娘が生まれた時、私は二十代前半でした。
双方の両親とも遠方で共働きのため、誰に頼ることもできず、同級生・同職種の夫と二人での初めての子育てが手探りで始まりました。

退院時に、お世話になった産院から教えていただいた授乳の目安は「3時間ごと」。
が、娘の場合は2時間ごとだったり、いきなり6時間あいたり、とにかく不規則だった記憶があります。

今から思うと、初めて娘の『睡眠』が注意事項として意識の片隅に登場してきたのは、生後8週で保育園に通い始めた直後のことでした。
保母さんから「なかなか寝つかなくて大変」と言われた時、それでも私は「へぇ・・・うちの娘ってそうなんだ。知らなかった」程度にしか感じなかったことを覚えています。

おそらく生後4-5ヶ月、離乳食が始まり、授乳の回数がだんだん減ってきた頃のことです。
夜中、娘は眠りが浅くて、度々目を覚ましては「うえ~ん👶💦」と泣くようになりました。

当時、産婦人科の先生に「育児書のバイブルだよ」と勧めていただいた松田道雄先生の『育児の百科』を愛読していた私は、

「夜泣きは多感な神経の持ち主であるための一種の受難である。(中略)母乳がまだ出る赤ちゃんで、母親の胸にしっかり抱いて乳房をふくませると、安心してすぐに眠るのだったら、たとえ「離乳期」であろうと、夜泣きの治療に母乳を与えていい。(中略)母乳に不足している栄養は他のものでおぎなえるが、子どもの魂をなぐさめる愛は、母親の胸にしかない。」

という記述に背中を押され、娘が目を覚ますたび、それこそ一晩に4回も5回も母親の愛を与え・・・もとい、自分がとにかく少しでも早く眠りたい一心で、お乳をくわえさせては黙らせてしまっておりました。
(当時から自分本位なダメ母ぶりが全開でした⤵️)

ちなみにこの習慣は、1才3-4ヶ月で断乳するまで続きました。

生後8ヶ月の頃からでしょうか。
夜8時になっても9時になっても10時になっても、暗くした寝室で絵本を30分読んでも1時間読んでも2時間読んでも、娘はまったく寝付かなくなりました。
根負けしてついこっちが眠り込んでしまうと、娘はとたんに起き出して、一人暗闇の中でごそごそ遊んでいるのです。
いつまで経っても戻って来ない私(あるいは夫)の様子を見に来た夫(あるいは私)が目撃するのはいつも、すぅすぅと眠っている大人と、その傍らで真っ暗な中目をランランと輝かせて動き回っている娘・・・という奇妙な光景でした。

そんな娘が唯一コロッと寝付くのは、車に乗った時だけでした。(特に日中)
当時私たち夫婦は試験勉強を抱えていて、次第に娘を寝かしつけることに時間を割いている余裕がなくなり、ついつい、毎晩娘が眠るまで、車で田舎道を1時間ほどドライブするようになりました。
(あらためて自分のクズ母親っぷりが情けないです⤵️⤵️)

このように夜はなかなか寝付かないくせに――いや、寝付かないからなのですが、娘は超のつく朝寝坊で、どんなに起こしてもなかなか目を覚ましません。
半分眠ったまま朝食を食べさせ保育園に連れて行くこともたびたびで、おそらく午前中しばらくはボーッとして過ごしていたのではないでしょうか。
保母さんからは「お昼寝の時間に一人だけ寝ない」と言われるようにもなりました。

そんな状況を、私たち夫婦は
「自分たちが(やむを得ず)夜更かし生活をしているせいだ」
「妊娠中からこんな生活だったので、きっと私の悪い生活リズムが胎児である娘の体内時計を狂わせてしまったのだ」
と考え、ならば今から修正しようと当時としては自分たちなりに努力したつもりはありますが、娘の『夜寝てくれない』体質は頑として軌道修正を拒んだのです。

この娘の習性には双方のおじいちゃん・おばあちゃんも困り果てていましたが、あくまでも私たちは「娘の困った『個性』」とのみ、捉えていました。
おそらくもう少ししたらちゃんと生活リズムが整ってきて、いつかは普通に眠るようになるだろう。そう、脳天気に思い込んで。


*次回、幼児期、学童期・・・でますます拍車がかかります!



育児に対するさまざまな事柄が、誕生前から、誕生後は生後1週まで、・半月まで・1ヶ月まで…また1才以降は1年ごとに、細かく分類され記載されています。
著者が小児科の先生なので病気についても詳しくて、何より子どもを見つめる視点が大らかなので、ずい分参考になり助けられました。(結果的には失敗してるんですけれども💦)
今でもまわりで産休に入る方がおられたら必ずプレゼントする、まさにバイブルともいえる育児書です。