アメリカのamazon.comから荷物が届いた。


注文してから1週間くらい?

一番送料の安いオプションを選択したにもかかわらず

十分実用的な配送期間。


仕事道具も問題なく注文できる。


今回購入したのは、、、



世界規模の刃物メーカー

Fiskars のLopper

日本で言う枝切りバサミだ。

(マキタの18V暖房ジャケットも安売りしていたので一緒に買った)


日本では

株式会社タカショー

一部のFiskars製品を取り扱っているが

残念ながら業務使用に向いている枝切りバサミは

現在のラインナップにはない。


過去には



パワーギア55↑という

女性が使うのに最適なサイズの実用ロッパーがあったのだが

現在取り扱いがない。


ちなみに家庭から出る剪定枝を

市区町村のゴミに出せるようなサイズに揃える程度なら

タカショー 枝切はさみ パワーギア40/タカショー
¥5,400
Amazon.co.jp

タカショーの扱っている

この小型サイズのものでも、とても重宝する。


日本でこのロッパーが普及しないのが不思議だ。

一度使ったらやめられない、まさに私にとって究極のワークツールといえる。


鋸より早く

チェンソーより安全に

無音で「枝」を処理することができる。

電源も燃料も必要なく、致命的な物理的故障がない。


テコの原理とギヤの作用を併用した

無故障のパワーツールであり、

メーカーはその自信からかライフタイムギャランティ、

つまり「永久保証」を謳っている。


しかし、そのFiskarsも時代の流れに逆らえなかったのか

新製品は多くのラインナップで中国製になってしまった。


数年前に購入した32インチのロッパー



購入(輸入)してから中国製とわかって

少々落胆したものである。

それは製品のクオリティの違い、という事だけではなく

「Fiskars」という自社製品にプライドを持つべき世界的刃物メーカーが

新発売される多くの製品において中国製造を選択した点に、である。


工業製品、特に刃物の製造、刃物鋼の生産において

中国人の国民性は向いていないのだ。

私はただの中国批判はしたくない。

歴史のある国であるし、

低品質といわれる中国製品も

発注国の都合(低コスト生産)が

形となって現れているだけであり、

中国側を責めるだけでは話がおかしい。

彼らは求められている仕事をしているだけだ。



ビジネスにおいて両者のメリットが

上手にバランスの取れるものであるならば、

大いにお互いを利用しあったらいい。

そのような商品(それなりで低価格)を望むユーザーは

現在の日本、アメリカにおいて決して少なくはない。



しかし、刃物だけはごまかせない。

道具を使って収入を得るプロならば、それは持った瞬間にわかるだろう。

切れ味だけではない、持った瞬間の「バランス」「動き」そういったものは

考えるより先に体が道具を判断してしまう。


すべての人がそうではないが、

例えば刃物において

中国人やアメリカ人は「切れる切れない」で判断する国民性であり、

日本人は切れの「味」を重要視する国民性なのだと私は考える。


低コストを求められた中国製の刃物に「味」は存在しない。




今回同じサイズのロッパーを2本購入した。

両方ともFiskarsだが、製造国が違う。


左は


中国製とある。


右は



自国フィンランド製。


Fiskarsは自社の選択を時代のせいだけにはしなかった。

中国製と平行して、自国製造のプロフェッショナルツールもラインナップしていたのだ。

私はFiskarsにこの考え方がなかったら文字通り「失望」していただろう。

ただamazon.comでは中国製のほうが人気。

レビュー投稿の数がすべての人にとって購入の参考にならない所は

どこの国でも同じか。




最大切断直径は両者とも

2インチ。(5センチ弱)



かなり硬い桜の枝にも

期待を裏切らない性能を見せる



太さは



4センチ。


どちらも問題なく



切れる



切れる。


「切れる」という結果は変わらない。

ただ、道具としての考え方、完成度は別物だと感じた。


もしあなたが

アメリカ人並みの体格で

大きい手、

力があり、多少の稼動部の動きの悪さに耐えられるなら

Fiskars PowerGear2 32 Inch Lopper  を。


業務使用、女性

本物のFiskarsを知りたい方は


Fiskars Quantum Lopper, 32-Inch  を。


凄くいたずらな言い方をすれば

中国製にあるのはただの金属パーツであり

刃物ではない。

同じような形でも

フィンランド製のロッパーには

「刃」がついている。

これは刃を実際に触った感触。

繰り返しになるが

「切れる」という動作に大差はない。

必要な力も体感できるほどの差はない。


しかし少しでも軽い事、

動作がスムーズな事、

刃がしっかりとついている事、

これらがもたらすものは

使えば使うほど価格以上のものがでてくると

今までの経験からみなさんにアドバイスする事ができる。


私はチッパー(枝の粉砕機)に枝を投入する時に

このロッパーを多用するのでこのサイズを愛用するが

(これで切れる枝はすべてチップにして残りは薪に)


一般家庭で使うならば大きすぎる。

女性や高齢者が使うなら

Fiskars 9479 Quantum Hand Lopper, 23-Inch

が最適。


現在、一般家庭での枝処分(一定の大きさに切りそろえなければならない)

の需要がかなりあるにもかかわらず、

このような世界のプロフェッショナルツールを紹介、販売できる日本企業の無い事が

残念でならない。