「いい買い物」って何でしょう?私たちが、良い・悪いを判断するときは、何かと比較をしている場合がほとんどです。買い物をするときにも、私たちは他の商品と比較をする場合が多いですよね。その比較をすることが、無駄遣いや浪費、無駄な出費といった使わなくてもいいお金を使ってしまう原因になる事があるのです。今日はその現象について、お話ししていきます。
あなたが家電量販店にテレビを買いに行くと想像してください。売り場に行くと、広いスペースにたくさんのテレビが並んでいますね。この中から選ぶのは、一苦労だなと思っていましたが、よく見てみると、あなたが探していたサイズのテレビは、3つだけでした。
1つ目は、超薄型で壁にも掛けられるタイプのテレビ。でも価格はあなたが考えていた予算よりも結構高くて痛い出費になりそう。
2つ目は、その価格の半分のテレビ。これでいいかと思ったけれど、厚みが結構あって重いし、画質が少し荒い感じ。
3つ目は、予算よりも少し高かったけれど、安いものと比べてかなり薄型だし、画質も高いものに劣らないくらい綺麗。
さて、あなただったら、どれを選びますか?この場合、3つ目を選ぶ人が多いのではないでしょうか。
これは、人間は、3つの選択肢を与えられると、中間のものを選びたくなる効果によるものです。「妥協効果」と呼ばれます。私たちは、両極端を避けて中間を取る事が妥当だと思ってしまいます。
身近な例でいうと、レストランで値段の違う3つのコースがあったり、不動産会社が賃貸マンションを内見する際に、値段も条件も違う3つの物件を見せられるのは、この効果が与える影響が大きいからです。
さらに、この心理は、日用品などの値段の小さいものを選ぶときにも働いています。スーパーに、値段の高い高級なお肉が並んでいるのは、あなたに中間の価格のお肉を選んで欲しいのです。
このように、私たちは、無意識のうちに選択肢を与えられていて、その中から商品を比べて、選んでいます。この選択肢に引っ張られて買い物をしてしまうと、無駄遣いや浪費が増えてしまう可能性が高くなります。
【選択肢に惑わされないための方法】
①商品の選択肢が3つの場合は注意する。
商品の選択肢が3つであった場合、とりあえず中間のものを選ぼうと思った場合は、注意してください。お店側に、あなたが中間のものを選ぶように、誘導されている場合もあります。その場合は、価格と中身が釣り合わない場合があるので、よく検討してみましょう。
②店内にある商品の中で、比較をしないこと。
あなたが、既に欲しいものが決まっていて、それを買うためにお店に行く場合、嫌でも他の似たような商品を目にしてしまうでしょう。あなたの欲しかったものが、店内の他のものと比較したら一番安いもので、他の商品の方がよく見えたとしても、最初よりも値段の高いものを買う必要はありません。
お店の中では、商品を比べてしまうかもしれませんが、家に商品を持ち帰ったら、商品はただ一つであり、比べるものは何もないのです。選択肢に引っ張られない買い物の方が、無駄なお金を払わずに済みます。
選択肢があることは、私たちが商品を選ぶうえで、時間の短縮になるという便利な一面もありますが、選択肢に頼りすぎると、無駄な出費や浪費を増やすことに繋がる場合もあります。選択肢の中から商品を比較するだけでなく、単独で商品を評価することも忘れないようにしましょう。

