福島県西会津町国際芸術村。

山の中の中。

そこだけ時間が止まります。

今にも、オルガンが音を出しそうです。

理科室の金属音。

誰かが覗く顕微鏡。

ギシギシ音を出して、階段を上ります。

今年も「西会津国際芸術村公募展」が開催中です。

その昔、この村にリトアニアの青年が滞在したことが縁で始まった作品展示。

小学生から一般大人まで、日本・韓国各地から応募がありました。

地域の生活感や、10代の子たちの心情など、

作品を通じて共感できるひと時です。

ここでも一応各賞が決まりますが、最近各地の運動会で順位を決めないとか。

絵の世界でも、順位をつけないで、

作品そのものを味わう環境になってもいいのではないでしょうか。

それを読み取るには、見る側の感性も磨かれていなくてはなりません。

誰の作品、何賞をとった人の作品、何とか会のだれだれさん、どこどこの何さんのお弟子さん…そんな噂が飛び交う芸術界。

画商にとってはお値段以上の価値でしょうが、

ここでは、そんな価値観は通じません。

古い校舎が、時間や私たちに焼き付いたフィルターまでも、消し去ります。

ただ目の前の作品に向き合うのみです。