長いこと日本にいたら当然英語と接する機会は格段に減り、再び海外へ行った時にあら、困ったなあ、となるのは容易に考えることができる。
よし、英検を受けよう。
準一級のテキストを購入。ちらっとめくってあら、困った。なんかむずくね?
二級も受けることにした。
準一級のリーディングはなんというかなんか性格が悪い。
無理して難しい言葉使うし、文章の流れが本当にわからん。反論みたいなことするときは、
however!
とか言って、
今から反論だよ!
と分かりやすく示してくれればいいところを、回りくどい言い方をする。
かと言って、現状はなんとかで、なんとかなんどけどね。
みたいな。
はっきりしよう、言いたいこと、ズバッと言おう。
リスニングも同じ。
あなたはどこどこへ行きたいのですが、電車が遅れています。どうすればいいでしょう。
という問題文。で、放送はこんな感じだった。
バスがあります、だけどタクシー使ったほうが早いかなー、あでもどこどこへいくかたは地下鉄かな、でもあれ、おそいんだよな、あそこ行くんだったらシャトルバスかも、
しっかり!駅員さん、しっかり!
ここ行くならこれ!
あそこ行くならこれ!
みたいに、ちゃんと整理してから喋れないものかなあ、、
問題に文句を言っても何も始まらない!
まあそれなりにテキストをやった。
気付かされたのは自分の単語力の無さ。
大問1は空欄の中に当てはまる単語を4つの中から選ぶ単語力命な問題。
これが全然できなかった、、
頑張ってより多くの単語を覚えようとはしてみたものの、なかなか頭の中にしっかり入ってこない。一回入ってきても、なんか遠慮しちゃうのか、すぐ出ていっちゃう。もう少しゆっくり、お茶でも飲んで行ったらいいのに。いつでもこっちはウェルカムなのに。
気づくと試験前日。二級のテキストを一瞬足りとも見ていないことに気づく。
パラパラ〜とみてみたらびっくり!簡単!
リーディングの文章、素直!
However!
とかちゃんと言ってくれるしほんと助かる。
リスニングもすごく分かりやすい。
しっかり、ゆっくり、分かりやすく喋ってくれる、素晴らしい。良い子。
こんな良い子が、準一級になったとたん、気難しくなってしまうんですね。
どうしてこう、、僕と意思疎通がちゃんとできなくなってしまうのか、、思春期でしょうか。一級になれば逆に難しい時期を通り越して立派で、思いやりのある感じになるかしら。
ならないな。
試験当日。最寄りの駅にかなりの人集り。よく見るとテキストっぽいものを持ってる。あと、メガネ率が多い。この人たちについて行けば試験会場までたどり着ける、間違いない。
間違いありませんでした。
ちゃんと着いて一安心。
しかし!
however!
ここで重大な問題に気づく。
時計がない!
部屋中、どこを探しても時計らしきものがない。
でもなんでだろう、あたりを見回してもみんな焦ったりする様子なく、落ち着いてる。そこで気づく。
ああそうか!
腕時計だ!
みんなもってる。腕時計。
机の上に、腕時計。
僕だけ忘れた。腕時計。
試験開始の時間は刻々と迫り、ついに試験官が回答用紙を配り始める。自分の分が配られるとき、最後の希望を試験官に託す。
あの、、、この部屋に時計って、、
ないね。
即答だった。
もう、、終わりだ、、、
腕時計、腕時計さえあれば、、、、
その時、後ろの席の男の人が僕の肩をトントンしてきた。
う、うそでしょ?
まさか予備の腕時計を持っててそれを僕に貸してくれるなんてそんなこと、、、
あった。
これ、よかったら使ってください、
素敵すぎるよ。さすがにそれは。
こんな素晴らしい人に出会えるなんて、、
涙でてきそう。
ありがとうございます、、!
窮地を救ってくれた彼のためにも、絶対に合格しなくては!
試験開始。
やっぱり難しものは難しかった。
合格できたかどうかはちょい微妙。
でも彼の時計によって僕の気持ちは一気に軽くなって、問題を解くことに集中することができた。
ありがとう!彼!
この恩は一生忘れません。また今度どこかであったときには僕が身を削ってあなたの助けになります。本当にありがとうございました。
この場を借りて感謝の言葉とします。
お昼ご飯を食べて、次は二級を受ける。
試験会場はさっきとはまた違う教室。
流石に今回は時計、あるよなあ、という僕の甘い考えは通用しなかった。
二級は簡単め、とはいえ時間が分からなければどうにもならないよ、、
今度こそ、僕はここで終わりか、、
とそこへさっきの腕時計貸してくれた彼が教室に入ってきた!
この人もダブル受験だったらしい。
ということでもう一回貸していただきました。
ありがとう!彼!
2度も僕の窮地を救っていただいて、何とお礼を言ったら良いのか。
本当にあなたは命の恩人です。また会ったときには今度こそ、僕が助ける番です。何でもします。裸になれ!と言われたら、なる所存であります。本当に本当にありがとうございました。
この場を借りて感謝の言葉とします。