休日出勤はお金にはなりませんが、

ウイークデーを円滑に進めるための、

よきバックヤードです。

秘密の取り決めを済ませて、

教務室のセコムを解除し、

誰もいない、広い校舎をまわります。

600人もの賑わいが、

うそのようです。

あれもやり、これもやり、

金曜までの段取りが見えてくると、

朝日が西日に変わります。

子どもたちの賑わいの声が、遠くから聞こえます。

そばではなく、

きまって遠くからです。

ひとり、ふたり、男の子?女の子?

玄関の踏み板の木の音。

見回りはしません。

教務室の戸を開けて見渡しても、

誰もいないからです。

私は、いつものように

ただ聞いています。

学校には何かが宿っています。