県内には、捨て猫に端を発したと思われる飼い主のいない猫(いわゆるノラ猫)が多数生息し、様々な住民トラブルの元にもなっています。
このようなノラ猫の繁殖を不妊化手術を施すことによって抑え、「望まれない命を増やさないこと」を前提に徐々にその棲息数を減らしていくTNR(下記)では、一ヶ所の集団生息場所につき一斉に80パーセント以上もの猫に不妊化手術を施す必要があると言われています。
これまでも個人でTNRを行っている方はいらっしゃいますが、個人の力では金銭的負担が大きく難しい状況となっています。
なんとかならないものかと頭を悩ませておりましたが、この度、「公益財団法人どうぶつ基金」のお力をお借りして、80頭という非常に多くのノラ猫の一斉不妊化事業が実現する運びとなりました。
沖縄県のペット飼育モラルは、残念ながら決して高いとは言えません。
猫はもちろん犬までも放し飼いにすることがよくあり、病気やケガをすれば捨てる、子犬子猫を産めば捨てるということが珍しくありません。
安易に飼われ簡単に捨てられる犬猫たちに心を痛め、この状況をなんとか改善していきたいと活動する県内4つの動物愛護団体が結集して立ち上げたのが、私たち「琉球わんにゃんゆいまーる」です。
沖縄のノラ猫と言うと、県外のみなさんには南の島でのんびり暮らす猫たちのイメージが浮かぶかもしれません。
けれど沖縄のノラ猫生活は実は非常に過酷で、夏はギラギラした太陽が照りつけ、冬は四方を囲む海から吹く冷たい風が容赦なく体温を奪っていきます。
恐ろしい暴風雨が叩きつける台風シーズンには、為すすべもなく、ただ物陰にじっとしてて台風が過ぎ去るのを待つしかありません。
これらの変化の激しい気候環境に加えて南国特有の寄生虫類も多いので、子猫の多くは成長過程で衰弱死したり感染症で命を落としていきます。
運良く成長できても交通事故や伝染病の危険に一生さらされ、さらには害獣として虐待を受けることさえあるのです。
生まれてくることが不幸の始まりならば、「生まれないこと」を目指してTNRに取り組むのが私たちの考えです。
今回のノラ猫の不妊化手術事業は、「ノラ猫を減らしたい」というかねてからの私たちの思いが実現へと向かう第一歩となります。
どうか事業の趣旨をご理解いただき、ご支援ご協力をいただけることを切にお願いいたします。