同期は「中学生は怖い」と言います。

女子もかわいげがなく、ぎすぎすしています。

子どもというより小さな大人です。

さらに、子どもであるだけ、何をするか分かりません。

そんな子どもたちがちょっとしたことで、教師をレスペクトすることがあります。

技術の時間で、たまたま担当の先生に用事があって教室に行きました。

木工で椅子の製作中で生徒が金づちでくぎを打ちます。まどろっこしいので私がお手本を示してくぎを打ちます。

周りの視線を感じました。

「違う。」と言います。

「リズミカルだ。」

トン、ト・ト・ト・トン!

さらに金づちの頭をひっくり返して

トン!と仕上げます。

工場で当たり前にしていた釘打ちでしかないのに、子どもたちには感激する瞬間でした。

「もう一回やって!」

お手本を示すと、あちこちで私をまねたように釘打ちの音が響きます。

小さな大人が子どもに変わりました。

コツを思い返しては、自分のものにしようと夢中です。

ちょっとした出来事で、子どもは興味を感じるきっかけになります。