日枝久氏は、
1961年フジテレビに入社。
社内では女性の待遇改善や労働組合運動など改革派でした。フジテレビでは視聴率ノルマが廃され、制作者が作りたいものを作る路線に転じ、「楽しくなければテレビじゃない」をキャッチフレーズにヒット番組を生み出します。
「ママとあそぼう!ピンポンパン」
「ひらけ!ポンキッキ」は朝から大はしゃぎです。
日本テレビの「おはよう!こどもショー」はいつしか消えます。
1980年代は女子アナの起用が大当たりします。
1976年~『スターどっきり㊙報告』
1981年~『オレたちひょうきん族』はお笑い・まんざいブームの先駆けとなります。
が、この辺は今回の中居くん騒動のノリじゃないですかね。
番組のノリと現実がごちゃ混ぜになり、社内風土とすり替わり、
遂には犯罪となる構造。
関係者も「変」とは思いながらどこかで番組がらみ?という忖度が働いたとか。
あるいは、仲居くんやフジスタッフもそれを狙った?
松下幸之助の築いた松下電器。
彼の水道哲学により、物資の大量生産・大量供給による物心両面の豊かな暮らしの実現に邁進しました。創業当時からの4人の番頭による事業部制。それぞれの松下電器による競い合いにより、人材育成を図りました。奥さんの弟は別会社として独立し、三洋電機となります。松下電器内で似たような製品が重複して生産・販売されたのはそのためです。
2000年、経営の実権を握った中村 邦夫は、松下電器産業を根底から覆し、2008年「パナソニック株式会社」へ変更し、
「破壊と創造」重複事業の効率化を進めました。本部も大阪の門真ではなく東京です。が、彼の推し進めたプラズマテレビは大失敗。韓国のサムスンにもデジタル化で追い越され、2012年から2年連続で1兆5000億円もの大赤字を叩き出します。「人間として劣化した経営者」のレッテルが張られ、会長を退任、2022年83歳でひっそりと世を去ります。
2024年、パナソニックHDの楠見雄規社長はパナソニック解散を宣言し、新たな改革に取り組むことになりますが、前途は多難です。
それまでは定価販売が基本だった小売店。
しかし、中内功氏の経営理念は「価格は消費者が決める」「売り上げが全てを癒す」です。「流通革命」や「価格破壊」で薄利多売で勝負をかけます。昭和のカリスマとも言われた故中内功氏が1957年に創業したダイエーは、今はありません。1990年代の土地バブル崩壊とともに衰退し、2004年の産業再生機構による支援を経てグループ解体します。ちなみに松下幸之助はこの価格破壊に反対しています。安い価格では利益が出ず、働く人々への還元ができないからです。しかし、中内氏は仕入れ先からの拒否に対して独自ブランドで対抗し、廉価販売を推し進めます。が、消費者の質へのこだわりが各種専門店を生み出し、「ダイエーには何でも売っている。けでども欲しいものは何もない。」と言われ、働く従業員に過酷な労働環境を強い、球団購入や不動産投資など多角化はバブル崩壊とともにダイエーを転落させます。中内氏の晩年の言葉。「消費者が見えんようになった」「時代が変わった」2005年83歳で死去。
改革者が権力を握り、支配の快楽に味をしめると、イエスマンをはびこらせ、まわりが見えなくなります。