3月1日。長い冬休みが明け、ようやくF1シーズンが帰ってきました。笑い泣き

 

さてオープニングレースのバーレーン戦。

 

安定のドライブで、メルセデスのチーム代表のトト・ウルフをして「(we are) galaxy away from Max (マックスは銀河系の向こうにいる)」と言わしめたレッドブルのマックス・フェルスタッペン。あまりにぶっちぎりのため、TV画面にもあまり映らなくなってしまいました。泣くうさぎ 今回はマックス無関係のエキサイティングだった場面について書いてみようと思います。

 

<フェラーリのカルロス vs シャルル>

今回光ったのはフェラーリのカルロス・サインツ。キラキラ

チームメイトのシャルル・ルクレールを2度もオーバーテイクし、見事3位の表彰台に上り詰めました。

 

フェラーリとしては#1ドライバーのシャルルを前に行かせたいところだったと思うのです。「自分の方がスピードがある」と訴えるカルロスに、"good to know" (わかった) と返すチーム (めっちゃ冷たく感じ悪いプンプン)。チームオーダーが発令されなかったために、実力でシャルルを抜きに行くカルロス。ただシャルルもそう簡単にポジションをあきらめないので2台は一触即発で横並びとなります。"ひえ~ぶつかる!!チームメイト同士の共倒れはやめて~~ガーン" と見ている方はヒヤヒヤですが、さすが!とうならせる両レーサーのステアリングさばきで、カルロスが前に出ます。

その後チームはシャルルを早めにピットストップさせ、アンダーカットを成功させます。カルロスとしたら悔しかったと思うのですが、再びシャルル、さらにはメルセデスのジョージ・ラッセルも抜いて3位のポジションに付けます。

 

カルロスは来季ルイス・ハミルトンがメルセデスから移籍してくることによって、今年限りでフェラーリのシートを失うことが確定しています。今季はまさに崖っぷちですが、今日は "Driver of the Day"も獲得してなかなかパンチのあるスタートとなりました。

 

<RBの角田選手とダニエル・リカルド>

レース後半で、12位つけていたハースのケビン・マグヌッセンにRBの角田選手そしてその後ろをチームメイトのダニエルがぴったりとつけて、しばらくDRSトレインが続いていました。チームはハードタイヤをはいた角田選手に、ソフトタイヤのダニエルとポジションを変わるよう指示します。

 

0.5秒以下で前のクルマに迫っているときにこのチームオーダーは辛いですよね。

案の定、角田選手は「今!?ふざけるな」と、怒りを爆発させます。

しぶしぶ順位を譲った後も、”Yeah thanks guys, I appreciate it."(みんなありがとうよ)  “He’s got to speed up man“(もっとスピードあげなくちゃだろ)、He’s not fast at all.” (ダニエルは全然早くないじゃん) 等オープンな無線で嫌みコメントを連発。

 

結局、順位を譲ってもらったダニエルも、ケビンの必死の攻防もあって、ハース車を抜けませんでした。チェッカー切った後も怒りが収まらなかった角田選手は、ものすごい勢い+すれすれでダニエル車を追い抜いていました。

 

残り5周の時点でポジションを交換したところで13位、14位が良くて12位、13位になるだけで、所詮ポイントは取れないので、交換の意味があるのか、という問題は置いておいて、角田選手の激高グセは心配です。

 

ステアリングを握ったとたん、感情がむき出しになるのはよくあることです。レッドブルのシニアアドバイザのヘルムート・マルコも角田選手の "熱さ" を気に入ってくれていると聞いたことがあります。ただ、角田選手、もうF1も4年目ですから、もう少し言い方、行動に気を付けた方がいいかもしれないですね。ただでさえ昨今のF1ドライバーたちは、自分を取り巻く状況や感情を上手く伝えることに長けています。特にダニエルはレーサーの中でも群を抜く表現者です。

 

角田選手の [怒りにまかせた+無意味の+接触すれすれオーバーテイク] について訊かれたダニエルは「確かにユウキの態度は大人げなかったね、でも自分は落ち着こうと思っているよ。後半に自分はソフトを履くから状況によってはポイント獲得のためにポジションチェンジがあり得ることはレース前のブリーフィングで話し合っていたから、それほど驚く指示ではなかったと思うけど。まぁ、長いシーズンだからよく話し合って"大人の"対応をしていこうと思っているよ」と優等生的にまとめていました。

 

レッドブルに昇格するためにはRBチーム内で上位にいることは必須ですから、戦闘モードになるのは分かります。でもチームあってのドライバーなのです。スピードだけではなく、"この選手と一緒に頑張りたい" と思ってもらえるような人間性作りにも重きを置くべきと思います。

 

レッドブルのチーム代表のクリスチャン・ホーナーもまた、超の付く「語り手」ですから、感情に任せて誰かを責めたり、罵ったりする態度はあまり好まれないと思います。

 

レーサーはレースだけしてればいいという時代でなくなったということですね。角田選手にはこれから、今回のレース中の無線について、これでもかばかりにコメントが求められると思います。真摯に謝罪をし、その時の感情、これからの思いを丁寧に語り、一歩前進して欲しいと思っています。

 

簡単なことではないですよね。偉そうに書きましたが、私も感情表現については50過ぎた今も日々トレーニング中です。