最初の勢いはどこへやら、私は茫然自失の状態で電話を切りました。
もう初詣どころではありません。
こんな時は父親の出番です。
「今度は自分が話をしてみる」
と、夫はけっこう長い時間、電話で娘と話をしていました。
が、娘はほとんどダンマリだったとのこと。(←これもいつものことです)
結局一方的に夫が諭す形になったようですが、どう感じているのかまったく分からなかった、と言います。
結果的に唯一娘が主張したのは、
「フリーターで頑張る」
「近くのスーパーがずっと前からアルバイトを募集しているから、ある程度お金が貯まるまで家賃だけは貸して下さい」
ということでした。
それがどんなに大変なことか。本当に一生それでやっていく覚悟があるのか。経済的に不安定なことがどれほどつらいことか。
世の中の厳しさを分かっていないとしか思えません。
娘は自分の人生をどう考えているのだろう。
大学を辞めた後、せめて他にやりたいことはないのだろうか。
そしてようやく、娘の立場になって考えます。
もしかしたら今一番ショックを受けているのは私たちではなく娘本人で、「勉強する自信がない」というのは「いくら勉強しても自分なんかが合格できるはずがない」と自信を失っているだけなのではないか。
だとしたらあんまり責めるのは可哀想ではないか。
――いやいや、そうやって甘やかしてきた結果がコレなのだから。
いい加減心を鬼にして自立させないと、ますます彼女はダメになっていくのでは。
二つの相反する考えがせめぎ合っていました。
ただ一つ確実なのは、私たち親の中に
「やっと入れた大学で、せっかくここまで頑張ってきたのに、もったいない」
という思いがあることでした。
ですが今は、将来の安定がどうとか、これまでの学費がどうのとか、そんな打算から離れ、娘にとって何が一番いいことなのかだけを純粋に考えなくてはならない――。
そんな結論にたどり着いて、わが家の元日は暗澹と過ぎていきました。
*申し訳ありません、さらに③へと続きます。