朝ドラ、

万太郎は家業に専念できません。

植物学への思い。

が、

万太郎は特別変わった人でも、わがままな人でもありません。

江戸時代、人生は二度味わいます。

上は天皇、将軍家から下は商人・農民まで、

「家」が「家業」であり、家の存続が封建社会の維持です。

事を荒立てず、穏便に仕組みに従うことが、天下泰平の美徳です。

ということは、

家長は跡取りを育て上げたら、もう役割は果たしたも同じです。

英国チャールズさんが、若いダイアナ妃と王子をもうけたら、自分の仕事は終わったと言ったとか言わなかったとか。その後は本命の夫人と仲良くします。

江戸時代のご隠居は趣味三昧です。

リタイア後こそが本当の人生です。

文芸・音曲・武芸・絵・天文・宗教…探求に余念がありません。

伊能忠敬も伊藤若冲も、さっさと家業をせがれに任せて、偉業を成します。

↑伊能忠敬

中学校歴史教科書より

万太郎も、本来は潔く家業を継ぎ、跡取りをもうけて、研究のための財を蓄え、隠居してから植物学に打ち込めばいいのです。

が、そうはならなかったのが、明治の世です。

今でいう、自己実現。

新しい生き方。

個としての職業への目覚めです。