんだよねー。逃避の一種かな? 他にしたいことがなかったら、わざわざしたくもないことを見つけてでも、他のことをしてしまう。今だって読みたくもないのにマンガ読んでるし」
私:「ポーン ??」



――私にはまったく理解のできない思考です。
もしかしてこれもADHD的思考回路なのでしょうか?
それとも娘が言うように、ただの『逃避行動』?



気になって少し調べてみましたら・・・・・・ありました。

まさかの 『先延ばし症候群』 という病名(?)が!!
 

*まさかの、なんて書きましたが、私が不勉強なだけです。申し訳ありません汗
余談ですが、そのまんまの病名が結構存在してて、おもしろいですよね。むずむず脚症候群、主人在宅症候群、腸内爆発音症候群、なまけもの白血球症候群、などなど。
 

 



あまり分かりやすい記事や文献が見つからなかったのですが、一応特徴をまとめてみますと、こんな感じでした。
 ↓

■先延ばし症候群(PCN症候群)とは
・「先送り症候群」、あるいは「先延ばし」の英訳Procrastinationから『PCN症候群』とも呼ばれる。
・今やっておかなければ後々面倒な事になってしまうと分かっていながら、特に理由もなく意識的に行動を遅らせてしまう態度や振る舞いのこと。
・ある程度の「先延ばし」は普通の人にもある行為だが、「やらなければならない」と思う行為すら理由なく先延ばしにしてしまう点や、先延ばしが頻繁な点で異なる。

PCN症候群(先延ばし症候群)の人の特徴
○楽観的
・まだやらなくてもきっと期日までに出来る、とのんきに構えている。
・「この日までに始めれば大丈夫」とそれまで何もせずに過ごし、その日が来てもまた「もう何日かしなくても大丈夫」と考えて伸ばし続け、結局ぎりぎりまで始められない。
・何とかなると高をくくっているので、周囲の人たちからそろそろ始めた方が良いのではと言われても、なかなか始めない。
・「いざとなったら何とかなる」という火事場の馬鹿力に期待している。実際、期日直前に集中力を発揮して、とりあえずは何とかする。
・その結果、時間的に余裕のあるうちからダラダラ取り組まなくても「できる」「無駄」と考えるようになり、ますます先延ばしするようになる。

○面倒くさがり
・そもそも面倒くさくて、やらなくてはならない課題になかなか手が伸びない。
・普通の人でも面倒くさくて開始を遅らせることはあるが、ある時点で後々のことを考えてさっさと片付けてしまうことの方を選択する。しかし先延ばしにする人は、いったん面倒くさいと思うとやりたくない気持ちが勝ってしまい、そのままにしてしまう。

○「あとでやる」が口癖
・やらなければならないことだとわかっていてもなかなか行動に移せない上、『具体的な期限』を自分で意識できない。
・そのため、「あとで」はいつになってもやってこない。

○時間を決めても守れない
・たとえば「数時間後の何時にこれをやろう」と決めていたとしても、数時間経つと「あとでいいか」となってしまうことが多い。
・今すぐやるのでない限り、時間を決めたこと自体に満足してしまい、結果的にはやらずに終わってしまうことがたびたび発生する。

○重要度が分からない、優先順位を決めるのが苦手
・やらなくてはならないことが複数積み重なっている場合、優先順位をつけて片づけていくことが大切。だが、先延ばしにする人は「今やっていること」を最優先してしまう。
・「難易度が高く、今日中に必ずしなければならない課題」と「難易度が低く、明日以降でも間に合う課題」がある時、先延ばしにしてしまう人は「難易度が低く、明日以降でも間に合う課題」から行う傾向にある。
・そして「難易度が低く、明日以降でも間に合う課題」をこなすとそのことに満足感を得てしまい、「難易度が高く、今日中に必ずしなければならない課題」にまったくやる気を出せなくなる。
・結果としてさまざまなことを次々後回しにしてしまい、重要なことや急ぎのことも見落としてしまうことになる。

○嫌なことに対して逃避しがち
・取り組まなければならない課題にストレス(面倒くささや困難さや退屈さなど)を感じると、途端にやりたくなくなってしまうから。その結果、やらなければならない行動に背を向け、別のより快適で簡単な活動に手を出すという逃避行動に出る。
・つまり「長い目でみると今やっておいた方がいいこと」よりも「今目の前にある楽なこと」を選択してしまう。
・その結果「あれもこれもやらなければならない」が無限に増え、ますますやりたくなくなるという悪循環に陥る。
・全ての嫌なことを先送りにしてしまった結果、後に残った「やるべきこと」は全て『嫌なこと』になってしまう。そして嫌なことだらけな現状を目の当たりにして途方に暮れ、結局、どれにも手を出すことが出来ない状態に陥ってしまう。

○完璧主義な一面も
・実は完璧主義で、完璧にこなそうとするあまり、始めるまでの下準備に時間がかかりすぎて集中力がそがれ、途中でやる気がなくなってしまう。
・あるいは完璧にこなそうとしすぎて、途中で日数が足りないと判断した途端、やる気がそがれてしまう。

○先延ばし慣れしてしまっている
・もともとやる気が起きにくい上、頻繁に先延ばしにしていると「先延ばし慣れ」してしまう。
・ひとたび慣れてしまうと、先延ばしは簡単に習慣化してしまう。

○生育環境の影響
・親が子供に対して不干渉気味の家庭では、「早めにやっておく」という教育がなされにくい。
・何も言われなくてもできる子供はそう多くはないため、自然に先延ばしが当たり前の子どもが育ってしまう。
・何より親のだらしなさは子供に遺伝する。
・親が先延ばしタイプの性格である場合、子供も先延ばし性格になる確率が高い。
(*ギャー、じゃあ私のせいかも(ちなみに夫も)!!!アセアセあせる

○病気の一症状
・「先延ばし」はADHDやうつ病をはじめとする発達障害や精神疾患の症状・原因の一つでもある。
・それらと先延ばし症候群自体と併発することがある。
(*出ました、ここでも『ADHD』・・・えーん

 



――もうね、これらをまとめてて笑ってしまいました。

だって、すべてがまさに娘そのものなんですもの!!!ゲローハッ

どなたかが娘の人生をのぞき見しててまとめたのかと思ったくらいです。


思えば高校1年生で留年→退学にいたった直接の原因の1つは、先生から「点数をやるから、これだけは絶対に出せよ」と言われていた提出物をしなかったことなのです。
(詳しくはこちらをご参照下さい)

大学時代の実習も、実習そのものの成績は学年で1番だったのに、レポートを提出しなかったために「並」評価に下がってしまいました。


その時のことを振り返って、娘はこのように言っていました。

・とにかく何でも「先送り」にしてしまう。
・自分が好きでやっていることでさえ、義務になった途端やる気がなくなる(←たとえば「イラストを期限までに仕上げなければならない」など)
・試験勉強でも提出物でも、やる気が出ないので手を付けず放置してしまうが、内心では常に「まだ間に合う」と思っている。
・絶対間に合うはずがない直前になってでさえ、「ワンチャン間に合うんじゃね?」と思っている。
・いよいよギリギリになって手を付け、改めて「絶対に間に合わない」ことを実感したら、今度は「遅れて提出しても大丈夫じゃね?」と考えるようになる。
・それでもやる気が出ず、ついには「他にも出さない人いるんじゃね?」などと考えて、やることそのものをやめてしまう。
(*そんなことを考えていたのか💢ムキーッムキーッムキーッ
 

 


先にまとめました『先延ばし症候群』の特徴は、多くの人にも心当たりがあるのではと思うのです。

ただ決定的な違いは、

「普通の人はそれでも何とか始めること。どんなに多くのことを先延ばしにしようが、どんなにギリギリであろうが、最終的には火事場の馬鹿力を発揮して、たいていは何とか間に合わせること」

にあるのではないでしょうか。


娘の場合、この「先延ばし」体質が、人生において明らかにいくつもの大問題を引き起こしています。
留年、退学に限らず、お友だちを何人も失ってきたりとか。(←返事や連絡をしないでいたために気を悪くさせてしまったり嫌われたり、の類のようです)

さすがに日常生活や社会生活においてこれほどまでに支障を来しているとなると、もはや限度を超えていて、ただの『先延ばし症候群』では済まない気がします。



私はこれまで、娘の人生においての最大の障害は、ADHDの特性の中でも特に『切り替えの悪さ』だと思っていました。
ですが、もしかしたら一番の敵はこの『先延ばし』特性なのではないでしょうか・・・?

 



――ということで、またあらためて『先延ばし症候群』とADHDの関係について調べてみたいと思います。




最後に・・・
 

■『先延ばし症候群』の対処法
普通の『先延ばし症候群』の方の一番の対処法は「考える前に行動すること」だそうです。

行動を起こす前に思考を挟むと、体は動きません。体が動かないと、自然とやる気はなくなってしまいます。
「何をどうやってやるか」を考えているうちに、それに伴う手間や困難やかかる時間などが浮かんできて、余計に面倒になってしまうからです。

また脳科学の実験によると、私たちが「やる気があるから行動している」と考えているのは錯覚らしく、行動していると後からやる気が出てくることが明らかになっているのですって。

つまり、とにかく立ち上がって、何でもいいので体を動かして始めてみるようにすることが大切なのだとか。
(*確かに、これが一番難しいです・・・したくないことをする時には汗
 

(他にもいろいろ書かれていましたが、ここでは割愛させて下さい)






*今日初めて、私自身が片付けや料理になかなか取りかかれないのも、まさにこの「先延ばし気質」のせいだと気が付きました滝汗あせる
「料理や片付けより他にしなくてはならない(→本当は「したい」)ことがあるんだもん。1日が30時間くらいあったらできるんだけどなー」
といつも思っていましたが、そもそも優先順位が間違ってるし、「目の前の楽で自分にとって好ましいこと」の方を選んでいただけだったのですね。
片付けも料理も、「まずあれをしてこれをして・・・」と考えていると、始める前から嫌になってしまいます。でもいざ始めてみると、意外とそう苦もなくできてしまうのもまた事実ですので、これからは「考えないでとりあえず始める」よう努力してみたいと思います💪(でないとこれから先の人生が苦痛すぎます・・・えーん)(でもなぜか「どうすれば一番効率よく、あわよくば楽をして掃除や料理を終わらせることができるか」と先々の段取りまで考えずにはいられないんですよね・・・ショボーン