一本の藁が次々と価値あるものに化けて、

最後に大金持ちになるお話。

家康もそんな人かも。

いつ滅ぼされてもおかしくない境遇。

いつでもやっつけられる弱くそだから

敵にもならなかったのが幸いだったのでしょう。

今川氏真は

後に徳川の家臣として、

その文芸作法に通じたたしなみから、幕府と朝廷の橋渡しとなります。

武田勝頼亡き後は、武田の遺臣ともども戦術・武具を引き継いで

徳川軍を強固にし、

豊臣秀吉によって追いやられた東国関東を開拓して、広大な領土とした。

「○○氏を滅ぼす」とは表向きのことで、

武田も織田も今川も存続しています。

ちなみに、伊達政宗は弟を殺害したことになっていますが、実は弟は寺で長寿を全うしています。

『滅ぼす』は世の存在から一歩引くことで、いなくなることではありません。

出家同様、この世の責任からの回避です。

世間もなきものとして扱うのが流儀です。

「豊臣家を滅ぼす」も案外表向きのことともいわれています。

家康は『滅ぼす』ことなく、

賢くその恩恵をわがものとしています。

敵であっても自分に活かす…

一本の藁は天下を治めます。

中学校歴史教科書より