居住地から北東方向へほぼ100キロ近く離れた周南市鹿野にやって参りました。
すぐ近くには、県内を走る高速道路で最も標高の高い場所にあるインターチェンジもあり、冬ともなれば深い雪に閉ざされます。
そんな山深い里でありながらも、歴史ある名庭を誇る漢陽寺という古刹もあることから、ここが古くから栄えてきた荘でもあったことが伺えます。
その漢陽寺の紅葉と共に、もう一つこの地を有名にしてるものが、これ。
高さ約8m
幹周囲約3m弱
県内最大の枝垂れ桜で、樹齢は三百年程度とされています。
まだつぼみも多く、七分咲きといったところでしょうか?
それでも十分な華やかさですね。
実は、この翌日から雨だと聞いて、今日の日を逃してはならじ!とばかりにやってきた次第です。笑
で、これは余談ですが、昨夜から当地はやっぱりお天気予報通りの荒れ模様。
深夜には雷鳴も轟いて、まさに、ふきのとうの名曲「春雷」を思わせました。
それはともあれ。
この枝垂れ桜。
ちょっと普通とは違うところがあるんです。
それは。
この角度から見て頂くとお気づきかも。
ね?
この桜の幹、ちょっと、と言うか、かなり斜めになってるのがおわかりではないかと。
面白いですよねぇ~。
逞しささえ感じさせます。
この桜が根をはってる土地は、元々は、戦国武将陶晴賢の重臣であった江良弾正の館の土塁跡だったとされています。
ちなみに、陶晴賢は、主君大内義隆を討った後自らも毛利元就に討ち取られるという、まさに戦国時代の下剋上を身を以て体現したかのような武将でした。
NHK大河ドラマ「毛利元就」では陣内孝則さんが演じておられましたよね。
それはともかく。
そんな江良弾正の館があったとされる土塁跡に咲き続けてきた桜だということから、住民の発案によってこの枝垂れ桜は「弾正糸桜」と名づけられたようです。
弾正糸桜!
なんて私好みのネーミング♪笑
ここでまたまたちょっと話が逸れますが。
熱烈な萩尾望都ファンだった私ですが、実は木原敏江も大好きで、コミックスの所蔵数から言えば、トップというくらいなんです。笑
あの頃は、主として欧米を舞台としたロマンチックコメディーを得意としてて、乙女の願いを全て叶えてくれるという作風でしたが、私が一番好きだった作品は、意外やこれが戦国期の時代劇で、「くれなゐに燃ゆるとも」。
その中に、弾正という名前のちょっとヒールな武将が出てきて。
って、一体何年前の話?笑
いやはや、思春期の頃の刷り込みって怖いですねぇ~。笑
そんな私にとってのベストアングルは、やっぱりこちらからの姿かな?
うん、間違いないですね!笑
三百年かぁ~。
ソメイヨシノの寿命は概ね70年前後とされてますが、枝垂れ桜は結構長いものもあるようです。
例えば、岡山県真庭市にある「醍醐桜」は推定千年とも言われてるようですし。
醍醐桜も見てみたいなぁ~。
この弾正糸桜がある付近は公園としても整備されてて、小川を流れる清流の音を聞きながら散歩することができます。
早咲きの桜も。
こちらはハクモクレン。
椿も。
せせらぎの音に混じって、鳥のさえずりやカエルの鳴き声(!)までもが聞こえてきて、本当にのどかな里歩きを楽しむことができました。
最後に再びの「勇姿」を。
今頃はこの雨に打たれてるかもしれませんね。
でも。
「雨にも負けず風にも負けず」、そして雪にも負けず三百年(!)です。
なんだか力強いエールを送られたような気分にもなってきました。
と、相変わらず単純な私です。笑