*今回の内容は、まったくの素人が一から勉強してみた備忘録、つまるところ個人的メモに過ぎません。間違いも多いかと思いますので、よろしければスルーして下さいね。

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 『「娘、大学やめたいってよ」その③』 の続き、1月2日の午後の話です。)

とはいえ何から手をつければよいのやら・・・。

ひとまず娘の「敵」の正体を見つけ出すために、「睡眠障害」についてザッと調べてみました。

まずは全体像から。

「睡眠障害」などを検索していると、たびたび目にする『DSM-5』という言葉。
アメリカ精神医学界が出版している、精神疾患の診断基準・診断分類のことで、正式名称は『精神疾患の診断・統計マニュアル(Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders)』だと分かりました。

「-5」の部分は、2013年に出版された「第5版」であることを意味していて、第1版が出版されたのは1952年のことなのだそうです。

この「DMS-5」は国際的にも日本でも精神疾患の診断に用いられているそうですが、それと並んで精神医学の領域で多用されているのが『ICD-10』(1990年発効。2019年5月にはICD-11が採択されたようですが、正式発効は2022年とのこと)。
正式名称は『疾病及び関連保険問題の国際統計分類(International Statistical Classification of Diseases and Related Health Problems)』で、世界保健機関(WHO)が死因や疾病の国際的な統計基準として公表している分類なのだとか。

睡眠障害の分類においては、国際的には『睡眠障害国際分類(ICSD)』が広く用いられているものの、やや詳しすぎるのだそう。

むしろ日本の日常診療では『ICD-10』の方がよく用いられているらしいので、まずはそちらを見てみたところ・・・その中の第五章に「非器質性睡眠障害」を発見しました!

それを参考にすると「睡眠障害」はだいたい以下のように分類されます。

・非器質性不眠症
・非器質性過眠症
・ナルコレプシー
・閉塞性睡眠時無呼吸低呼吸
・中枢性睡眠時無呼吸
・睡眠関連低換気
・概日リズム睡眠-覚醒障害群 
・レストレスレッグス症候群
・睡眠時遊行症(夢遊病)
・睡眠時驚愕症(夜驚症)
・悪夢・悪夢障害
・物質・医薬品誘発性睡眠障害

・・・ひとくちに「睡眠障害」と言っても、こんなにたくさんあるのですね。

娘の場合、確かに夜はなかなか寝ませんが、いったん眠ったら逆になかなか起きられないし、トータル時間としては普通以上に眠っていると思われますので、「不眠症」ではない気がします。

となるとこの中で関係がありそうなのは

①非器質性過眠症
②ナルコレプシー
③概日リズム睡眠-覚醒障害群

の3つでしょうか。
(・・・ていうか私、今まで「過眠症」の英語が「ナルコレプシー」で、2つは同一疾患だと思ってました💦)

これらはさらに

①非器質性過眠症
 ・特発性過眠症
 ・反復性過眠症
②ナルコレプシー
 ・ナルコレプシー タイプ1
 ・ナルコレプシー タイプ2
③概日リズム睡眠-覚醒障害群
 ・睡眠相後退型
 ・睡眠相前進型
 ・不規則睡眠-覚醒型
 ・非24時間睡眠-覚醒型
 ・交代勤務型

に細かく分類できるようです。

・・・すっかり頭がこんがらがってきました。
が、負けずに主な症状を見てみました。

以下、各疾患の特徴です。

①非器質性過眠症
●睡眠不足ではないのに長時間の睡眠、昼間の無意識な睡眠、睡眠惰性(睡眠から覚醒したあとの寝ぼけ)などが生じる。
●長時間(9時間以上の人も)眠ったにもかかわらず、回復感がなく、目覚めが悪い。
●昼寝も長くなりがちで、たいてい1時間以上続く。
●朝の起床や昼寝からの目覚めが困難。起きてすぐは混乱したり、闘争的な態度をとったりすることも。記憶の欠如、見当識障害(時間、場所がわからない)、ふらふらした感覚が数分~数時間持続することがある。
●意図しない睡眠が起きるのは、読書中やテレビを見ている時、長距離運転中など、刺激が少ない状況が多い。重症になると仕事中や会議中、社交的な集まりの場、料理中などでも眠くなる。
●自分では無意識のうちに自動行動をとる可能性も。例えば車を運転していて目的地を遙かに通り過ぎてしまったり。
●朝決められた時間に出社、または登校できないことも珍しくなく、過眠症は仕事上や社会関係上でトラブルの原因になりがち。
●多くの患者は平日は何とか睡眠時間を減らすことができるが、週末や休日になると著しく睡眠時間が増加する(最大3時間まで)。

②ナルコレプシー
●日中に突然耐え難い眠気に襲われ、眠り込んでしまう。(少なくとも3カ月間、週に最低3回)
●仕事中や学校の授業中でも寝てしまうことがあるため、周囲からは「怠け者」と誤解されることが少なくない。
●重度の場合は眠気によって記憶や意識がなくなり、もうろうとした状態で行動することもある。

●「情動脱力発作(喜怒哀楽のいずれかが高まったあと、急に脱力する)」「入眠幻覚(寝入りばなに怖い幻覚を見る)」「睡眠麻痺(手も足も動かない金縛りになる)」などの副次症状が1つ以上存在する。
●ナルコレプシーのある幼い子どもや青年では眠気や夜間睡眠の分断によって攻撃性が高くなり、しばしば行動上の問題がじる。

③概日リズム睡眠-覚醒障害群
●概日リズム(25~26時間周期の、いわゆる体内時計のこと)の異常によって望ましい時間帯(通常は夜~朝)に睡眠がとれず、日常生活に影響を来す障害。
*人間の概日リズムは25~26時間で、地球の自転による1日24時間周期より長めだが、朝の光を浴びることでリセットされる。
【各サブタイプの特徴】
睡眠相後退型:主要な睡眠時間帯が希望する睡眠時間帯よりも遅くなるために、不眠や過剰な眠気が生じる病態。夕方~深夜にかけて著しく覚醒し、午前中に眠気や疲労感が強くなる。極端な夜型人間とも呼ばれる。
睡眠相前進型:概日リズムの周期が前方にずれており、早い時間(夕方頃)から眠くなることがある。翌日は早朝に目が覚め、もっと眠ろうと思っても眠れない。
不規則睡眠-覚醒型:いつ眠っていつ起床するか予測不可で、1日のうち3回以上に分けて眠る。合計すると必要な睡眠時間がとれていても夜更かしがちで、日中は眠気が強く、頻繁に居眠りをしてしまう。
非24時間睡眠-覚醒型:概日リズムが24時間よりも長い、または短くなっていく病態。朝の光を浴びても概日リズムがリセットされず、日に日にずれていく。ずれが12時間に達すると徐々に解消していくが、数日後には再びずれが生じる。
交代勤務型:午前8時~午後6時の時間枠以外に交替勤務(特に夜勤)する人に見られる病態。仕事のある日はシフトに合わせて寝起きしていても、休日には別の時間帯に寝起きすることが多いため、ひどい不眠や、起きていたい時間にしばしば強い眠気に襲われたりする。


何だかどれにもあてはまりそうな・・・。

ただ②に必発という「情動脱力発作」「入眠幻覚」「睡眠麻痺=いわゆる金縛り」については聞いたことがないので、おそらく違うと思います。

となると「ひどい夜更かし」があるという点で、③一択のような気がしてきました。

体内時計がずれている→深夜になっても眠れない→朝起きられない→日中眠い。

果たして娘は、この悪循環が二十数年間ずっと続いているというなのでしょうか。
てか、生まれたときからずれてるって、ありえることなの…?


改めて文字にまとめたのは今ですが、『「娘、大学やめたいってよ」その③』で電話を切った後、ネットで上記の内容をカチカチと調べ、敵の「正体」とまではいかなくてもその後ろ姿を捉えた気になった私は、ある決意をして娘に電話をかけたのでした。