アメリカが覇権を保てていたのは、軍隊と基軸通貨があります。今日はその基軸通貨のドルをサウジアラビアが捨てたと言う話。


ドルの価値はペトロダラシステムで支えられて来ました。これはキッシンジャーが当時のサウジアラビア国王と行った取引で、アメリカがサウジアラビアの国防をする代わりに世界中の国に石油を売るのはドルしか使用してはいけないという契約です。これにより世界中の国々が石油を買う時、ドルを使用しなければならないと言う仕組みが出来てドルの需要を増やし、ドルの価値を保っていました。が、この50年間の契約が今月9日に切れ、サウジアラビアは契約更新しなかったので、ペトロダラシステムは終了した事になります。

 

でも、今すぐ何かが大きく変わる事はなく、ドル離れは徐々に進みアメリカの力は少しずつ弱まると言う事でしょう。


ペトロダラシステムの代わりにサウジアラビアは、mBridgeと言うCBDCのプロジェクトに参加。

 

このペトロダラ終了は歴史に残るような大きな変化なのですが、それがバレるのはアメリカ弱体が進むのを知らせるだけになるので、西側メディアではなるべく取り上げないように圧力かけてるのではと思います。

 

サウジアラビアはG7にも招待されてたけど不参加で、近年西側との距離を積極的に取る一方、BRICSのメンバーになるなど、方向転換が顕著に見えます。

 

mBridgeは中国とBISが作るデジタル通貨のプラットフォームで、スイフトに対抗するような存在と思います。米ドル取引は除外されているので、このシステムの使用が本格化すると世界の脱ドルはもっと加速するでしょう。

 

 

とは言え、mBridgeはまだ使用される段階ではないようなので、中国など一部の国に売る石油はユアン建てなどですが、日本など西側に売る時はまだドル建てです。これからしばらくは変換期と言えるでしょう。また、基軸通貨がドルではなくなると言うこともないでしょう。単に弱い誰も使いたがらない基軸通貨として残るには残る。そう言い切れる説明は長くなるのでここでは割愛します。

 

ただ、緑で塗られた世界で88%の国々が、米ドルシステム以外の決済プラッフォームを支持していると言うのは、アメリカにとっては脅威でしょう。

 

 

脱ドルは徐々に進んでアメリカは弱体の一途を辿るのは確か。つまりは覇権を徐々に失う。だからこそ今強がっためちゃくちゃな言動が見られている訳です。今後も「弱体化に対して国をどう変えて取り組んでいくかを真摯に考える」ではなく、例えばロシアや中国などの「悪者」を作って攻撃が過激になり、世界を巻き込む実際の戦争や経済戦争を激化させるでしょう。

 

因みにmBridgeはBRICSが出してるプラットフォームとはまた違うもの。BRICSはBRICSでスイフトに対抗するようなプラットフォームを提供すると言ってますよね。これに関してはこの秋のBRICSでまた話が出るのではと思います。BRICSは債券市場を持たないので通貨になる事はありません。

 

個人的に気になるのはmBridgeはスイスのBIS(中央銀行の決済銀行)が牽引して作る物なので、支配者は変わらずと思割れる点。だからドルを潰して覇権を移行していくのも、過去80年間アメリカを覇権国家に仕立て上げてた人達も同じ黒幕だから、単に彼らの計画通りになってるだけなんじゃないかなと思う所です。。

 

彼らの力が弱まってるように見せかけて中央銀行発行のCBDCへの移行の支持を得て成功させようと言うトリックじゃないかとも思ったり。。つまり、出来レースなのかと思う事は今でもあります。