今日は「価格」の秘密についてお話ししていきます。私たちが日常的に見ている価格は、どのようにつけられているのでしょうか?価格は私たちに大きな影響を及ぼします。価格は、商品を買うときだけに意識するだけでなく、その商品を使った後の効果まで変えてしまうのです。価格に騙されずに、浪費や出費を抑えるための方法を学んでいきましょう。
ある実験では、2つのグループの学生に、「集中力を高める」という宣伝で売り出されたエナジードリンクを買ってもらいました。どちらのエナジードリンクも成分は同じ、違うのは価格だけです。片方は1缶200円、もう片方は、セールで95円でした。
この両方のグループの生徒に簡単な言葉の知能テストを行ったところ、なんと、高い料金を払ったグループの方が成績が良かったのです。
なぜ、中身の成分は全く同じなのにも関わらず、このような出来事が起こったのでしょうか?
この実験の場合、学生は、ドリンクに高い料金を払うほど、その効果が本物だと信じたいと思うようになります。この場合、200円を出して集中力を高めたと思っているグループは、そうでないグループ以上に集中をして、知能テストに取り組んだのです。
このように、私たちの脳は、価格に騙されます。
プラシーボ効果というのを聞いたことがありませんか?これは、医者が患者に「よく効く薬です」と言って、ただの砂糖を与えても、症状が回復するという実験です。薬の中身に関わらず、薬を飲んで「これでよくなる」という安心感を持つことによって、痛みが緩和されたりしてしまうのです。
これと同じように、「高いものだから効果があるに違いない」という思い込みの安心感によって、私たちは、価格が高いものほど効果を感じやすくなります。
薬に関してさらに例をあげると、高いブランドの薬とジェネリック薬は、成分は同じにも関わらず、高いブランド薬を飲んだ時の方が、効果は大きくなるのです。
【価格に惑わされないための2つの方法】
①価格ではなく、中身で判断すること。
商品の中には、中身が同じか、それ以下にも関わらず、価格が不当に釣り上げられているものがたくさんあります。特に化粧品や美容の商品に関しては、そういった傾向が強く見られるように感じます。以前、2万5千円の高級クリームと500円のニベアクリームの成分は、実はほぼ同じだったというのがネットで話題になった事がありました。これと同じような事は、日常的に起きています。「高級品=より良いもの」という考えがあなたの中にあるとしたら、注意が必要です。
②あえて、価格で上手に自分を騙す。
上記で見たように、私たちは、気をつけていたとしても、簡単に価格に騙されてしまいます。それほど価格が私たちに及ぼす影響は大きいと言えます。でも、逆を言えば、その効果を使って、自分自身を騙すことも出来るのです。例えば、頭痛が本当に酷くて悩まされているのであれば、安いジェネリック薬ではなくて、高いブランド薬を使う事が必要です。頭では、成分は全く同じとわかっていても、高いお金を払って、ブランド薬を使った方が、実際に効果を感じやすくなるのです。価格とうまく付き合っていくためには、こういった良い効果があることも覚えておきましょう。
価格は、私たちが思っている以上に、必ずしも適切ではないという事に気づけたでしょうか?高いものが必ずしも良い商品とは限りません。価格は、企業の戦略によって、あえて必要以上に釣り上げられている場合があります。浪費や無駄遣いを抑えるために、価格に振り回されない賢い消費者になる事が大切です。


