毎年この時期になると、いつも心がざわついていた私です。
原因ですか?
実は拙ブログ第1号に答が・・。
あ、いえいえ、ただでさえお忙しい中、それを読んで頂きたいなどとは、口が裂けても申し上げられません!笑
それにしても、我ながら随分入れ込んだものだと、今振り返っても呆れるほかはありませんが。
今回、その呆れるばかりの実態の一部を少しご覧頂ければと思いまして・・。
それでは・・。
これが何かと言いますと。
はい、京都の紅葉です。
これは、そのうちの一つ、東山円光寺の「十牛之庭」を本堂縁側から見た景色です。
おそらく25年以上前の11月下旬だったと思いますが、まさしくこの通りの景色に遭遇し、それ以来京都の紅葉の虜となってしまいました。
山がちな当県に住んでいながら、中途半端に都市生活をしている私の周辺では、紅葉は赤くなる前に散ってしまうか茶色に変色したものしか目にすることがありませんでした。
ガイドブックの写真等で、朱色がかった燃えるような紅葉の色を見て、本当にこんな色があるの?修正してるんじゃないの?とさえ疑ってたくらいです。
もっとも、実際には当県にも美しい紅葉が存在することを、かなり後になってから知ることになるんですが。
ともあれ、「ガイドブックの紅葉」への「疑念」は、この円光寺の紅葉を見て見事に払拭された訳です。
拙ブログをこれまでお読みくださった方はもうおわかりと思いますが、そうなんです、とにかく、一旦ハマるとトコトン!という私のパラノイア的性分がここでも発揮されることとなりました。笑
まるで何かに魅入られたかのように、次の年からほぼ毎年、晩秋の京都に足を運び続けるということになった次第です。
通い始めの頃は、あの宝塚も顔色を失くすほどの(?)大階段が威容を誇る現京都駅はまだ工事中で、駅周辺も落ち着かない感じでした。
その頃はインバウンドももちろんまだでしたし、観光客もそれほど多くはなかったと記憶してます。
いえ、寧ろ京都観光に翳りが見えていた時期だったかもしれません。
その後、あの有名なキャンペーンの影響もあって、徐々に観光客も増えていった印象です。
そのキャンペーンが、ご存知のこれ!
このキャンペーンについては以前拙ブログでも熱く(?笑)お話した通りですが、本当にインパクトありましたねぇ~。
美しい写真と心の琴線に触れるキャッチコピーの数々!
そうだ、京都行こう。
ではなく、
そうだ京都、行こう。
となってるところも、京都への「憧れ感」が出てて秀逸だと思っています。
当地ではこのキャンペーンのテレビ版はほとんど放送されませんでしたが、その頃定期購読していた週刊新潮に秋になると必ずその広告ページが掲載されるのを楽しみにしてて、気に入ったものは切り取っていたくらいでした。
このキャンペーン効果で京都観光は息を吹き返し、それ以後観光客は一気に増加していったと思われます。
そして、私もそんな観光客の一人だったという訳です。
とにかく通いましたねぇ~。
最近のニュースでホテルの便乗値上げ的な話が出てましたが、観光地ホテルの価格なんて高級寿司店の「時価」と一緒で繁忙期が閑散期より高いのは当たり前。
京都駅前某ビジネスホテルなんて11月は下手すると3倍近くのお値段に💧
それでも懲りずに通ってました。笑
そんな私の「京都紅葉ラプソディー」を、これまでため込んできた(?)チラシ等を交えながら、少しお話させて頂こうと思います。
ちなみに、寺の名前は「えいかんどう」で、律師の名前は「ようかん」と読みます。
チラシのキャッチコピーは毎年これ!
紅葉の名所が数多ある京都において、なんとも強気のキャッチコピーですよね。
でも、そんなキャッチコピーに納得してしまうほどの、さすがの美しさを誇るお寺と言えるでしょう。
「秋はもみじの永観堂」と称えたのは、与謝野晶子だと言われています。
与謝野鉄幹をめぐって山川登美子と三角関係だったと伝えられる晶子。
いえ、その頃鉄幹はまだ妻帯者でしたから四角関係?笑
とにかくモテモテ鉄幹で、この時の奥様も初めての、ではありませんでしたし。
ちなみに、当県某女学校においても恋愛沙汰を起こしてたとか。笑
それはともかく。
与謝野鉄幹・与謝野(その頃はまだ鳳)晶子・山川登美子。
そんな3人がそれぞれどんな思いで秋の永観堂を歩いていたのかを思うと・・。
その時の思いを詠んだ晶子の歌が歌碑となっています。
秋を三人
椎の実なげし鯉やいづこ
池の朝かぜ手と手つめたき
その後、山川登美子は縁談があったこともあり、自ら身を引くこととなります。
その時の歌がこちら。
それとなく
紅き花みな友にゆずり
そむきて泣きて忘れ草つむ
「紅き花」は鉄幹、「友」は晶子を詠んだものでしょうか。
「忘れ草」が切ないですね。
この永観堂は、私も、夜のライトアップも含め最も多く通った場所です。
何度目かのライトアップの時には、さながら平安貴族を思わせる装束を身につけての雅楽演奏を聴くことができました。
5人くらいのグループで、どこかの大学サークルの学生さんだったようですが、この雅楽演奏は本当に趣があって、いい思い出として残っています。
ちなみに、この永観堂、春夏冬は確か拝観無料なんですが、秋はいきなり1000円!
(夜のライトアップは600円?)
1年分を秋の紅葉で稼ぎまくる(失礼!笑)という印象の高額拝観料ですが、それでもその紅葉の美しさへの対価とするならば納得です!
京都の紅葉はどこがオススメ?と訊かれたなら、まず第一に挙げるのはやっぱりここですね。
行きやすさと美しさと・・。
東山界隈で言えば、先ほど挙げた円光寺や最後に紹介する真如堂も紅葉の美しさは格別ですが、それらに行くには最寄りのバス停や電車の駅からはいささか距離があったりするんですね。
その点、永観堂は市バス5番一本で行けて道もわかりやすいと思いますし。
無論、それだけに訪れる観光客の数も半端なく、バスもお庭の入場口もかなりの混雑と行列を覚悟しなくてはなりませんが。
あの頃撮った写真はほとんど色褪せてしまってあまり残ってないんですが、この永観堂でのものが比較的見られそうでしたので3枚ほどUPさせて頂きます。
この永観堂近くには、サスペンスドラマ等によく出てくるあのローマ風水路閣で有名な南禅寺があり、ここでもダイナミックな紅葉が見られます。
さて、次は。
北野天満宮の御土居の紅葉。
北野天満宮と言うと、梅や桜のイメージが強いかもしれませんが、実は隠れた紅葉の名所としても知られています。
豊臣秀吉によって、京都改造とも言える事業の一環として京都中心部をぐるりと囲む御土居が造られましたが、その遺構の一部が現在かなり広い回遊式庭園として整えられていて、紅葉散策には絶好の場所となっています。
散策路の途中にはお休み処も設えてあって、温かいお茶とお菓子が頂けますよ。
次は。
ここは、私が訪れた数ある紅葉の名所の中でも印象的なところです。
名前も素敵ですよね。
瑠璃光院。
これは、1階のお部屋から見たお庭の様子です。
「瑠璃」とは、この苔の美しさを表す言葉でしょう。
2階に上がると。
見事な「床紅葉」が広がります。
その美しさは、本当にため息が出るほどでした。
ここは、長いこと非公開でしたが、1990年代後半あたりから、春秋限定特別拝観が始まったと記憶しています。
お庭のほかにも、内部を廻ると昔使用されていた蒸し風呂様式の「かま風呂」も残ってたりして、なかなか見処が多いお寺です。
その「かま風呂」を象ったお饅頭も販売されてますし。
ただ、最近になって、拝観料がネットで評判になるほどの強気なお値段になってるのにはちょっとびっくりです。
なんでも、今は2000円だとか。
お抹茶も頂けるんですが、私が最後に行った頃はまだ1000円前後だったような記憶があります。
ちなみに、最初の頃は500円でした。
それが今は2000円!
まぁ確かに、苔のお手入れや維持などでいろいろ大変なのだと理解はしておりますが・・。💧
気を取り直して次へと。
真っ赤な紅葉の絨毯です!
京都山科毘沙門堂。
ここ最近、私が最も気に入ってる紅葉寺です。
実際に参道に立つと、この写真でも表現し足りないくらいの紅葉のシャワーが降り注いできて、あの東福寺の臥雲橋紅葉にもよく使われる言葉ですが、まさに圧巻!
京都中心部からは電車に乗って行かなくてはなりませんし、駅からも坂道をかなり歩くんですが、それでも行ってみる価値はあると思います。
ここも、私が最初に行った頃はまだそれほど人も多くありませんでしたが、コロナ前の頃は海外からも随分来られてたような印象です。
海外の皆さんも、本当によくご存知ですよねぇ~。
次は、嵐山屈指のお庭へと。
「獅子吼の庭」と呼ばれています。
置かれている石が、獅子が咆哮する姿に似てるとも。
ここも回遊式庭園になっていて、様々な角度からのお庭の姿を見ることができます。
嵯峨嵐山界隈には、ほかにももちろん紅葉の名所がた~くさん!
有名なところでは常寂光寺や二尊院。
野々宮神社も女の子には人気が高いようですね。
少し奥へ入ると、「平家物語」の悲話で知られる祇王寺などもあり、ここもとても静かで趣があります。
でも、私のイチオシは。
これ、本当は秘密にしておきたいところなんですけど。
といっても、もちろんご存知の方は多いと思いますが。笑
小さなお寺ながらも、知る人ぞ知る紅葉の名所として知られているそのお寺の名前は・・。
宝篋院です。
清凉寺横の斜め角にひっそりと佇んでる小さなお寺なんですが、中に入ると紅葉・紅葉・紅葉!
本当に紅葉が好きな人にとってはたまらない場所で、一日中いても飽きないくらいです。
って、そんな人は私だけ?笑
叡電も忘れてはいけません!
紅葉の時期ともなれば、その沿線のライトアップの美しさは形容しがたいほど!
電車好き・紅葉好きの人にとっては、夢のような秋の叡山電鉄です!笑
石段がオレンジ色の灯籠で照らされて、本当に幻想的で美しいんです!
ただ・・・やっぱり寒い!
よく京都の底冷えと言いますが、街中よりもまた一段と気温が下がってる感じで、もう冗談ではなく凍えそうでしたよ。笑
でも、本当にきれいでした!
お昼だけに飽きたらず、別の年に夜間拝観にも行ったんですが、とにかく寒くて。
洛北の岩倉にあるんですが、帰りのバスも少なくていささか不安感も。笑
それだけによく覚えてます。
ライトアップにも随分行きました。
青蓮院、清水寺もよかったですけど、最も印象的だったのはやっぱり高台寺。
ここは2回ほど行きましたが、凄まじい混雑ぶりで、入るまでも長い行列なんですが、入ってからも人に押されながらの「密」状態!
一番のハイライトは、もちろん臥龍池の「逆さ紅葉」です!
水面に映った紅葉の美しさは、まさに「絶景」の名にふさわしいものだと思います。
そのライトアップ。
本当に美しくて大好きなんですが、紅葉にとっては決してよくはないんだろうなとも思ってます。
最初に挙げた円光寺も、以前はライトアップをしていましたが、ある年からきっぱりとやめています。
その前年くらいに一度お寺の方とお話したことがあって、最近紅葉の色がよくないというようなことをその時おっしゃっていたことを記憶しています。
その後、ライトアップがなくなったと知り、あ~、やめてしまったんだなと少し残念に思いましたが、それはそれで、円光寺の方々の「紅葉を守る」という「強い意志」を感じたような気がしました。
それでは、もう少し続きを。
我ながらよくこれだけのチラシを集めてたものだとつくづく・・。笑
チラシ紹介はできませんでしたが、もちろん♪京都大原三千院♪も外せません!
ここも何度か朝早くから、京都バス8番ではるばる向かいました。
もっとも、恋には疲れておりませんでしたが。笑
さて、長々と京都紅葉話をしてきましたが。
京都の方から見れば、こんな私の姿は理解不能かもしれませんね。笑
観光地にお住まいの方々にとっては渋滞等様々な問題も出てきたりして、大変だろうなと思ったりもしています。
でも、やっぱり私にとっては思い出いっぱいの京都です。
紅葉以外にも、春の桜はもちろん、イノダコーヒやジュンク堂、そして舞妓さん目当ての町巡りや、京都駅の巨大クリスマスツリーなど、この30年近く、本当に楽しかった京都通いでした。
でも、さすがにそろそろ、京都はもういいかなぁ~とも思ってます。
ほかにも行ってない街がたくさんありますし。
と言うか、京都以外ほとんど行ってない私?笑
皆さんのブログを拝見して、そんなことにも気づいてしまいました。
今度は・・。
日本が私を呼んでいる!笑
追記として。
以前UPしたものですが、洛北きっての紅葉の名所として知られる「光悦垣」を撮った写真もここで紹介させて頂きます。
ここまでご覧くださり、ありがとうございました!