英国のマン島。

地図によっては、ここだけ色が違います。

イギリスなのですがイギリスでないイギリス。

もっともイギリスという名の国はないのですが、マン島の外交防衛は英国が担っています。マン島は英国王の所領です。

面積は淡路島ほどです。

議会も内閣もあります。

イギリスは立憲君主制と言われますが、イギリスに憲法はありません。

成文化を唱えながら、その実は慣例と判例による話し合いというファジーなしきたりが基本です。

民主主義と言われますが、王族・貴族という身分制度があります。

イギリスと言われますが、複数の政府の集合体です。

それぞれ地域のカントリーが共同で英国王を戴いて連合国家を契約しています。

そこで、英国王の所領がマン島です。

近代国家の先駆者的存在ですが、ここでもイギリスは古い体質を温存しています。

いつでも中世に返り咲きできます。

世界には、英国王位継承権を主張する約5000人の人々がいます。

男系女系国籍は問いません。

そして英国国教会の最高権威者は英国王です。

政治では首相が行政権を握っていますが、その権限は議会によって制限されています。

世俗的権威と宗教的権威は別物です。

建造物同様、古いものと新しいものが共存しています。

かわって日本の場合律令制による旧国と都道府県。

明治維新後は郡役所がありましたが、明治政府の財政難による行政改革ですぐに廃止されます。

朝廷の天皇というと、

明治維新後、さらに戦後GHQがつくった現在の国のかたち。

神道は朝廷がつかさどり、仏教が幕府の人民管理を担い、朝廷の戸籍に代わり過去帳が領民を記録しました。

現在は市町村が国の業務を代行しています。

律令制の名残ですね。

江戸時代、朝廷は幕府から石をもらい、公家はわずかな所領が与えられていました。

しかし、

明治維新後は広大な幕府直轄地が御領として天皇家のものになります。

日清戦争で得た約3億円の5.5%が皇室費に組み込まれます。

現在は天皇家は御領も所領も持ちません。

内廷費、皇族費は約6億未満です。

かつて世界で最も裕福な王室が、現在は国民の税金から禄をいただきます。

活動費やお住まい身なりは宮廷費という別途支出なので、天皇家は足利義満時代並?の制約かもしれませんね。

これが戦争で負けた国です。