秋晴れの続く今日この頃です。
長野県東御市の丸山晩霞記念館に行きました。
おめあては、
入り口を飾るのは、イギリス人画家アルフレッド・パーソンズの水彩画です。
パンフレットより
明治初期、来日していた外国人は約8000人。
彼もまた、エキゾチックな東洋の国を旅しました。
日本の近代化が進み、西洋化する日本に失望し、帰国する人も多かったとか。
失われてゆく日本の原風景が堪能できます。
お庭はバラ園です。
次に訪れたのが、上田市の無言館です。
以前来たときは、会館10年後ぐらいで、木々は小さく、丘から四方が見渡せました。
今は職場の人たちで写した見晴らしのいい丘も、むこうがよくわかりません。
美術館、というより教会?礼拝所?
中に入ると、そこはひんやりとしています。
シーンと無音の世界。
音という音を、分厚いコンクリートの壁が吸い取ります。
まるで、洞窟の中の納骨堂のようです。
無言館ホームページより
入ってすぐのところに自画像が。
そばに飾られた写真には、描く青年と作品が。
青年の笑顔がむしろ痛々しい。
無言館ホームページより
描かれた家族、兄妹、そして妻。
当時としては、男女の付き合いもなく、妻と言えば即恋人であり青年にとっては初めての女性でしょう。描かれた裸婦が涙を誘います。
夕日が照り返す「記憶のパレット」
戦没画学生約500人の名前が刻まれていますが、3分の一は無縁仏です。
2004年、これに赤いペンキがかけられました。
犯人はいまだ捕まらず、その意図も不明です。
第二展示館。「傷ついた画布のドーム」
手前は巨大な椅子のオブジェです。
椅子の上部には「ペンキ事件」の記憶を遺すために、あえてペンキがかけられました。
館長窪島誠一郎の「多様な意見を尊重したい」意図からでした。
大戦当時の日本人は「国の存亡をかけた戦争」と考えましたが、
戦後教育の中で、「侵略戦争」にすり替わりました。
無言館の痛ましい作品から、
翻弄される青年たちが、国のためといいつつも、自分の家族のため妻のため闘った姿が伝わります。
明治、
日本の魅力に惹かれ来日したにもかかわらず、西欧化する姿に失望した多くの外国人。
めざした「近代国家」は、皮肉にも日本人が学んできた欧米人により粉砕されました。
NHK朝ドラ「ばけばけ」より
ヘブン先生、日本の魅力って何ですか?









