知人が作品をメルカリでの販売を始めました。

自身のホームページからアクセスできるのですが、10日経って、まだ売れてない様子です。知人は定職についていません。有名な団体展の元会員で、結構いい年齢です。

美大を出て作家になって、銀座の画廊のお抱えになって売り絵を描く人もいます。

画廊の取り分が半分。最低限の生活ができる年収200万円を稼ぐのに、400万は売らなければなりません。一号2万円として200号分の販売が必要です。単純に4号でなら50枚です。年50枚売れる作家さんはいません。

団体展の役員で、お弟子さんにそれとなくにおわせれば、個展で飛ぶように売れる作家さんもいますが。

団体展で大賞を取り、並の会員クラスなら号5万でも強気でいけますが、そうそう売れません。

画廊で新人賞展などしているところもありますが、応募費用で儲けています。売れない作品は即ヤフオクで現金化です。応募費用・送料・売れない場合の返送料・額代金などは作家持ちです。画廊は仕入れ値ただで売上金が入ります。売れない時は作家に「まだ売れません」と圧をかけます。作家さんは友人知人親族にあたりをつけて売ろうとします。それも画廊の狙いです。

画廊主を養うために描いているような感じです。

売れる作家もあります。すごいなと思いきや、売れた直後からヤフオクでお目にかかることがよくあります。転売です。一応画廊は『適正な』価格で売ります。ネットでは買い手次第です。値が下がることもあります。

が、転売の場合、作家には一円も入りません。

絵で飯は喰えません。

 

団体展で大賞をとってもすぐにやめる人がいます。

『もったいない』とか『一発屋だ』とか『賞金どろぼう』という人もいますが、むしろ賢明な選択かもしれません。賞をとったために人生が狂う人もいます。

他人から羨ましいと思われることが災いすることもあります。

自信を得て作家を目指したがために、困窮する人もいます。

私は大学に9年いて教職に就きましたが、厚生年金はほかの人より3割少ないです。国民年金は同じですが。退職金は用務員さんよりも900万円も少ないです。震災復興特別税もありますが、勤務年数の違いです。

大学院の博士課程を終える人は、30近くです。当然勤務年数は減ります。

あとあとツケはまわります。

美大の大学院を出ても、定職に就かない人は意外と多くいます。

アーテイスト…夢のある職業ですが、『夢』かもしれませんね。

私は教え子に、経済的な裏付けのない活動は破綻することを、機会あるごとに言い聞かせます。

この辺は、社会科教師です。

さて、板絵の下地作りです。

見えないところにこそ気遣いが必要です。

あとあと響きます。